感謝
祥子さんからは、祥子さんが処分しようと思ったパライバから涙に知らせが入りパライバとソーティングの写真がメールで送られて来る。
涙がウィンデックスブルーに魅せられ夢中になってからは、ウィンデックスブルー中心に知らせが入る。
だいたい0.1ct台だが、0.2〜0.3ctのも送られて来た。
涙の買えるのは、0.1ct台とわかっていたが、祥子さんは1%の可能性に賭けている。
もしかしたら0.2以上も買うかも知れないという1%の可能性に賭けて。
涙は、愛ちゃんに何もお代を払わずに自分と母の介護をしてもらうことは、出来なかった。
0.2ctも現物送ってもらった。
私の気に入ったトップカラーのウィンデックスブルーと同じロットらしい。
同じロットでも0.1より大きくて透明感があり、青くてたまらない。
自分でも欲しいがもうお金も無いことだし、母のお金から介護費として0.2を買い、愛ちゃんに介護費として贈ろうじゃないか?
祥子さんにも実際に自分の病状も話し親身になって相談してもらっているし、事情を話してみた。
0.2は高額だし、今までの介護費の一部としては妥当な金額だと祥子さんは、言った。
でもこれからもこういう事をすると金額が一定しなくてばらつきが出てしまう。
0.2は贈物として涙さんが払い、後からはお母さんが一定の決まった額を介護費として毎月払うべきだと祥子さんは、言った。
祥子さんは、いつもしっかりしていて正常で正しいことを言う。
涙はその通りだと思った。
母が介護費を毎月払えば、そのお金で愛ちゃんが自由に使える。
今までタダ働きさせてた事が悔やまれる。
0.2は40万した。
ウィンデックスブルーは、高価でなかなか市場にも出回っていない。
0.1のウィンデックスブルーの相場は20万だから0.2で40万は相場通りだ。
相場と言っても涙に売るオマケした祥子さんの売る金額の相場であり、ウィンデックスブルーの市場価格はもっと高い。
涙は自分の通帳から祥子さんにいつもの通り40万振込み0.2を手に入れ、1番素敵なルースケースに綺麗に入れた。
朝、朝食を作りベーコンエッグを皿に入れ、愛ちゃんに出した。
愛ちゃんは、真っ直ぐに涙を見て
「ありがとう」
と言う。
「美味しい」
と微笑む。
涙は、愛ちゃんが可愛くてたまらない。
「あのね、今まで私と母のお世話してもらい感謝でいっぱいなの。
お礼と言っては何だけど受け取ってもらいたいものがあるの。
そして祥子さんのアドバイスで、これから介護のお給料毎月払うわ」
「涙ちゃん、いいのに。
今まで買出し行くと全部払ってもらってたし、このままでいいのよ。
母からの仕送りで何とかするから。」
「そんな私たち愛ちゃんにお世話になりっ放しでは、居られないわ。
少ないけど毎月10万だけどお願い払わせて。」
「涙ちゃん‼️
悪いわ。でもいいのかしら?」
「当然のことよ。今まで0だったんだから。」
そして封筒に入った10万を渡し、ルースを持って2人で2階のベランダに行き
「はい‼️」
とウィンデックスブルーの0.2ctの入ったルースケースを涙は、愛ちゃんの手に置いた。
愛ちゃんは、よくわからないと言う風だったがルースを見た途端にパッと明るい表情になり、
でも遠慮深げに
「これ、ちょっといつもの涙ちゃんのより大きいわ。
それに照りも透明感も艶もいいし、お高そう!
頂いていいのかしら?」
と不安そうな表情である。
「今までお世話になりながらお礼もしてなかったんだから当たり前のことしたまでよ。
受け取って、愛ちゃん。」
「でも…。」
「私を困らせないでね。
いい子のはずよ、愛ちゃんは。」
「じゃあ、遠慮なく頂きます‼️」
「ありがとう、愛ちゃん」
「ありがとう、涙ちゃん」
「祥子さんのでしょう?
凄くクリアな青✨」
「0.215ctよ」
「わぁ〜トップカラーね」
私は胸の痛いのを抑えながら笑顔を作った。
愛ちゃんは、可愛かった、そして優しかった。