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『祈現の碧』Prevalent Providence Paradigm  作者: 宇喜杉ともこ
第2章 虚月─ウロツキ
29/32

魔術メモ その1

幕間/

 

 『界卵叛天』及び『虚数空間』について

 

 魔力を用いて対象の内と外を入れ替える現象を魔術師たちは『界卵叛天』と呼称している。

 今回のウロツキとの戦闘においては、怪異の周囲の非生物の分子(生物に付随するものは除く)の内と外を入れ替えることで文研部を『虚数空間』の中へ引き摺り込んだ。

 『虚数空間』とは分子の内側にある、現実世界では視認できない情報によって構成された空間のことを指す。未だその情報の全容は解き明かされていないが、これ無しでは今あるこの世界はカタチを成してないとも言われている。

 『虚数空間』の中では外部からの力がない限り、全ての物質が動くことはない。一説によれば『虚数空間』内にある情報の一つは、『意味』を失われた物質そのものの形だと言われており、これを基に現実世界における表出された『意味』の再定義を試みる研究が行われている。

 

 具体的な術式の理論に関する説明:

 『界卵叛天』は物理的には不可能とされる数学的球面の裏返しを魔術によって実現させる動作である。

 通常球体はなんらかの切れ目がなければ裏返しをすることはできない。しかしその切れ目なしで球体を裏返すことが概念的には可能であることが近年になって証明された。

 それ以前では『界卵叛天』は単に世界そのものを入れ替える大きな操作だと認識されていた。しかし実体は大は小を兼ね、分子一つ一つを術式の選択対象として認識できるものであった。

 これにより、部分的な『界卵叛天』という応用が普及した。これは中空の一部を『虚数空間』にすることで空間に歪みを発生させ、破裂させる技である。

 余談ではあるが、『界卵叛天』で入れ替えた世界の中に入る人間は術式の発動者が選択できる。また、『虚数空間』内には時間の流れが存在しないので、術式の効果が発動した瞬間に目の前の車が急停止して事故が起こるなんてことはない。

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