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 その結果アメリカ他資本主義国家全てが中国市場から排除されてしまう。さらに朝鮮半島でも共産主義のタネをスタルヒンはすでに南北に蒔いてあり、勢いに乗った中国共産党とスタルヒンは社会主義政権を樹立するという名目で侵略を開始する。

 スタルヒンに取ってはこの戦争でアメリカが新型爆弾を使うか使わないかを試している。例え中国に使っても直接表に出ないソビエトには影響がないと考えているから代理戦争を吹っ掛けてくる気満々だ。

アメリカは中国市場が共産主義という閉鎖市場となりアメリカからの輸出がまるで出来なくなり、それまで投資した資金も全て回収できなくなる。面目も丸潰れになる。統治補助をしていた南朝鮮が侵略の対象になれば引くに引けなくなる。という読みをラスカル少尉に少しお話させて貰ったことが今回のご招待の背景ですか?」

「なるほど、シミズさんの先見は聞きしに勝るものがある。今の時点での参謀本部でもそれだけの先見を持っている者はいない。

可能性としては大いに有り得る。そうなれば大変な脅威が生まれるということですね。ではそれを防ぐ策は何かお持ちですか。」とミッチェル准将。

「はっきり言えばないとしか言えないです。姑息な策を弄しても中国国民の意思は中国国民によって決まるという大義を覆すことは、ボーア戦争のような人民全てを敵にする轍を踏むことになり、戦争による経済利益は大赤字になることを覚悟しなければならない。引いては国威、国力だけでなくアメリカの「やる気」という民力そのものが大きく落ち込むこともあり得ます。アメリカ国民は決してそんな状態を望まない。指導者は折角、世界大戦で築き上げた名声が飛ぶことになる状態を合わせて覚悟できないでしょう。

 共産主義という思想は、大多数を占める下層民に取っては麻薬のような甘い誘惑だと俺は考えています。作り上げた物を全て公平に分け合うという幻想は、搾り取られて生きていくだけの下層民に取っておとぎ話だが現実に手に入るかもしれないという希望が生まれる。しかし、それが地獄のような未来にも通じかねないことを予想できる人間はほとんどいない。

そうそう、アメリカ軍は日本の社会主義思想を持っている人たちを牢から出して、彼らは行動の自由を認められ大層感謝しているみたいですが、その人たちの主要なメンバーを集めて日本政府に資金を出させソビエトの社会主義の現実を研究するようにさせることをお勧めします。


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