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第15話 堅苦しいのは苦手ですが?

いやいやいやいや、堅苦しいのが苦手な者は敬語で喋り続けませんよ?


もう少しフランクですよ、きっと!


なんて自分で書いたタイトルに腕をブンブン振って突っ込みを入れてました



「フィアさん、朝ですよ~」

「……ふあ、ってしまった! エリカちゃんの寝顔を拝見するつもりだったのに!」


爆睡していたフィアを揺すって起こすと、フィアは悶えるように悔しがり始めた。さすがにエリカも2度も3度も灼熱地獄と凍結地獄を味わう気はない。しっかりと時間通りに起きられるように心がけているのだ。


それに、昨日は歌を詠って寝たのだが、妙に寝つきが良かったし、どこかしら疲れも抜けている。


エリカはすでに着替えを終え、相棒である刀を手にベッドに腰掛けている。


今日はエリカの入団式なのだ。1人のためとはいえ、仲間が増えるのでヴァルトは正式な形でエリカを迎え入れると言ってきたのだ。エリカは騎士としてこの国の王に忠誠を誓い、王のために、民のために剣を、エリカの場合刀を、振る事を誓うのだ。


本来なら複数人を同時に行うのだが、時期も時期でエリカ以外の入団者はいないため、エリカのみで行うことになっているのだ。


昨日の今日で随分と準備が良いなぁ、とエリカは内心で思いながら今日の流れを頭の中で反芻させる。


ヒトの礼儀をほとんど知らないエリカは、昨日試験の後にジーンの元に行って一通りの流れを頭に叩き込んできた。部屋の中で中で礼をしたり、歩き方の練習のしている姿は、遠足前日の子供のような雰囲気を持っている。


「そうだった、今日はエリカちゃんの入団式だったわね。うう、昨日飲みすぎるんじゃなかった……」


頭が痛いのか、フィアは頭を押さえながらフラフラと立ち上がると着替えを取り出し始めた。式は正装のため、戦闘用の団服ではなく、儀礼用の団服に着替えると、フィアはエリカと共に部屋を出た。


「エリカちゃん、今日あなたと主従の契約を結ぶ相手は国王陛下よ。粗相が無いようにね?」

「分かってます。……名前なんでしたっけ?」


ガクッとフィアがずっこけかけたのはご愛嬌だ。頭を押さえる手をエリカの頭に振り下ろそうとしたが、二日酔いで狙いが鈍るフィアの一撃は容易くエリカに受け止められる。


「アーサー・アールドールン陛下よ。頼むから本番でやらかさないでよね?」

「……善処します」

「その間はなんなの!?」


保護者のような立ち位置のフィアはエリカが目を背けると本気で心配そうな表情をした。


「なんだか、大変そうだな……」

「あ、ジーンさん。おはようございます」


食堂へ向かう途中の通路でジーンに出会い、エリカはお辞儀をして挨拶する。どうやらジーンは先ほどまで会話を少し聞いていたらしく、フィアを慰めるように肩を叩くが、「泣きたくなるわ……」とフィアは肩を落として項垂れた。


「入団式は9時からだ。遅刻するなよ?」

「分かってます。ってジーンさん、その目の下の隈どうしたんですか?」


見ればジーンは目の下が不健康なほどに黒ずんでいた。どう見ても昨日の夜寝られなかったことが分かる。ジーンは恥ずかしそうに頭を掻くと苦笑してフィアの隣を歩き始めた。


「いやな、昨晩聞き慣れない歌を聞いてから眠れなくなってしまってな」

「い゛っ!?」


エリカが妙な声を上げた。


(う、迂闊でした……。他にも起きている人はたくさんいたでしょうに。しかも夜! 響いて遠くまで聞こえてたんじゃ……!)


