その4:火薬で空を飛ぶことが可能。火炎放射器が始まり。
声が聞こえてきたと思い、あたりを見渡すが誰もいない。
ふと、上を見てみるとソコにいた。
「こんにちは。ギア=コールリッジさんですね。
初めまして、アーク=デュラムと言います。」
それだけを言って静かに降りてきた。
「いきなりなんだ、お前は。」
キッと見据えて質問をするが、その顔は相変わらず笑ったままだった。
「…人の話聞いてました?
それにしても、今時の人って言うのは人が空に浮いててもさほど驚かないんですね。」
「昔、そういう奴とはあったことがあるからな、今更驚きも…。」
一度言葉を切って右足で思いっきりアークを蹴り飛ばす。
「とりあえず、蹴っておかないと俺の気が済まなくてな。」
アークは少し飛んだがすぐに体勢を立て直して、
また元の状態に戻る。
ソコには傷一つ、いや、汚れ一つ無かった。
「危ないですね。もう少しガードが遅れたらどうするんですか。」
右手には銃を持っていた。
しっかりと受け止めていたらしく、銃に靴跡が残っている。
アークはソレをきちんと拭く。
「その銃は…。何処かで見覚えがある…。」
いきなりギアが銃を見据えて考え込む。
「…ファルガー!!」
「あたりです。っていっても何もあげられませんが…。」
ギアの顔を見てアークは少し笑う。
「何でお前が…って顔をしてますね。
私は武器を集めることが趣味ですから、
この前はある貴族から妖刀『鬼食らい』なんてモノ買いましたよ。」
そう言ってその日本刀を取り出したとたんにギアが一気に跳躍する。
拳を作り左で相手の手をねらう。
拳が当たった瞬間、右手でその刀を奪う。
そして引き際に一度鬼食らいを横に振る。
不意打ちだったその攻撃はアークの右手をかすっただけだった。
そこから、少しだけ切り傷が生まれ血が滴る。
その状態を見てギアが軽く笑う。
「死なないってことは妖ではないようだな。」
アークもつられてか少し笑う。