プロローグ
さて、
我々がこれから体験するのは日本に向け派遣されたドイツの機動部隊のお話である、
日本の空母『大鳳』とトレードされた『グラーフ・ツェッペリン(雪鶴)』の様子見訪問がてら、
ドイツが誇る全ての空母が日本に派遣されることが決まった、
『グラーフ・ツェッペリンⅡ』を旗艦とする派遣部隊はドイツキール軍港を出撃、
エーリヒ・ヨーハン・アルベルト・レーダー海軍総司令官直々のスピーチを聞き、
派遣部隊御一行はキール軍港を汽笛を鳴らして後にした、
この先、
まさかイギリス、フランスの艦隊に追撃にされるとは、
よもやあのレーダー海軍総司令官でさえ想像が付かなかったことであろう、
派遣艦隊は先ず、
纏まって撃破されてはドイツの恥と、
各艦長が意見した結果、それぞれ単独での大西洋突破作戦に出た、
この意見が吉と出るか、凶と出るか、
集合地点は
マダガスカル島の東海上、ロドリゲス島の沖合いと言うことが決まり、
各艦思い思いに舵を切り、我先に戦果を挙げんと奮走を始めた、
これには訳があり、意見会の際に一人の艦長が
『フツーじゃつまらんから競争しよう、誰が最も戦果を挙げ、誰が最も早く着けるかを、』
この一言で、
最下位の艦長は自腹で、全員分の日本でのお土産を買わなくてはならなくなったのだ、
勿論これには、
イギリスも黙って指をくわえて待つというおろかな行為はしない、
急遽フランスにも出動要請し、万全の備えを整えたそのときに、
『ドイツ機動部隊が個々に動いている』
と言う業務連絡が入ってきたのだ、
これにはイギリスも驚き喜び、
急いで本土のスカパ・フロー軍港より空母を全て出撃させる、
フランスも大西洋中部に空母部隊での鉄壁なまでの包囲網を展開、
ここに、大西洋突破作戦とドイツ機動部隊殲滅作戦が衝突した