「エリカも聞いたか? 綺麗な歌だったんだが」

「え、いや、どうだったかなぁ、フィアさんをベッドに寝かせてからあたしも眠りましたし、あはは!」


誤魔化しきれていない自分が憎い。

だが、ジーンはそれで騙されたのか、それ以上の追及もなく「あの歌は綺麗だったなぁ」とブツブツ呟きながら歩き、フィアは話題についていけずに2人を交互に見ていた。


「何の話?」

「昨晩、城内で誰かが綺麗な歌を歌ってたんだ。城内じゃ結構その話で持ちきりだぞ?」

(あたしの馬鹿っ!)


2人の横で昨晩の自分の迂闊さに腹を立てた。

カトレヤ、今はバーバラか、彼女に出会い、自分の身の上を隠さず話せたことで気を良くしすぎて、他にも聞いている人がいるかもしれないという可能性を考えもせずに、龍の言葉で歌ってしまった。聞き慣れない言葉に誰もが不思議に思っているだろう。


「ふうん、そんなに綺麗だったんだ。私も聞きたかったなぁ」

「そのうちまた聞けるかもしれないぞ? 城内で聞こえたという事は宮仕えの誰かだからな」

「実はエリカちゃんだったりして?」

「ぶへっ!? な、なんでそうなるんですか!」


可笑しな声を上げた後、慌てて反論しようとする姿は、どう見ても自分の容疑を確たるものにしようとしているようにしか見えない。だが、エリカのかなりの剣幕に冗談のつもりで言ったフィアも、その隣のジーンも少しだけ引いてしまった。


「じょ、冗談だって。まあ、エリカちゃんだったら少し嬉しいけどね」

「あの歌をいつでも聞けるからな」


反応に困る事を言ってくれる。


エリカとしてもこの歌を綺麗と言ってもらい、聞きたいと言ってくれるのは嬉しい事だ。だが、正体がばれる可能性が限りなく上がり、尚且つ城内で注目を集めるような行為は極力控えたい。ただでさえ宮仕えになりそう言う意味で拘束される時間が多くなるのだから、目立って呼び出しでもくらうようなことは避けた。エリカはこの国に元の姿に戻る方法を探しに来たのだから。


(誰にも見つからないような場所で、こっそり歌いますか……)


たまに歌うと、心がすっきりして心地よい気分になれる。

だから、自分だけの場所を見つけることも、今後の最優先課題に決めたエリカであった。















「騎士エリカ、前へ!」


司会のような役割を務めている頭の禿げた中年が声を張り上げると、エリカは赤い絨毯が敷かれた大広間をゆっくりと進んでいく。


儀礼用の、赤い紋様の描かれた団服、コートのように長い上着の背中には、エリカにとってかなり不本意ながらアクイラ騎士団の部隊章であるドラゴンを剣で突き刺したような紋章が編み込まれている。


下はどうもフィアが手を回したらしく、ほどほどの長さのスカートだ。もちろん、戦闘時に穿ける代物ではない。腰の部分にベルトのようなものが斜めに垂れ下がっているが、使用方法の分からないオプションにエリカはどう扱うべきか未だに悩んでいるのだが、フィア曰く「気にしたら負け」らしい。


エリカは赤い絨毯を進んでいくと、数十人という人が左右に並んでいた。そしてエリカの真正面は階段状になっており、頂上には3つの椅子が設置されている。左右の席は空席で、真ん中の席の前に銀髪銀眼の男がその身体相応の剣を帯びて立っていた。


階段の手前まで行くと、再びエリカは立ち止まり、立膝をついて頭を下げる。


「騎士エリカ、貴殿はアールドールン国王アーサー王に忠誠を誓い、いつ何時も陛下のために剣を振るう事を誓うか」


刀だけどね、と心の中で呟く。

表情に出すわけもなく、ただ剥げた男の質問に「イエス」とだけ答えていく。事ここに至って否定する理由が見つからないだけに、エリカはこの儀式の存在意義が理解できない。


「では騎士エリカ、陛下に主従の誓いを立てよ」


階段をゆっくりと国王が降りてくる。そしてエリカの前に立つと剣を抜き、その剣の腹をエリカの肩にそっと置いた。


エリカは刀を抜いてその刀を身体の前で床に突き立て、顔を上げずに誓いの言葉を口に出す。


「我、騎士エリカは、この命果てる時まで、陛下と、陛下を信ずる民を守るためにこの刀を振るう事を誓う」

「よろしい、騎士エリカ。そなたに我が身と民を守ることを許可する。顔を上げよ」


国王に言われて顔を上げると、顔に深い情緒を湛えた男性の顔が飛び込んできた。目つきは鋭いが、どこか頼もしい雰囲気を醸し出し、剣を持つその手は太くがっしりとしている。


