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北海突破戦 後編


「総員!突撃用意!!」

目前に広がるイギリス機動部隊、


空母3、

戦艦1、


そして今漸く対空砲火が撃ちあがり始めた、


「雷撃隊付いて来い!!」

攻撃隊が隊長の合図で二手に分かれる、


一方は高高度からの地獄への逆落とし急降下、

一方は低高度からの蛇の如くの雷撃である、


一見、

素早く見える空母対空母の海戦は意外にものんびりしている、

魚雷や爆弾を積み、飛行甲板から飛び立ち、

それを片道何千、何百の距離を飛び、

更に片道何千、何百の道を帰らなければならないのだ、


途中でイギリスの航空隊を見なかったので、

恐らく航海法を間違えたか、はたまた未だあの格納庫の中なのか、


「リンデマン!!突入するぞ!」

「分かってる!!後ろは任せろ!!」

『左後方上空!!!フルマー艦上戦闘機!!!』


8本の火線が雷撃隊を襲う、

しかし、


『7.7mmだ!気にすることは無い!』

ごもっともである、


フルマーは8もある機銃は全てもったいないことに7.7mmなのだ、


「ん?おい、リンデマン!母艦から通信だ、お前が受け取れ!」

無線を切り替え、

そう言うと再び操縦に集中する、


「このまま真っ直ぐこっちに来い...そうだ、このまま...」

訓練でも何度もやった、

後は勘でレバーを引き機体を起こす、


何度か衝撃が伝わってきたが恐らく軽微だろう、


「ハンス!!ペーター・シュトラッサーが戦線離脱したそうだ!!」

「もうそんなに遣られたか!!?」

「違う!あの臆病艦長が最大戦速で俺たちを置いていった!!」

「何やってんだあの艦長!?」

「知るか!!それと、近くに停泊していた『ヴェーザー』が戦列に加わった!」

「ヴェーザーだと!?」


この瞬間、

ハンスは脳内に残った疑問を操縦桿を握りながらも脳みそフル回転で解決していく


「通商破壊任務中じゃ無かったのか?」


恐らくここでは知るよしも無い、

何とヴェーザーはイギリス本土近郊の輸送船を片っ端から沈めていたのだ、

そして今回はたまたま、アイスランド沖合いで闇のマントをまとって物資補給中だったところへ、

本命の機動部隊が追撃されていることが打電で届き、

急ぎその脚で現場に向かい今に至る


ここに、

ヴェーザーのスペックを...



排水量:(満)25,500t

全長:(全)217,0m

全幅:(船)22,2m

喫水:7,8m

出力:130,000hp

最大速力:31,0kt

乗員定数:1,150名

武装:

・65口径10,4cm連装高角砲5基

・69口径37mm連装高射機関砲6基

・航空機20機(Fi 167特別仕様×15機、Si 201特別仕様×5機)

飛行甲板:217,0×32,6m、昇降機2基、カタパルト2基

その他:電子設備多数



そうこう説明している内に、

ハンスが放った魚雷は見事に『イーグル(初代)』を捉えた、

しかし、新兵で魚雷を命中させたのはハンスだけだった、

他は古参兵や、ベテラン、隊長が数本命中させたのみ、

急降下爆撃もそうだ、怖気付いた新兵は訓練より高い高度で爆弾を切り離す、

これは勿論、当たる訳が無かった、


一通り攻撃が終わると、

もう既に夕焼けが蒼空を支配していた、

結局この出撃でイギリス側に与えた損害は軽微だった、

これを気にする新兵たちを隊長は航空無線で何時までも励ましていた、

既に艦隊はスタヴァンゲル沖合い50kmまで進出、

ここで漸く北海に入ったのだ、

イギリス艦隊はなおも追撃を続行、

しかし、夜間に航空機は飛ばせないのは双方同じ、


なぜなら貴重なパイロットをここで失いたくは無かったのだから、


しかし、1隻の軽空母だけは違った、

アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦の未完成の6番艦の艦体を流用したその空母の名は、


実験軽空母の『ヴェーザー』である、


この軽空母の戦果を見れば一目瞭然なんだが、

撃沈した貨物船は全て夜間、


つまり、この軽空母は夜間攻撃に特化した空母なのだ、

スペックのその他の項目を見てもらえば分かるが、

電子設備多数、つまりレーダーやら何やらがたくさん積み込まれているのだ、


積み込まれている航空機も独自改造の専用機、

ここに、グラーフツェッペリンⅡ司令部直々の命令が下された、




























   『夜間雷撃を敢行せよ』










次回へ続く...

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