断罪の時 序
なぜ、なぜだ!
何故ばれた!?
僕の策は完璧だったはずだ!
そのために証拠も消した。
なぜ、なぜ、こんなっ…
僕はただー
***
昼下がり。
温かな日差しが降り注ぐ部屋では密かなる作戦会議が開かれていた。
作戦会議というか、相談事だ。
「ロベルト。犯人探し、するんでしょう?」
それは、あの事件のことだ。
あれからもう三ヶ月。
犯人は見つかっていない。
多分、見つけようとしていないのだと思う。
「…ああ。」
ふっと、彼の頬に影が落ちた。
紅茶を持っていた片手が膝の上で組まれる。
その体から、ばちばちと魔力が爆ぜる。
周りの温度が、数度下がった。
紅茶が、凍っている。
それは殺気にも似た、怒りの表れだった。
後ろに控えていたレオから焦っている気配がする。
私はといえば、凍った紅茶をどうにか元の状態に戻そうとしているだけだ。
ロベルトの魔力は慣れているし、この状況でも心地よく感じてしまう。
紅茶を元の状態に戻して飲んでいたけれど、だんだんと寒くなってきた。
それに、そろそろロベルトの声が聞きたい。
「ロベルト。」
紅茶を置いて、組まれている両手に手を添えた。
その瞬間、冷気が飛んだ。
「………ごめん。」
ひどく申し訳なさそうにこちらを見る彼がなんだか可愛い。
私が手を添えただけで正気に戻って、私を見てくれる。
そのことに喜びを覚えながらも、私は首を振った。
大丈夫って伝えたくて。
「犯人の目星はついているの?」
あれから長い時が過ぎた。
情報ぐらいは掴んでいるだろう。
「ああ。大体はね。僕としては、これが怪しいと思っている。」
ロベルトが空間から書類を取り出し、私に手渡した。
それにさっと目を通す。
「…へぇ…なるほどね。」
なんともまあ、くだらない理由だ。
書類に目を通しただけでわかる。
これは、理解していない。
なぜそれに縋るのか。
本当に、人間とは愚かだ。
些細なことにも気づけない。
そんなこと、大事ではないのに。
そして、そんなことで毒を盛られた人々がいることを、理解していない。
そのことだけが、ひどく腹立たしかった。
「三日後に舞踏会を開くわ。」
「手配しておくよ。」
ふわ、と笑った彼女こそ女神。
無慈悲で、慈愛に満ち溢れた女神。
その女神の逆鱗に触れた時、無罪で還ったものはいない。
少し短め。
次の更新をお楽しみに!(多分、間が空くかと!)
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