「昨晩の歌、見事であった」


国王はエリカにしか聞こえないほど小さな声で呟いた。

その言葉にエリカの心臓が早鐘を打つように脈動し始めたが、エリカは必死に動揺を顔に出すまいと冷静さを装う。


やはり、エリカの歌声は城の至る所まで聞こえてしまっていたようだ。


「な、なんのことでしょうか……」

「ふっ、身に覚えがないと申すか。構わん、私の独り言だ、忘れよ」


咎めているような口調ではない。それを感じ取ってエリカは安堵のため息を小さくつく。もちろん、目の前の国王にも分からないほど小さいものだ。


国王は剣をエリカの肩から退けると、剣を収めた。エリカは立ち上がって立位の最高礼を行い、国王への忠誠を誓った。


(このような、形式的な事に時間と費用をかけるヒトが理解できませんね)


退出する際、思っていたことを心の中で散々にぶちまけながら赤い絨毯を歩いていった。何しろエリカにしてみれば、実力が全てだ。力が無ければ約束を守ることも、家族を守る事も出来ない。形式的な忠誠よりも、よっぽど実際の行動が重視される社会で生きてきただけに、エリカの不満は後を絶たなかった。


(だけど、あの王様は良い人っぽかったな)


儀式において目上の人をまじまじと見ることはあまり褒められる行為ではない。だからエリカもあまり国王の顔をじっくり見ていたわけではない。


だが、それでも国王の纏う雰囲気といおうか、近くにいて安心できる空気を彼は纏っていた。相手をすぐには信用しないドラゴンでも、どこか頼もしく思えてしまうほどの男であった。


ただ、鋭いところはさすが一国を統べる王と言うべきだろう。言葉では諦めていたようだが、あの目は確信を持っているように思えた。下手をすると正体を見破られるのではないか、とエリカは随分と肝を冷やした。


「お疲れ様、エリカ」


大広間を出て、やっと一息つこうとしていると、ジーンとフィア、ジャックが現れた。

大広間ではお偉い方の背後に隠れていたようで、フィアはエリカの晴れ姿が少ししか見られなかったと悔し泣きしていた。


「これで晴れて俺たちは仲間だな。これからよろしくな、嬢ちゃん」


ジャックがにこやかに手を差し出してきたので、エリカも手を差し伸べ、ジャックの手を握った。


「さてと、エリカ、実は入団早々で悪いんだが伝えなければならないことがあるんだ」


ジーンはそう言うと1枚の紙を取り出し、エリカに手渡した。そこには以前ジーンが査察に行ってきた帰りに見せてくれたドラゴンスレイヤーによる大会の案内が書かれていた。


「1か月後の大会に向けて、俺たちアクイラ騎士団から最優秀の5人を選抜する試合が来週から始まる。それにはエリカも出なければならないんだ」

「来週……、って今週はあと2日しかないし、明々後日からですかぁ!?」


我ながら間抜けな声を上げたような気がする。

とはいえ、わずか2日でそのような団内の試合に出ることになるとは、エリカも予想していなかったために、その驚きは小さいものではなかった。


「で、でも、あたしまだ剣術もさっぱりだし、何もかもこれからなんですよ!?」

「安心しろい、嬢ちゃん。嬢ちゃんの実力は俺が保証する。十分選抜される実力を持っているぜ? あ~、明々後日からの試合が楽しみだ」


小声で「今度こそズルはナシな?」と言われれば、もはや何も言う事は出来なかった。


「その試合には、何人出られるんですか?」


選抜と言うからには、ある程度人数が初めから絞られていないと、時間がかかって大変だろう。そこにエリカが3日前に飛び入りするのだから、迷惑をかけると思ってジーンを介して詫びを入れた。


