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波動~自衛官の俺が異世界の華天国を護るために戦った理由(わけ)~  作者: 脇田朝洋


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第20話 波動の動きは独特だ

 俺は「81mm迫撃砲L16」一門と「ブローニングM2重機関銃」一丁を召喚してみた。


 ポン!ポン!


 両方とも召喚できたが体に疲労感が襲ってくる。


 う~ん、大きな物を召喚すると体力を使うんだな。


 「81mm迫撃砲L16」はイギリスで開発された迫撃砲だ。

 口径は81mm、砲身長1,280mm 重量36.6kg 砲身12.7kg 支持架12.3kg 底板11.6kg 操作人員4名だ。

 弾薬の入った木箱が三つ一緒に召喚されてきた。二発ずつ入っている。


 そして驚くことに、召喚した途端に俺は扱い方を理解していた。


 俺はMOS(自衛隊内の資格)は軽火器で迫撃砲はやったことない。召喚したら独学でなんとか使うしかないと考えていたが、一瞬で理解していた。これならこの世界の人間に教えられる。


 そしてもう一つの「ブローニングM2重機関銃」は自衛隊では12.7mm重機関銃M2という名称だが、キャリバーと呼ぶことの方が多いな。

 口径は12.7 mm。重量は本体のみで38.1kgで、三脚を含むと58kgと、結構重い。


 拠点防御に使うと効果的だが、分解して持たせて伏撃に使うこともできるな。

 ちなみに俺はこれの取り扱いの教育は受けたが、実射の経験はない。


 それと俺は四暗から兵士が到着した時のために89式小銃を10丁召喚する。

 すると、さらに疲労が増した。


 とりあえず、一度に全部は無理だから少しずつ召喚しないとだな。


 俺が自分のテントに武器を並べていると望海と志乃舞と甲夜がやって来た。


「賢一、いるか?」


「おう、どうした?」


 俺はテントを出て望海に聞く。


「賢一から波動を教わりたくて」


 ああ、そういえばそういう約束だったな。

 正直ちょっとしんどいが、約束だから仕方ない。


「分かった。場所を移動するぞ」


 俺たちはテントから離れた場所に移動する。そこで波動の練習をすることになった。

 

「まずは基本の動きだ」


 見本として俺は肩甲骨をゆらゆらと揺らす。


「え?なにそれ?」


 望海が期待外れな感じに言ってくる。


 たしかに肩を回しているだけのように見えるよな。


「ただ肩を回しているだけじゃないぞ。これは肩甲骨を回しているんだ。俺の肩甲骨の辺りを触ってみな」


 すると三人は言われた通りに俺の背中を触ってみる。


「おおっ!?」


「こんなにも動くモノなのか!?」


「これは面白い!」


 望海と志乃舞と甲夜は今まで肩甲骨というモノを意識したことが無かったのだろう。俺の肩甲骨の動きに驚いている。


 それじゃ、一つ見せてやるか。


「甲夜、俺の手を握ってみてくれ」


 肩を回すのを止めて手を出すと、甲夜はすぐに握ってくる。


「いいか?引っ張られないように堪えろよ?」


「分かった」


 言われた通りに力を込める甲夜。

 そこで俺は肩甲骨を回して波を伝えるように引っ張る。


「うわっ!?」


 前に五歩ほど甲夜はつんのめる。


「ええっ!?」


「あんなに簡単に!?」


 望海と志乃舞が驚いている。


「波動は肩甲骨の力を利用してその力を波のように相手に伝えることで最小の力で相手にダメージを与えられるんだ。今のはそのうちの一つのやり方だ。まずは肩甲骨を回してみな」


 三人は鎧を外して俺の動きを真似する。

 だがなかなかうまくできないようだ。


 この肩甲骨を回すのが最初は難しい。そして回すことができてもなかなか技として使うのも難しい。

 俺もマスターするのに時間がかかったからな。


「志乃舞、まだ肩だけ回しているな。もっと肩甲骨を意識してみな」


 俺も指導しながら三人とひたすら肩甲骨を回している。

 しばらくやった後に小休止を入れて、望海に紐を二本持って来させた。


「望海、この紐の反対側持ってみな」


 俺は持っていた紐の反対側を望海に持たせる。


「志乃舞と甲夜も同じように持ってみな」


 後の二人も言われた通りに紐の片方を持つ。

 そして俺は波動を使い、紐に波動の力を伝える。

 すると紐が波打って望海に向かって行く。

 そして手に到達すると、


「わっ!?」


 望海は体勢を崩した。


「な?うまくできるようになるとこういう風に出来るようになる」


「なるほど。簡単そうだが難しいな」


 甲夜も肩甲骨を揺らしながら真似をしてみるが志乃舞は倒れない。

 そもそも波打っていないしな。これができるようになるのに少し時間がかかる。


「いきなりこれは難しかったか。やはりまずは常に肩甲骨を回す動きを練習だな」


「分かった」


 そこまで教えると俺は軽いめまいを覚えた。

 やはり召喚し過ぎた体で無理したからか?


「あ……あれ…?」


 俺の体はぐらりと倒れる。


「賢一っ!?」


 近くにいた望海がとっさに俺の体を支えてくれた。

 俺は望海の豊かな胸に顔を押し付けるように望海に倒れかかる。


 やっぱり望海って胸でかいな。


 そう思いながら俺は気を失った。






黒乱こくらん。出撃の準備ができたのですか?」


 華天国女王『真純』は隻眼の男に問う。


「ああ。明日、戦場に向けて出発する」


 黒乱と呼ばれた男は答える。

 この黒乱という男は現在の華天国女王『真純』の王配の一人だ。


 若い頃右目を負傷して今は隻眼だが、 華天国軍の中では黒乱の強さを恐れて部下たちは影で黒乱のことを「隻眼の悪魔」と呼んでいる。


「それより真純、戦場に異世界人が現れるというのは本当なのか?」


「はい……次元の歪みと波を感じました。もう既に異世界人は戦場にいると思います」


「そいつが華天国の運命を左右するのか」


「ええ……私の予知が正しければ」


「真純の力を疑ってはいない」


 黒乱はそう言って真純の前に跪く。


「真純、俺は必ず勝利して帰ってくる」


「ご武運を」


 真純は右手を差し出す。

 黒乱はその手に口づけると部屋から出て行った。

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