表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
波動~自衛官の俺が異世界の華天国を護るために戦った理由(わけ)~  作者: 脇田朝洋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/47

第45話 映画のようにはいかないか

「夜吹。十六夜の兵士に小銃の撃ち方を教え終わったって言ってたが十六夜は今何してるんだ?」


「小銃を撃って訓練しているぞ。撃ち方が分かっても的に正確に弾を当てられるかどうかはどうしても個人差がある。訓練して小銃の腕前を上げるのは必要なことだろ?」


 そうか。十六夜は小銃の訓練中か。

 確かに夜吹の言うように小銃の撃ち方を理解したって敵に正確に当てるには訓練が必要だよな。


 俺だって自衛隊に入隊して小銃の撃ち方を教わったがすぐに弾を的に当てられた訳じゃない。

 むしろ新隊員のときには射撃検定の成績は悪かった。


 しかも、既定の点数に足らずに補射という、追加で撃たせられてようやく既定の点数に到達したという黒歴史まである。

 それからの俺は射撃予習の訓練以外にも射撃の得意な先輩からアドバイス貰ったり、ミリオタの同期から電動ガンを借りて姿勢の自主トレしたからこそ今のように小銃を使いこなせるようになったのだ。


 我ながらよくここまで頑張ったな・・・・。

 これもあの鬼のような班長のおかげかな。


 新隊員の俺を鍛えてくれた自分の上司のことを思い出す。

 訓練中は厳しい人だったがそれ以外の時は人情味のある尊敬できる上司だった。


 班長に今俺は異世界で戦っていますって言ったらどう思うかな。

 またアニメの見過ぎだって怒るだろうか。


 なんだか新隊員のことを思い出したら無性に班長に会いたくなってきた。

 だが班長に会うには元の世界に戻らなければならない。


 そのためにもこの戦に負ける訳にはいかないんだよな。


「夜吹。十六夜の訓練の様子を見たいから案内してくれないか?」


「ああ、いいぜ」


「それじゃあ、中本先生。乗馬を教えてくれてありがとうございました」


「いやいや、これぐらいいつでも協力するよ、賢一くん」


 乗馬を教えてくれた中本先生にお礼を言って俺は夜吹と一緒に十六夜の元に向かう。

 十六夜は野営地の端っこの方で小銃の訓練をしていた。


 的は岩の上に置かれた石だ。

 俺は十六夜の兵士の訓練を見守る。


 兵士の撃つ銃弾は石に命中することもあるが外れることもある。

 やはり小銃の撃ち方を理解していても命中率には個人差があるようだ。


 これは定期的に訓練をさせた方がいいな。

 そのためにも小銃の銃弾は多めに召喚しておくか。


「どうだ? 賢一から見た十六夜の小銃の撃ち方は」


「そうだな。夜吹の言う通り個人差があるから時間がある時には十六夜に小銃の訓練をさせておいてくれないか? 夜吹」


「かまわないぜ。そう指示をしておく」


 そこに馬に乗った三人の人物がやって来た。

 三つ子の夜吹の弟の天狼、銀狼、玄狼だ。

 三人は馬上で小銃を持っている。


「賢一隊長。お疲れ様です!」


 天狼が元気よく俺に挨拶してきた。


「ああ。天狼たちも訓練してたのか?」


「はい。俺たち三人は馬上から小銃を撃つ訓練をしてます!」


 え? マジで?

 それってあの映画のグリーンベレーと一緒じゃねえか。

 こいつらもうそこまで上達したのか?

 俺なんかようやく馬に乗れるようになったばかりなんだぞ。


「天狼たちは馬上から小銃を撃てるのか?」


「はい。俺たちは馬に乗って戦場で戦うことも多いので馬上からも小銃を撃てるようにしろと夜吹兄上から命令されました!」


「夜吹から? 夜吹はそういう指示を天狼たちに出したのか?」


 もしかして夜吹もあの映画を観たことあるとか?

 いやいや、そんなわけないよな。


「ああ。指揮官は基本的に馬上で戦うことが多いから馬上から小銃を撃てれば戦いは有利になるだろ。こいつらは十六夜の普通の兵士より身体能力が高いから他の者より先に馬上から小銃を撃つ訓練をさせてる」


「そうだったのか。俺もいずれ十六夜には馬上から小銃を撃てるようになって欲しかったんだ。夜吹がその必要性に気付いてくれたのは感謝するぜ」


 俺は夜吹の先見の明に感心してしまう。


「戦いを有利にする方法を考えるのは闇族の性みたいなものだからな」


 そういえば闇族は戦いの部族なんだよな。

 常に戦闘に関することを考えるクセがついてるってことか。


「それで天狼たちは馬上から小銃を撃てるようになったのか?」


「馬が停止している時には馬上から撃っても的に命中するんですけど馬を走らせながらだとまだまだ命中率が悪くて」


 それもそうか。

 いくらこいつらでもそう簡単にはいかないか。

 映画じゃないしな。


「それでも馬上から小銃を撃てるようになったら戦場では役立つはずだ。できるようになるまで頑張れよ」


『はい!』


 三つ子は声をそろえて返事をする。


 俺も三つ子に負けないように乗馬を練習して早く馬上から小銃を撃てるように頑張らないとな。


 十六夜の訓練を一通り確認した俺は自分のテントに戻った。

 するとそこに来訪者がやって来た。


「賢一、いるかしら?」


 この声は志乃舞だな。


「いるから入っていいぞ」


 俺が許可すると志乃舞がテントに入って来る。

 その手には弓矢が握られていた。


「どうした? 弓矢なんか持って」


「ああ、これは弓矢の訓練をしていたから持っているだけよ。賢一の側近になったから改めてよろしくって伝えたくて来たの」


「側近の話は月治から聞いたよ。俺の方こそよろしくな」


 志乃舞は弓矢の名手だから遠方からの攻撃になれば心強い味方だよな。

 遠方から敵を狙う志乃舞はスナイパー向きかもしれない。

 それなら志乃舞にはスナイパーの訓練をさせてみるか。

 入隊前からハマっていたタクティカルでステルスなゲームにも女性のスナイパー出て来ていたしな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