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夜間雷撃戦 前編

さて!


今回はアドミラル・ヒッパーの六姉妹が主役です!!


と、言いましても『ヴェーザー』ですけどね...


では、お楽しみ下さい!


「ブルックス電子長はいつも何故ペンを銜えているんですか?」

無邪気な言葉がブルックスの耳に入ってきた、


「ん?何時もの癖さ、それより、お姉さんたちと久々に会うんだろ?行かなくていいのか?」

逐一レーダーに映った情報を銜えたペンでメモしていくブルックス、


「そう言う状況でもないんですよ~、だってレーダーには未だ映ってるし...」

「ははは、ブリ公もしつこいもんよ...」


レーダーの緑色の画面にはハッキリと4隻の艦影が映っていた、

僚艦の艦影も確認できている、

先行するペーター・シュトラッサーの艦影も勿論だ、


「よし、後は艦長に報告するだけだ、」

そう言って、

ブルックスは席を立ち、

メインレーダーマストを降りていく、


艦橋から異様な高さにまで突き出たこのマストは、

現在、『電子士』たちがひしめき合う電子戦の最前線なのだ、

その長を勤めるのがブルックス電子長である、


艦橋ではルドルフ艦長が飛行長のペーチェと砲術長のヤコプセンと笑談中だった、

何とも和やかな雰囲気だが、

この中でも凄いのは艦長と砲術長が同期のライバルだったということ

今は立派なパートナーだが、

そして、その砲術長のヤコプセンのやった武勇伝を書くと、

航空魚雷と航空爆弾を使い果たした本艦はアイスランド沖合いに向け航行中に、

たまたまイギリス本国へ向けての輸送船団を発見、

これを撃破しようにも火薬庫はすっからかんで、

艦長が頭を抱え込んでたところに現れたのが、ヤコプセンであった、

『オレがやる』と一言言うと、

伝声管で各砲塔に指示を出し、艦長の操艦もあって、

29隻の輸送船のうち、20を炎上させ、5隻撃沈、4隻拿捕と言う戦績を残していたのだ、

拿捕した輸送船の積荷を確認すると、

銅をはじめとする戦略資源がザックザクのがっぽがぽ、

この拿捕した輸送船はアイスランドまで補給艦を護衛していた艦艇たちに任せ、

その脚で、今回の戦列に参加していたのだ、


「艦長、...その手のグラスは?」

「ハハハ!!君も飲むかね!!」

「ペーチェ飛行長!!飲酒飛行ですか!?」

「気にするな!!今回はヤコプセンの活躍を祝って飲んでいるんだ!!」

「ガハハハ!!オレの砲術をなめるなよ!!伊達にビスマルクの高角砲手を勤めていた訳じゃねぇんだよ!!」


...駄目だこりゃ、

この三人がこうなったら実質、艦の指揮はブルックスに移ったも同じ、


「...メモ置いときますよ!!」

メモを一枚メモ帳から引きちぎり、

艦橋の机の上に『バン!!』と置く


相変わらずメモをちらりと見ると艦長が

『ブルドック共が来たぞ!!その勇気を愛でてやろう!!』

『『ガハハハ!!!ちげぇねぇ!!』』

と、楽しそうな声がメインレーダーマストの電子室まで聞こえてくる、


「相も変わらずチャーチルをブルドックと呼ぶとは、なっちゅう度胸だ...」

艦長のブルドックの意味を知っているからこそ理解できるブルックスであった


実際に艦内には一匹のブルドックが居るのだが...

今はチャーチルと言う名前が付けられており、

艦内のマスコット的存在になっている、


「電子長、グラーフ・ツェッペリンⅡから連絡です、」

そばかすが目立つ電子士がヘッドホンを差し出す、


「はいもしもし?此方ヴェーザー電子室、ご用件は?」

『私だ、そっちの艦は確か、夜間攻撃が得意だっただろう?』

「はい、そうですが?」

『そこでだ、そっちの攻撃隊で今追撃してくるイギリス機動部隊を蹴散らせれんか?』

「...はい、分かりました喜んで!」

無線が切れるのを確認すると、

すぐさま自分の席に戻り、ヘッドホンのスイッチを切り替える、


「格納庫の攻撃隊、聞こえるか?」

10秒待たずと返事が返ってきた、


『ばっちりだ!!スピーカの感度は良好!』

すぐさまヘッドホンのマイクに向かって喋る、


「グラーフ・ツェッペリンⅡからの直々の命令だ、夜間攻撃用意」

『了解!イギリスの艦隊だな?』

「あぁ、それも機動部隊だ」

『よぅし!!野郎共!!奴等に夜間攻撃の恐ろしさを見せてやれ!!』

『『『『『ウオオオオオオオオ!!!!!』』』』』


凄まじい雄たけびがヘッドホンから伝わってきた、

飛行隊隊長は今も恐らく艦橋で笑談に花を咲かせているだろう、


そうこうしている間に、

真新しい魚雷や爆弾が火薬庫から引っ張り出される、


攻撃隊の準備は、

イギリスが油断しているこの瞬間でも、

現在進行形で進んでいた、






次回へ続く...


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