その5:眼の色は中の虹彩のメラニン色素の密度が低いと青く、高いと茶や黒になる
「とても詳しいですね。
その刀の能力も使い方も。」
軽く笑いながらかつ、少し満足そうに言う。
「昔、使ったことがあるからな。」
負けじと鼻で笑い、自慢気に言う。
そうお互い言い合った後、静寂が周りを包む。
風が空を切る音がした後は、何故か大地でさえ静寂さを保っている感じになった。
不意にギアが刀を下げる。
その様子に少しながら驚いた表情だったが、すぐに想定内とでも言った顔になった。
「もう終わるのですか?
私としてはもう少しやり合っても言いと思ってたんですけど…。」
「やめだ、やめ。」
ギアがアークの言葉を遮るように言う。
「全くお前みたいな変な奴とはもう関わらないと思ってたんだけどな。」
軽く笑って、同時にため息もつく。
「ご説明できますか?」
その答えには軽く、ああ…、とだけ言い、地面に座る。
さっきまで静寂を保っていた大地も、騒々しさを取り戻すように活気づく。
風も木々を揺らし、静かにギア達の周りで止まる。
「その刀はな、昔知り合いがお前の言ってた貴族から頼まれて取ってきたモノらしくてな。
そのときにあった依頼で使わしてもらった。
そのとき会った奴も空を飛べたからな、お前には大して驚かなかった。」
「…それだけだ。」
一気に説明をすると、再び立ち上がり、鬼食らいを持つ。
ソレの柄がアークの方に向くようにして渡す。
「さっきも言ったが、お前みたいな、まさに変な奴だったよ。
…出来れば二度と会いたくはなかったけどな。」
アークは少し笑い鬼食らいを受け取る。
満足そうにソレを眺めた後、不意に何処かへとしまう。
そしていきなり歩き出していくアークにギアも便乗して歩く。
歩きながらアークの後ろ姿を見る。
アーク=デュラム。
背はそんなに高くないように思われる。
それでもギアと5cmの差であろうと思われる。
髪は白銀の色をしていて、頑張れば空の色と混ざって見分けが付かない。
格好は、武器を持っていたにもかかわらず軽装だ。
年は見かけでは18ぐらいに見えるが、実際のところは聞いてみないことには分からないだろう。
眼は黒いが、あの時戦っていたときは白に染まっていた様な気もする。
ソコまで考えて、少し早歩きになり、アークの横に並ぶ。
「…それで、俺のとこに尋ねてきたのには何か訳があってのことだろう。
さっさと用件を言ってくれ、コッチはお前に壊された家の復旧をしないといけないからな。
…もちろんお前にも大分手伝ってもらうつもりだが…。」
「流石、察しが良いですね。
…って言っても気づかない方がムリですね。分かりました。
少し長くなるかもしれませんが順を追って話させて頂きます。
ついでに、多分家の修理はいらないと思います。
まぁその理由もこれから一緒に話させて頂きます。」