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波動~自衛官の俺が異世界の華天国を護るために戦った理由(わけ)~  作者: 脇田朝洋


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第39話 望海と志乃舞の実力もたいしたもんだ

「では俺たちの連続攻撃を見せます」


 天狼が先ほどと同じく短剣を岩に向かって投げつけた。

 普通であれば硬い岩に短剣など刺さらないはずだ。


 ガツンッ!!


 その岩に見事に短剣が突き刺さった。しかも刃の根元まで深々と突き刺さっている。


 マジで岩に短剣が刺さったのか!?


 俺は驚きで目を見開く。


 すると素早く天狼が霊力の紐で短剣を回収したと同時に銀狼の槍が岩に向かって連打された。


「うおりゃああああぁー!!」


 岩の真ん中に穴が開いて岩の向こう側が見える。


 ひええ! 岩に穴が開いたぞ!

 岩に穴が開くってどんだけの威力だよ!


 そして銀狼が身を引くと最後に玄狼が斧を岩に振り下ろす。


 ガシャガシャーンッ!!


 岩にヒビが入り大きな音と共に砕け散った。大岩はもう見る影もない。


「これが霊力を武器に宿らせた攻撃だぜ、賢一。まあ、でもこんな攻撃してたらすぐに体力が尽きちまうから連発できるわけじゃねえけどな」


「いや、いざという時にこの力は頼りになると思うぜ、夜吹。他の兵士も使えるのか?」


 あんな化け物のような特技をみんなが使えたら自衛隊の武器なんかなくても戦に勝てる気がするが。


「ああ? 無理に決まってるだろ。俺たちはこれでも闇の族長の身内だからこれだけの霊力があるわけ。普通の一般兵には無理な技だ」


「そ、そうか…」


 残念なようなホッとしたような気持ちに俺はなった。


 あまり異世界感がなかったから忘れてたがここにはファンタジー要素もあるんだよな。

 霊力に頼りきるのは危険だが使える霊力や技は取り入れた方がいいな。


 霊力の足りない一般兵にはやはり自衛隊の武器は必須だろう。

 お互いの世界の武器と力で無双して戦をするなんて異世界転移ならではの話だよな。


「賢一、それなら次は私と志乃舞の実力も見てくれ」


 それまで黙っていた望海が俺に声をかける。


 そういえばまだ望海や志乃舞の戦っているところは見てないよな。

 望海は剣を持っているから剣術が得意なのか?


「甲夜。私の相手をしてくれないか?」


「かまわないよ。望海」


 相手役に指名された甲夜は望海と一緒にみんなの前で剣を抜いた。

 望海も剣を抜き甲夜と対峙する。


 真剣に見ないといけないと思ってもやはり望海のでかい胸に俺の目線がいってしまう。


 ダメだダメだ! 今は望海の剣術に集中しろ、俺。


 次の瞬間、望海が踏み込み甲夜に斬りかかった。


 ガキーンッ!


 二人の剣が激しくぶつかり火花を散らす。

 ググっと望海が力で押すと甲夜の足が後ろに下がった。


 望海って力が強いんだな。とても女とは思えないぜ。


 堪えていた甲夜だったが「ハッ」っという言葉と共に望海の剣を押し返した。

 それを待っていたかのように今度は望海の足が甲夜の足を引っかけるように動く。


 足を引っかけられて甲夜は倒れはしなかったが一瞬身体が揺らいだ。

 そこを剣で望海が攻撃する。


「うっ!」


 望海の剣は甲夜の首元にピタリと突き付けられた。

 これが本当の戦なら甲夜は死んでいただろう。


 なるほど。望海は基本は剣での攻撃だが体術も優れているのか。

 それなら波動を身に着けたら望海も強くなるだろうな。

 しかしやはり望海は前線で戦う兵士向きだろう。


「見事だ、望海」


 俺がそう言うと望海は甲夜の首に突き付けていた剣を離す。


「ありがとう、賢一。私も戦に役立つだろ?」


「ああ、十分に役立つさ。頼もしい戦士だよ」


「そ、そうか……」


 望海は少し照れたように頬を赤くする。

 いつもは強気な望海しか見ていなかった俺は思わずその望海の可愛らしさに胸がドキッとした。


 望海の奴、意外と可愛い顔するじゃねえか。

 こういう普段は男顔負けの強い女が女の顔するとグッとくるぜ。


「賢一。私の弓の腕も見て欲しいわ」


 今度は志乃舞が俺に声をかけてきた。

 その手には弓がある。


 おっと。今度は志乃舞か。そういえば弓が得意って言ってたもんな。

 それに望海の話では志乃舞は望海に負けたくないと思っているらしいから自分の腕前も見て欲しいってことだな。


「いいぜ。志乃舞の弓の腕前を見せてくれよ」


「ええ」


 兵士たちが弓の的の準備をした。

 的までの距離は俺が予想した以上に遠い。

 肉眼ではかろうじて的が見えるくらいだ。


 いくら弓でもこの距離は難しいんじゃないか? 志乃舞大丈夫かな。


 望海をライバル視している志乃舞はここで失敗はできないだろう。

 余計なお世話かもしれないがもし的を外して志乃舞が落ち込んだ時は俺が慰めてやろう。


 志乃舞は的に向かって弓を構える。

 限界まで弓を引き志乃舞は狙いを定めた。そして的に向かって放つ。


 弓矢は的へ吸い込まれていくように飛んでいった。

 すると的の側に待機していた兵士が白い布を振る。

 的に弓矢が当たったという合図だ。


 すげえ! マジでこの距離で当てたのか!


「凄いじゃないか! 志乃舞」


「ありがとう、賢一。私の腕前もなかなかでしょ?」


 得意げな笑みを見せる志乃舞はとても綺麗だ。

 思わず志乃舞を抱き締めたくなったが俺に告白してきた望海や風花がいるので我慢する。


「ああ、志乃舞の力も十分戦力になるし、素晴らしいよ。もしかして志乃舞も今霊力を使って弓矢を飛ばしたのか?」


 もしかしたら志乃舞も天狼たちみたいに霊力を使って増強した力で的を狙ったのかもと聞いてみる。


「いいえ、違うわ。私の霊力は戦向きではないの。それに望海だって霊力を使ってないし」


「そうそう、志乃舞の言う通り。私や志乃舞の霊力は攻撃には向かない霊力なんだ。霊力に関してはそのうち賢一に見せてあげるさ」


 望海もそう言って意味深な笑みを浮かべる。


 この二人の霊力が何なのか気にはなるがとりあえず二人の実力は分かった。

 望海は前線で直接敵を倒すのに向いていて志乃舞は弓隊として後方からの支援に向いている。志乃舞に至ってはスナイパーもできるかもしれない。


 それにしても見た目は望海も志乃舞も美人で争いごとなんて縁のないように見えるのに中身はめっちゃ男よりも強い戦士ってことか。

 そのギャップが俺にはたまらないんだよなあ。嫁さん選びは苦労しそうだぜ。

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