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 「シミズ、お前なかなか過激だな~。気に入った。確かにそれくらいの荒療治をしなきゃあ、あの薄ら笑いの面止めさせることはできねえだろうな。泣きっ面も見てみたい気がするし、大いに参考にさせていただくよ。それから、お前ソビエトや共産主義にやけに詳しかったな。特にスタルヒンに対して言いたいことがたくさんありそうじゃねぇか。わしに対して何か言う事があるか。」とマックバーガー大将。

「あなたは大変冷静で、日本の未来を考えると日本人に合った長く平和な世の中を日本にもたらす基礎を作り上げることの出来る可能性が高い、有能な占領軍の総司令官だと私は思ってます。マックバーガー大将が就任されたことは日本国民にとって大変幸運であった。

 日本は軍隊を出来るだけ長く持たせない方がいい。しかし、その状態を維持する為には、正確な歴史教育と歴史的事実の確認と経緯認識を教育の基本にするように指導しなければならない。教育に力を持つ官僚自身が都合の悪い事実は直ぐにでも教育現場から排除するでしょう。結果、正しい情報を分析して発展的政治状況を作り出していく人間教育は行われない。ここにも不正確な情報で現場の教師を誘導していった人間がどういう事を行ってきたかを摘発するチームを作り関係者を一斉処分することから始めないと、正確な情報を公開する重要性を国民に知らしめることが出来ない。

 惨敗であるこの敗戦の直後であるから、大胆な下剋上を促すことができる。全ての風通しを良くして、産業を広げることが出来れば戦争など二度と起こしたくないと言う国民的認識を定着させることが出来るはずです。もっとも、苦労はしてもらう条件は付いてますが。」

「おだてても何も出すつもりはないぞ。」とマックバーガー大将。

「マックバーガー大将については、日本は官僚の人事権さえ握れば、かなり自由な施策でも要請することが出来るようになりますが、問題は中国、南朝鮮です。ミッチェル准将にもお話した通り中国についての予断は許せません。スタルヒンは無制限の共産軍の支援をしてくるでしょう。また、北朝鮮は共産党の統制が強められ南朝鮮の暴動の後押しも一貫して続けられます。史上最強の権力を持った独裁者に取って叶えられない願いはほとんどない。

 スタルヒンを止められる者は自身の寿命以外何物もこの世に存在しない。スタルヒンによって世界は二分されるでしょう。

 共産主義の恐ろしさは麻薬以上です。弱いもの、貧しいものの味方が何時の間にかに誰一人その思惑、欲望を遮ることのできない法律そのものを超えた死ぬまで続く独裁者となって君臨することが可能となる欠陥システムだからです。ヒトラーを超える虐殺者が簡単に作れてしまう。

恐らくスタルヒンはもう遥かに超えているかもしれません。」

「それが君の提言していた、共産主義者にウクライナのことを調べさせる件か。その件はもう民生局から手配しておいた。既に5人ほど西ドイツに向かっている。うちの若手も若干参加させている。

なかなか興味深いことだな。

それにしても、スタルヒンは遮ることができない相手か。」とマックバーガー大将。

「彼は自分の帝国を築く為に自分の領域は聖域として自由諸国に一切の口出しをさせないために、鎖国のような保全政策を敢行するでしょう。情報の統制、都合の良い情報の生産、配給も独裁制共産主義の根本ですから。」

「取り敢えず気晴らしに聞いてみるかと思った事が、目が覚めるような意見が聞けた。俺に何か言いたいことがあったらミッチェル准将に言ってもらえば副官に寄ってもらうようにしとく。それと謝礼として何か困りごとがあれば何時でも言ってくれ。」そう言ってマックバーガー大将は俺に右手を出して握手を求めた。

 俺も両手でマックバーガー大将の右手を握手した。結構ごつごつとした手であった。憂さ晴らしに銃の乱射でもしているのかしら?


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