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 「お国には過去にアンタッチャブルと呼ばれた特別の機関が存在してましたね。まあ財務省の特別捜査官のチームを指していたのですが、日本では全ての省庁から独立した機関として設立させるのです。司法における裁判所のように。これは新しい自由民主資本主義に取って未来への挑戦と位置づけ出来るものと自負しています。」

 と言って俺が正面のダラス次長の顔を見ると顔に「?」が浮かんでいた。

「戦後の世界はハッキリ言ってソビエトとアメリカの二つの巨大国家が世界の軸となって動いていきます。もっとも今はスタルヒンとアメリカ合衆国の対立を軸に世界が動いていくと言う状況ですが。スタルヒンの支配下になった東欧各国は何れも共産主義へと変えられていきます。

 共産主義は貧しく学のない者や世に不満を持っているインテリに大変すばらしい世の中を想像させます。ところが一歩現実の社会に実現すると自分の命まで管理されてしまう世界へと変質してしまう危険性を孕んだ政治、経済を内包した社会であると気づかされる。

 今ドイツに共産主義者を含めた研究者にソビエトの実態を研究するようリサーチ留学をしてもらっています。共産主義は誤った前提で社会を全てくくってしまうという宗教人が聖書で全て解説するような無理があるのです。端的に言うと資本家と労働者の階級闘争そのものが誤りなのです。現在の企業は資本家と労働者によって成り立っている。これが実際の状態です。資本家というより投資家と労働者がいて労働者は投資家にも同時になれる。ここで賃金を含めた労働環境を企業と労働者に公正に裁定する機関が存在すれば、社会的大きな労働問題は発生しづらくなります。

 例えば、労働者の組合と企業が賃金等の問題で揉めて、団体交渉となって、交渉決裂となった場合を想定します。ここに財務特別監査機関があり、労働組合からの依頼を受けて企業の経営状態をつぶさに強制査察して税金の回収分や労働者に対する賃金支払いガイドラインに沿って裁定を実施する独立機関があれば、企業側も無理は出来なくなるという制度を立ち上げてしまう。さらに、この機関には政治団体・宗教団体・その他全ての税金の優遇処置を受ける団体に強制監査する権利を与えることが最大の特徴です。

 今回の「新国家反逆罪」を含めた資金の流れは軍閥企業だけでなく、その他の企業、軍人、政治団体、宗教団体などあらゆるところに及んでいると思われます。その意味合いを受け、新国家としてはあらゆる資金に対して1%の税率を掛けてでもその動きの実態を監視する必要性があると判断できる事実として示している。という理由で、新生日本の法律で最初に制定してしまうのです。税金優遇の為にも商法に準じた帳簿の義務付けを各団体、個人に要求し、違反すればその収入は贈与税等と重加算税の適用を制定しておけば、曖昧なお金の流れはかなり少なくなるはずです。税金を優遇されるという事は、当然それに対する帳簿の義務の厳格さを要求されることであることとセットすべきが権利と義務の正しい関係である事を日本国民に知らせる意味合いもあります。」

 一気に話を進めた為、話の内容を理解しているのか一同の顔を見回すと、さすがにGSもG2その話の過激性は別として理解しようとしている感じはあったが、横須賀基地側の人は話の半分くらいは聞き流していそうな様子をしていたのはしょうがないことだった。


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