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余命半年、君との夢を。  作者: 風神 梓
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第1話 余命宣告

私 風神梓の処女作品となっております。優しい目で見守って頂けると幸いです。笑


(一応確認はしておりますが、誤字脱字 等がある場合があります。)




 「江奈(えな)、ッ江奈、ごめん、ごめんね。」

 水色の私の服を、深い海の色に変えてしまうほどの涙。母は先程からずっと私を抱き、ごめんと言いながら泣いている。

 高校2年生。家の窓は開いていて、外をふと見ると、庭の木葉はまだ青い。しかし、そこに涼しい風が流れ、夏との別れを感じた。



 この頃、体調が悪く学校休むことが度々あった。昔から心配性である母に、病院に行くことを勧められ、大袈裟だと思いながらも近くの病院へ2人で足を運ぶことした。胸のざわめきを抱えながら。



 「小林さん、とてもいいづらいのですが…」

 心臓が激しく鼓動した。何か悪い事が起きるような、そんなような気分。医者は、母と私を見て心苦しそうに顔を顰めた。この先の言葉は聞きたくなかった。

 「診断の結果、末期癌ということがわかりました。」

 医者の顔から予想はついていた。母は口を抑え、溢れんばかりの涙を目尻に貯めていた。そんな母を見て、私がそこまで大変な所にいるのだと実感された。

 「あの…、治す方法はあるのでしょうか。娘に未来はあるのでしょうか。」

 「残念ながら…。長くて半年…という所です。」

 母も私も、顔を真っ青にさせた。1歩踏み出せば奈落の底に身を投げ出されてしまう。気付かぬ合間にそこまで来ていたのだ。母の貯めていた涙は溢れ出し、顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。

 「ありがとうございました。」

 涙を拭き、作り笑顔をした。すると医者は安心したように苦笑いした。



 その日の夜、私は夢を見た。


 道を歩いていた。馴染みのある商店街。このまま真っ直ぐ歩くと隣町につく。最近はカフェ巡りにハマっていて、隣町の___というカフェにずっと行きたかったのだ。

 ふと隣を見た。

 「え、江奈なんでここにいんの?」

 そこには、幼稚園に入る前からの幼馴染の早川 冴樹(はやかわ さえき)が居た。高校に入ってからはあまり話せていない。

 「いやこっちが聞きたいんですけど。なんでここに冴(冴樹のあだ名)がいるの?」

 夢の中…?それにしては意識がはっきりとしている。そんなことを考えていたらいきなり冴が自分の顔をつねった。

 「いや何してんの。」

 思わずツッコミを入れる。

 「夢かもしんないと思って。」

 嗚呼、その手があったか。私も冴と同じように自分の顔をつねった。

 「痛くない…。てことは夢の中?」

 「そういう事だな。」

 冴とリアルな会話ができている。凄い夢だな。   

 「え、てことはつまり、何やってもいい?」

 この間とは違った意味で心臓が激しく鼓動した。

 「江奈最近カフェ巡りしてんだろ?隣町のカフェ行こうぜ。」

 今までに無い経験にとても胸が躍った。



 「ここ、来たかったんだよね。」

  私は満面の笑みでそう言った。

 「そ、うなんだ。」

 冴の耳は少し赤いように感じた。



 「カフェラテとオレンジジュース1つでお願いします。」

 冴はコーヒーが苦手なため、並ぶと少し子供らしく見えるがオレンジジュースを頼んだ。当の本人は少し恥ずかしがっていた。

 私達は奥のテーブル席に座った。椅子の座面が柔らかくリラックスできるうえ、WiFi環境もよく、コンセントもあったのでスマホも使えて過ごしやすい空間だった。

 「ねぇ、冴。」

 真剣な話をしようとしていると感じ取ったのか、冴は今までしていたスマホゲームを一旦閉じ、話す体制を取ってくれた。

 「私さ、余命半年なんだよね。」

 私は余命宣告をされたことを言おうと思った。夢ではあるが、冴の返答がやけにリアルだったからだ。

 「…は?嘘だろ。俺えn」

 


 数日後の朝。昨日の夢をはっきりと覚えている。冴はあの後何を言おうとしていたのだろう。

 「お母さーん、私もう行くね。」

 スクールバッグを肩に掛け、靴を履こうと玄関に出た。母は心配そうにこちらを見つめる。

 「本当に行くの?辞めても良いのよ?」

 「友達とかいるし、学校好きだから。」

 本当は行かせたくないのだろうけど、母は私の気持ちを尊重して、送り出してくれた。



 「おはよう。」

 教室に着き、軽く挨拶をするとクラスの視線が私の方へと集中した。

 「江奈ぁー!」

 友達数人が駆けつけてくれた。

 「あはは…、久しぶり。」

 「久しぶり、じゃないでしょ!ずっと休んでどうしたの!」

 本当のことを伝えたら皆はどう思うだろうか。気を遣わせてしまうのではないか。

 「インフルかかったんだよね。」

 嘘。私はインフルエンザも、風邪にすらもなったことがない。

 「なぁ、それ本当か?」

 何故こんなに大切なことを忘れていたんだろう。私の幼馴染は私と今までずっと同じクラスで、私が風邪を引いたことがないのも知っている。だが今はそれ以上に…

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