ジーンは全く気にしてない様子で、笑いながら試合に出る人数を指を折りながら途中まで数え、両手でも足りないと分かると1人ずつ口に出しながら数えだした。


「……俺、ジャック、フィア、そしてエリカ。ざっと30人はいるな」

「あれ、バーバラさんとか、ヴァルト団長は出ないんですか?」


バーバラは、ジーンが団屈指の実力を持っていると言っていたはずだ。彼女が出ないのはおかしな話ではないか、と思ってエリカは聞いた。ヴァルトに関しては、団長が出ないのは騎士団としてどうなのだろうかという疑問があったからだ。


「バーバラは、ほら吸血鬼だろう? うちは問題なくとも他国は偏見を持っていたりもする。あの人自身が出たがらないんだ。団長は、もう最前線から引退していて、今はデスクワークに専念しているらしい」

「そうなんですか……」


確かに、ヴァルトはかなり老けて見えていたが、すでに実戦から退いていたとは思わなかった。ヴァルトの目つきは確かに戦人いくさびとのそれだった。引退したとはいえ、それ相応の実力はまだ健在だろう。


バーバラに関しては、怒りがこみ上げてくるのを必死にこらえていた。


(ヒトはやはり1度滅ぼされたぐらいでは学習しないのでしょうか……)


もちろん、あの時の生存者がドラゴンが来た理由が吸血鬼の仇討ちだとは思ってないだろう。エリカ自身、あれでヒトが更生してくれるとは思っていなかった。だが、やはりこうしてその実態に触れるとやりきれない気持ちになってしまう。


「と言う訳で、今のところ最有力は……ジャック、あと別に2人いて、エリカだ」

「はあ、……えぇ!?」


何気なく聞いていて、最後に付け加えられた自分の名前にエリカが意味が分からないという表情を露骨に表面化させた。


「な、なんで今日入団したばかりのあたしが候補に挙がってるんですか!」

「い、いや、昨日の戦闘試験は大勢見ていたし、口伝えで団内ではかなり広がってるんだ。ジャックは一応この騎士団の中でも5本指に入る実力の持ち主だ。そのジャックに戦闘試験とはいえ勝って、候補に入らないわけないだろう?」


ごもっともな説明が返ってきてエリカはググッと反論に詰まった。


「じゃ、ジャックさんてそんなに強かったんですか……」

「対人はな。対ドラゴンがどれだけ行けるは自分でも分からんがな~」


のほほんと答えるジャック。

それを見てエリカは、負けるべきだったか、と今さらながら後悔してしまった。















「お呼びと聞きましたが、姫様?」

「ああ、ヴァルト様、わざわざすみません」

「いえ。して如何されました?」


ヴァルトは城の一室に呼び出され、そこで1人の少女と面会していた。少女は美しい金髪を腰まで伸ばし、凛々しい銀眼でヴァルトを見つめている。


「昨日の歌、聞きましたか?」

「歌? ああ、騎士団の者たちも噂していたあの件ですか。私自身は寝ていたので聞きませんでしたが、かなり大事になっているようですな?」

「あれは慈悲・・です。星が教えてくれました。すでに慈悲と災厄を伴う『何か』が城に入っています」


その言葉に、ハッとなってヴァルトは目を少女に向けた。

少女の顔は穏やかだったが、やはり緊張しているようにも見える。


「確か、今日新たな騎士が騎士団に入られたと聞きましたが」

「え、ええ。エリカと言う騎士です。16歳ほどの少女なのですが、騎士団屈指のジャックを破り入団しました」

「どのような方ですか?」


少女の問いにヴァルトはしばし考えをまとめるために頭を回転させた。そしてしばらくすると顔を上げて少女に向かって話し始めた。


「性格は、至極真面目、という印象を受けましたね。しっかりしているようでしたが、ものも書けぬとの事、この大陸では珍しい黒髪と紅眼で、得物はここに来てから見つけたようです」

