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 「日本人特に日本の官僚は交渉相手にはやりにくい。と言うより元々官僚には交渉権限のない人間が多い。決定は別の人間が行うことが多いからです。そんな連中を相手しているだけ時間の無駄だと俺は感じます。いらいらしなくともいいですしね。

ではどうするか、全てを数字として成果を求めていく方法が一番シンプルで分かりやすい。現在日本は食糧不足とインフレによる仕事不足が長期化する様相があります。富める者と貧しき者との格差も大きい。

 先ずインフレを止める為に正確な食糧の不足分を調査すること。

 ヤミ価格を抑える為に必要な食糧の量以上を輸入し、それを政府が公開販売する。これらの原資として旧陸海軍の武器弾薬を格安で南朝鮮やタイ、南米各国に販売し代金の代わりに食糧品の輸入を複数年の分割にて行わせるのも一方法かと考えてます。そして食糧販売で得た資金を公共事業に充てさせる。同時に政府の食糧調達価格を市場価格の40%位まで引き上げる。これで食糧増産の生産意欲を刺激させます。食糧暴動が起きる前の時間との競争事案となります。」

「多少問題があるかもしれんが、手早く食糧を得ることが出来そうだな。」とマックバーガー大将。

「食糧が配給といういびつな制度を通して国民に支給されていることが問題の根本で、なるべく早く解消させる必要があります。

 アメリカのニューディール政策は緊急時の処置として実施されましたが、そうしなければ社会不安が大きくて大変な混乱に繋がる恐れがあったから実行したのだと考えています。今の日本は食糧も働く場所もない状態です。ただ、配給制度があるから何とか混乱が最小限に収まっていますが、全体の食糧が不足した場合暴動などの社会不安の原因となります。しかし、豊富で安価な食糧を手に入れることが出来たならそう言った事態を避けられ、また物価の沈静化を促す大きな要因となります。政府買い上げ価格は市場価値を無視して安価に設定されているから、農民の生産意欲も上がらない。

 さらに、農地が大地主による所有になっている状態が生産を上げられず、貧富の差を広げ、農民の向上意欲を削ぎ、社会の全体的な消費を押し上げない要因ともなっている。早急で強力な農地解放の必要性がここにあるのです。」

「我々も提言していることだが。なかなか分かっているな。」とマックバーガー大将。

「今、日本中に失業者が溢れています。これは戦時統制で多くの産業が国により強制的に統合させられた結果、原材料が調達できなくなり仕事が無くなってしまったことが原因です。これらの企業は強制的に解体する必要がありますし、原材料の統制は速やかに廃止させるべきです。こういった統制の利権は不正の温床になっています。これを摘発する若手主体のチームをいくつか作り、成果を上げたチームには特別昇進させるようにすれば、大いに成果を上げることが出来、この国を戦争へと導いた勢力を表に引っ張り出すことも出来るかもしれません。

 自由な市場は国が介在すると歪みます。軍閥や官僚が後押しした強力な企業があっては、自由な発展は望めないからです。」と言って一息ついた後から俺の本論を話し出した。


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