魔法 2
じわじわと体に魔力が巡っているのがわかる。
二人の体に流れる魔力が乱れないように慎重に操る。
人間は、魔力の循環が良くなると体が暖かくなる。
私も体が温かくなってきた。
「わかるかしら?これが魔力よ。人によって魔力の感じ方は違うの。あなたたちはどんなふうに感じるの?」
ちなみに私は液体のようなものと認識している。
その液体をインクだと思って陣を展開し、水中にいる時と同じ感覚で防御魔法を使う。
「僕は、暖かい水のような…感じです。」
アランがポツリと答える。
私と感覚が似ているのかも知れないけれど、アランは暖かく感じるらしい。
戸惑いと、疑問が混じったその表情でずっと繋がれた手を見ていた。
「私も、兄様と同じで、液体のような、不思議な感覚がします。」
ロアナも答えた。
なるほど、二人とも形のないものとしてそれを扱っているようだ。
「そう。じゃあ次は、自分たちの体に巡る魔力を感じてみましょう。」
私は二人の手を離して、そっと見守る。
ロベルトも後ろで見てくれているようだ。
サラサラと草が音を立てる。
優しい夏の風が頬に触れ、木々の木漏れ日を動かした。
「…」
沈黙が流れる。
静かな空間はそれこそ人の気配を感じさせない。
聞こえるのは自然の音。
二人はもうしばらく時間がかかりそうだ。
何か時間を潰せるものがないかと私は辺りを見渡す。
視界の端に、小さな白い花が映った。
あ。
私は芝生から膝を浮かし、その花のもとへ向かった。
ロベルトがそれに気づいてついてくる。
私はたくさんの小さな白い花が咲いている原っぱへと向かった。
ここはそこまで手入れがされていないらしい。
けれど荒れているわけでもない。
「ここのお花、少しもらってもいい?」
ロベルトに小声で聞く。
ロベルトはアラン達の集中を切らさないようにする気遣いからか、頷くだけだった。
ロベルトの許可を得た私はなるべく茎が長くなるように白い花を摘む。
その花を手に持ち、もう一本手にとって1本目に巻きつけ、それをどんどん繰り返していった。
そうすると、一本の長い花束のようなものができる。
それを一本の花で繋げる。
お花の冠。
幸せの象徴のようなそれは優しい緑の中で佇んでいるようにも見えた。
「ふふっ。」
頭に被せて、後ろに振り向く。
そこには、私の大切な人がいた。
私、幸せ。
あなたがそばにいてくれるから。
あなたが笑ってくれるから。
私、あなたが大好き!
眩しい世界で、あなたに出会って。
この場所で、あなたと笑い合って。
いつまでもそうしていたい。
優しい太陽のもとで。
優しい光のもとで。
それは桃源郷にも似た、美しい場所。
ずっと、ずっと。
幸せって、幸せなことね。
寒いですね〜!
雪も降りますし…
毎日凍えている作者です。(笑)