「黒髪……」

「もしや、彼女が『それ』だと言うのですか?」


ヴァルトがハッとなって少女を見る。


思えば、あの入団志願書の偽り、そういう事なら理屈が通る。だが、巨大な問題が残る。


「予言はドラゴンだったはず……」

「私もまさかドラゴンがヒトになってやって来たなんて考えてません。ですが、多少関係があると見てよろしいかと思います。あの歌の主も少なからず予言に関係していると見て間違いないのですから」

「では、騎士エリカの身辺を洗いますか?」


そうヴァルトが聞くと、少女は小さく首を横に振った。


「先ほども言いましたが、歌は『慈悲』を現していました。仮にその騎士が歌の主だとしても、『災厄』ではありません。それに、アクイラ騎士団は1か月後のドラゴンスレイヤーの大会へ向けて選考試合があるのでしょう? 今はそちらに集中いたしましょう。大丈夫です、まだ切迫した・・・・危機ではありません」

「……分かりました」


ヴァルトはそう言うと、部屋を後にして自らの執務室へ戻るために長い螺旋階段を下り始めた。


戻る途中で、ヴァルトは考えを巡らせていた。


仮にエリカが予言に関係があるとなると、正直騎士団としては大会どころではない。迫りくる危機に対応しなければならない。だが、まだ可能性の域を出ない。


(彼女は何が目的で来た?)


そう言えば、彼女は入団理由を明かしていない。大抵の者は、ドラゴン殺しという栄誉を求めたり、国のため、家族のために、と言った明確な理由がある。内容の良し悪しはともかくとして、ドラゴンスレイヤーになる者は理由を持っている。


だが、エリカの理由はなんだ?


龍殺し?


少なくともここ20年間で人里に龍が降りてきたことはない。1度こちらから出向いたことはあるが、それだけだ。


では家族を守るため?


志願書の偽りの出身地が万が一、ヴァルトのミスで本当の事だとしても、この城に仕えるには遠すぎる。


国を守るため?


16歳でその意識があるとしたら立派なことだが、まずありえないだろう。


ではなんだ?


エリカには明確な理由がないのだ。にも関わらず、エリカは国に仕える軍隊でも有事の際は最も危険なアクイラ騎士団に入団を志願してきた。


(目的は別にあるのか?)


例えば、この国の情報。


今は戦争のない平和な大陸ではあるが、戦争で最も重要視される情報収集はされこそ平時に行われるものだ。もし、エリカが間者スパイであり、この国の戦力を見極めに来たのなら、ゆゆしき事態だが、アクイラ騎士団に入る理由にはならない。情報が目的なら城に常駐する近衛部隊や、メイドとして潜入した方が、よっぽど危険も少ない。


では、いったい何が目的か?


ヴァルトにはエリカの真意を計りかねていた。


「直に聞いてみるのが良いか……。ジーンにでも聞いてみるか……」


最近はよくあの3人組と共にいると聞く。


「そういえば、あの3人もエリカとどこで会ったか言っていなかったな」


あの3人はエオリアブルグとアールドールンを往復しただけだ。エリカの志願書に書かれていた出身地は王国の南に位置するはずだ。随分と辺境の村で、調べなければ名前も確認できないような村だ。そこの出だとしたら、大きな矛盾が生じる。


「彼女はどこから来た……?」


そして何の目的で。


ヴァルトは堂々巡りしつつも考えを目まぐるしく回転させながら、自分は螺旋階段を下り続けていった。



入団からのいきなり団内試合へ!


そして何やらヴァルトが動き出しましたね~。バレちゃう? いっそバラしちゃう? はっはっはっ、しませんよ。


忙しいながらに7000字超書いてました。


今後ともよろしくであります。


ご感想などお待ちしております!



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