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波動~自衛官の俺が異世界の華天国を護るために戦った理由(わけ)~  作者: 脇田朝洋


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第38話 三つ子の実力も相当なものだな

「ここからあの木に向かって攻撃をします」


 天狼が指を差して示したところには少し太めの木が立っている。

 だが距離はそれなりにある。


 こんなに距離があっても短剣が当たるのか?


 俺はナイフも得意だがその俺でもこの距離でナイフを木に突き刺せるか微妙なところだ。

 それにナイフのような短剣を敵に向かって投げて敵を倒したら手元に武器が無くなるからその後どうやって戦うかが気になる。


 ナイフでの攻撃は接近戦でというのが俺の常識だった。


 天狼は狙いを定めるようにその木を見た後に短剣を持った手を上から振り下ろすように短剣を投げつけた。

 短剣は見事に木の幹の真ん中に突き刺さる。


「へえ、凄いな。見事なもんだ」


 天狼の短剣の腕前を見て俺はその命中率の高さに注目した。


 この距離で木の幹のど真ん中に当てるだけの感覚と技能を持っているなら天狼はスナイパー向きかもしれない。

 スナイパーの練習をさせれば天狼は力を発揮するかもな。


 すると今度は天狼が短剣を投げた手で何かを引っ張るような仕草を見せる。

 その瞬間、確かに木の幹に突き刺さっていた短剣が何かに引っ張られるように木の幹から抜けて空中を飛んで天狼の手に戻って来た。


「うわ! 何だいったい!? なぜ短剣が勝手に飛んで戻って来たんだ!」


 驚いた俺が思わず声を上げると天狼が俺を見た。


「今のは霊力の紐のようなもので短剣を引っ張って来たんです。たくさんの敵を倒すのにたくさんの短剣を持つのは大変なので敵を倒したら次の敵を倒すために短剣を呼び戻します」


 呼び戻すって短剣が生き物のようだな。だが、これなら短剣を飛び道具としても使えるしもちろん接近戦でも役に立つだろう。

 霊力ってこういう使い方もできるのか。これはこれで便利な力だ。


「天狼の短剣は距離がもっと遠くても敵を倒せるのか?」


「いえ、あまり距離が遠過ぎると短剣の威力が落ちてしまうのでこれくらいが適当な距離です」


 ふむ、なるほど。射程距離に注意か。


「次は銀狼だな。銀狼は槍での攻撃が得意だ。見せてやれ、銀狼」


「はい! 夜吹兄上」


 今度は銀狼が前に出てきた。

 背中に装着していた槍を手にする。

 槍と言ってもそれほど長いものではない。もちろん長剣よりは攻撃範囲は広いが。


「では、あの木を敵として攻撃します」


 銀狼が指定したのは先ほど天狼が短剣を突き刺した木よりも太くてどっしりとした木だ。

 その木に近付き銀狼は槍を構える。


「おりゃおりゃおりゃおりゃああぁーっ!!」


 気合いと共に目で追うのがやっとという速さで銀狼は槍を何度も繰り出す。

 昔読んだとある人気漫画のキャラクターが使っていた技に酷似している。

 そして木の幹の真ん中に穴が開いた。


「すげえ! 木の幹に穴が開いたぞ!」


 槍の威力はやはり短剣よりも破壊力があるようだ。

 それに槍を繰り出す銀狼はその速さを維持するためなのか身体がステップを踏むように身軽に動いていた。


 これなら相手からの攻撃を避けつつ敵を倒せるかもしれない。

 銀狼は前線で敵を引き付けたりかく乱することに能力が使える可能性がある。


 機動力と破壊力のバランスのいい戦士になりそうだ。


「俺の槍は騎馬隊に有効です。相手が馬上にいても槍が届くので」


 そうか! この世界には騎馬隊がいたんだな。

 銀狼の言うように槍ならば馬上の兵士を狙えるな。


「見事な槍だったよ。銀狼も凄いな」


「ありがとうございます!」


 素直にお礼を言って俺に頭を下げる銀狼が可愛く思える。

 夜吹の弟とは思えないぜ。


「最後は玄狼だな」


「はい!」


 玄狼は背中に装着していた斧を手に取る。


 武器が斧からして玄狼はパワー系だよな。

 どれだけのパワーがあるか見せてもらうか。


「では俺はあの木を敵として攻撃します」


 玄狼が指定したのは銀狼が槍で突いた木よりもさらに太い木だ。

 巨木と言ってもいいだろう。


 普通の斧を使っても倒すのに大変そうなぐらいの太さはある。

 玄狼はその木の手前まで行き自分の斧で木を切りつけた。


 斧の刃が木の幹を切りつけたと思った瞬間、バキバキバキッと大きな音がして木がゆっくりと倒れた。


「嘘だろ!? 一発で木を切り倒したのか!?」


 こいつは想像以上の怪力のようだ。以前、聞いた重い丈夫な甲冑を装備した「重騎士部隊」の奴らでも真っ二つにできそうだぜ。


「玄狼はやはり力が強いんだな。敵の重騎士部隊ともやり合えるんじゃないか?」

「はい! 第一部隊では一番力があると四暗隊長からも褒められました」


 なるほど。四暗のお墨付きか。

 それなら頼りになりそうだな。


 ん? 待てよ。「力」と言えば先ほど天狼は「霊力」を使って短剣を操っていたし、もしかして銀狼や玄狼も今の特技に「霊力」を使ったのかな?


「なあ、さっき天狼は霊力を使って短剣を操ってたが銀狼の槍や玄狼の斧も霊力で増強してたのか?」


 俺の言葉に三つ子は顔を見合わせる。


「ハハハ、笑わせるなよ、賢一。こいつらは霊力で増強した攻撃なんかしてないぜ。天狼も短剣を呼び戻す時以外には霊力は使ってないしな」


 夜吹は面白そうに笑う。


「へ? じゃあ、霊力で増強した攻撃ってどうなるんだ?」


「おい、お前らそこのでかい岩で見せてやれよ」


『はい!』


 俺たちから少し離れた場所に人の背丈より大きな岩があった。


 へ? 今度は木じゃなくて岩か?

 いや、いくらなんでもこんな大岩に短剣や槍なんて突き刺さらないだろう。斧なら破壊できるかな?



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