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北海突破戦 前編

ここで注意、


これからやっていく物語は主に『グラーフツェッペリンⅡ』


が、主役である、


では、宜しくお願いします、


「とーりかーじ!」


舵輪が軽快な音を立てて水兵の手によって勢い良く回る、

このまま取り舵をしないと、

カテガット海峡を直進し、ドラメンに突っ込むのだ、


この二つの狭い海峡は直角といってもいいほどの角度で交わっており、

交通上不便極まりないのだ、


「艦長、この光景は圧巻ですな」

「あぁ、ドイツが本気になった証拠だ、」


グラーフツェッペリンⅡを先頭に、

単縦陣

で海峡を突き進むは


ブランデンブルク級航空母艦のブランデンブルクとデアフリンガー、

外観はエセックス級空母にグラーフツェッペリンの艦橋を載せたような感じだ

その後方、


フリードリッヒ級航空母艦のフリードリッヒとドイッチュランド、

ドイツ最大級の航空母艦であり、

日本より貰い受けた大鳳の装甲技術がつぎ込まれている、

大鳳とは違い開放式格納庫で、さらにアングルド・デッキを採用、

搭載機数も102機を誇る、

『信濃』のような艦橋の前後には15cm連装砲が装備されている、

そしてその後方、


サイドリッツ級航空母艦のサイドリッツとリュッツオウ、

艦隊防空を主任務とするこの空母は、

アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦からの改装空母である、

搭載機は戦闘機がその殆どを占めているために、

早くも艦内ではどっちが最下位かと言う賭けが始まっている、


更にその後方、

『ペーター・シュトラッサー』

言わずと知れたグラーフツェッペリン級の二番艦、

つまり、今回の訪問で彼女は久々に姉の『グラーフツェッペリン(雪鶴)』と会えるのだ


合計八隻、

そして、

今回の出撃に際してドイツが保有する水上打撃戦力が護衛につくことになっていた、


シャルンホルスト級巡洋戦艦をはじめ、

各空母に一隻割り当てられた護衛はこの海峡を抜けた先で待機中であった、


ドイツ最大の空母フリードリッヒとドイッチュランドにはドイツ最大の戦艦、

ビスマルク級の二隻が割り当てられているのは事前に知らされているが、

他のは現場で合流しないと分からないのだ、


Z23型駆逐艦が先導して海峡を進むドイツ空母、

その大きく長い単縦陣は18ノットの高速で海峡の出口に差し掛かる、

ちなみに、この駆逐艦たちも護衛の任を受け持っているのだ、

どれがどれかは分からないが、なんせ十五隻も居るのだから、


「海峡を抜けます、前方に友軍の大型戦闘艦を確認各艦旗旒信号用意、艦名表示急げ!」

マストの根元の水兵が急いで信号旗をつなぎ合わせて艦名を構築していく


色とりどりの旗が海から吹く潮風になびく、

対岸の住民たちはまるで観艦式を見ているかのような目でこちらを見ている、


駆逐艦も負けじと信号旗を揚げ自艦の任務の割り当てられた艦を探す、

グラーフツェッペリンⅡに近づくのはドイッチュランド級装甲艦のアドミラル・シェーアと駆逐艦二隻、

ここで、艦隊は2つに分かれる、

ブランデンブルク級とフリードリッヒ級の四隻の大型空母はその持ち前のタフさからドゥーヴァー海峡強行突破を試みる、

ここでも戦果を稼ぐようだ、

一方、我々グラーフツェッペリンⅡとペーター・シュトラッサー、

サイドリッツ級の四隻はノルウェー海の方面を突破する、

このコースの場合、一番厄介なのがスカパ・フロー軍港の直ぐそばを通ること、

たとえベルゲン回りでも、目と鼻の先にイギリス海軍の本拠地があるのだ、

しかし、ここで怖気ついてはドイツの名が廃る、

あえてその蜂の巣を滅茶苦茶に突っついてやるのだ、


サイドリッツ級の護衛はまさかのアドミラル・ヒッパー級重巡洋艦、

恐らく今頃姉妹で喜び合っていると、


「で、お前も読者に解説ばかりしないで早くトランプカード引けよ!」

おっと、

紹介が遅れた、

彼は私が見えるチョッとしたラッキーボーイだ、


「では、これを貰う...やっぱ返す。」

「返すな!ジョーカーだからって返すな!いらんてっば!」


ドイツ艦艇に相応しくない凛とした長い黒髪、

腰にはサーベルならぬ日本刀、


そう、

我らが『大鳳(元)』であり、

現在はドイツ空母の『グラーフツェッペリンⅡ』の艦魂であるのだ!


「てか作者!今始めて説明文にビックリマーク使っただろ!?」


...な、何か問題でも?


「さぁ、次はお前の番だぞ?ハンス?」

ニヤニヤしながら二枚のカードを差し出す、

しかし、

そのうちの一枚のみ飛び出ていた、


「ははは!そんな見え透いた罠になんか!引っかかったーーーッ!!!??」

何と引っ込んでいるほうのジョーカーであった


「戦術とは裏を読むのだよ、さて、私の番だ」

勝ち誇った顔でハンスのカードを引き抜き...


