比翼連理
私を見つけてくれてありがとう。
私を愛してくれてありがとう。
ねえ、愛しているの。
(私を愛して。)
ずっとそばにいたいの。
(私だけをみていて。)
愛って大変で、それを知ってしまえば、もう愛がなくては生きていけない。
凪いだ水に、一つ滴が落ちれば、波紋がどんどん広がっていく。
でも、そんな異変も、全部私が知りたかったこと。
だからね、私は幸せ。
あなたが幸せを教えてくれた。
愛を教えてくれた。
ありがとう。
ありがとう。
貴方に会えてよかった。
ーーーーーーー
貴方の色を纏って、あなたと一緒にリズムを奏でて。
白いベールで貴方が見えない。
でも、貴方がどんな表情をしているのかわかる。
曲が終盤に入る。
私たちも、進むステップを早めた。
ああ、幸せすぎて苦しい。
ぎゅっと心臓を握りつぶされたようになる。
幸せすぎて泣きそうだ。
だめだ、既に視界がぼやけている。
女神様、お母様。世界。人々。
ロベルトに会わせてくれてありがとう。
私は今、幸せです。
ロベルトに手を伸ばす。
抱きしめれば、抱きしめてくれた。
この温もりを。
この人を。
命よりも大事な愛しい人を。
失わないように、大事に大事に抱えて生きよう。
そして、一緒に生きていこう。
ベールが取れた。
いや、ベールにロベルトが入ってきた。
顔を見ていなかったからわからなかったけど、今日は前髪を後ろに流していて、彫りの深い顔立ちがよくわかる。
青い瞳が、私を映している。
睫毛と睫毛がぶつかる距離で、視線が絡む。
額に優しく落とされたそれは、温かくて、柔らかかった。
「僕だけのカナリア。これからも側にいることを許していただけますか?」
囁くように問われる。
そんなの、決まってる。
「もちろんっ!」
ー愛してるよ。
ー愛してるわ。
どこかで二人の声が重なった。