抜けない!?


「この期に及んで最後の抵抗か、」

一枚のハートのエースが二人によって引っ張られる、


そしてとうとう、

エースはハンスを見放した


「今回も、貰ったぞ」

二枚のエースを机の上にそっと置いた、


そして机の上においてあったビール瓶を片手で持ち、

艦内に消える、


「...負けたか、」

ふーっとため息を付きイスの背もたれにもたれる、


「おーい!ハンス!!哨戒飛行の時間だ!!」

後部機銃座担当のリンデマンが通路の向こうで叫ぶ、


「りょーかい!!今直ぐ行くから待ってろ!」

急いでブーツを履き、

ふさふさの飛行帽をかぶる、


既にマンダール沖合いに進出はしているが、

未だに北海には出ていない、


『き、緊急電!!我が艦のファルケンハイン飛行隊隊長の機体が我々を追撃するイギリス艦隊を発見、これと交戦、アイアン・デューク級戦艦1隻を戦線離脱させたが、なおもオーディシャス級航空母艦、アーク・ロイヤル、イーグル、巡洋戦艦フッドが此方に近づきつつあり!!繰り返す!!緊急電!!...』

スピーカーから物々しい声が聞こえる、


「おい、隊長の機体だってよ、想等ヤバいんじゃないか?」

リンデマンがいやな汗を額に浮かべながら耳元に話しかけてきた、


「あぁ、隊長は想等の腕の経験者だ、見間違えてふざけて報告する筈が無い」

間もなくしてラッタルを一人の水兵が降りてくるのをハンスが見つける、


『攻撃隊準備!!繰り返す!!!攻撃隊準備!!』

飛行格納庫をメガホンを持って走り回る、

格納庫の床、又は寝室で寝ていた飛行隊員も目を覚まし飛行格納庫に集結する、


「ハンス!もたもたするな!!隊長が帰ってきたら出撃間違い無しだ!今の内に機体の点検をしとけ!」

古参飛行兵のバルテルスが髭を揺らしながら喋る、


急いで我が愛機にハンスは駆け寄る、

Ju188と言う名の機体、史実では『Ju187』

この機体にはハンスの描いたエンブレムが有った為見分けが一瞬で付いた、

他の皆もJu188、もしくは戦闘機『He100』に乗り込む、


「エレベーター空けろ!!!隊長が帰艦した!!」

グイーンとエレベーターが持ち上がっていく、

降りてきた隊長の機体は機銃弾の穴だらけであった、


「隊長!!予備の機体を下ろしますのでお待ち下さい!」

工兵のオットーが機体に登り急いで穴だらけのコックピットを開ける、


「そんな余裕が有ったらさっさともう一発の魚雷を取り付けろ!!」

顔を斜めに走る古傷が特徴的な人物がコックピットから身を乗り出す、

そう、

我らが飛行隊隊長、ファルケンハインその人だ、


若い頃に酒場で女子に嫌がらせをしていた不良15名と遣りあった古傷は今もなおその顔に切り刻まれていた、

一時は視力が低下し、飛行士人生あやうしと言われた彼は持ち前の生命力で回復、

現在に至る、


「しかし!!貴方が今その機体で出撃したら二度と帰って来れないのかも知れないんですよ!!!」

「そんなもん知るか!!今我が艦隊は追撃を受けているのだぞ!!!」

「部下のことを考えろ!!!!!」

「!!?...」

この一言に、

ファルケンハインは後ろを振り向く、


彼の目には彼を慕う航空隊の部下たちが映りこんだ、


「...分かった、できるだけ早く組み上げろ!いいな!!」

そう言うと機体を降り、

傷ついた機体を工兵に任せる、


エンブレムの赤く燃えるモグラのマークも、薄汚れていた、

ちなみにハンスは帆船のマーク、モデルは仮装巡洋艦『ゼーアドラー』


「たいちょー!予備の機体ですー!」

小太りの工兵がエレベーターで下の層の格納庫から真新しい機体を武装させながら揚がって来る、


バッと機体に飛び乗り、

エレベーターでそのまま飛行甲板に揚げられていく、















次は自分の番だ、

カタパルトに機体を進ませ固定される、

コックピットから親指を立て、作業員にグーサインを送る、

作業員もグーサインで返すと反対の手を真っ直ぐに上げ、

カタパルトの根元の作業員に合図を送る、

そして、もう一度最後の機体の点検をすると、グーサインをもう一度した、

圧搾空気が押し出される音が聞こえ、機体が前方に押し出される、

何度やっても慣れない、


「後部座席、リンデマン?大丈夫か?」

「だ、大丈夫だ...」


返事が返ってきただけでもよしとしよう、

一定の高度で安定を確保する、そして、

計器盤のあるスイッチを押し込んだ、

脚が90度回転し翼の中に消える、


グーンっと空気抵抗が減り自然とスピードが上がる、

航空魚雷を抱いた我が機を援護するために戦闘隊が回りに集まる、


僚機が付いてきたのを確かめると、

イギリス追撃隊のある東を目指す、


我々の初陣である、









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