表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
波動~自衛官の俺が異世界の華天国を護るために戦った理由(わけ)~  作者: 脇田朝洋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/47

第19話 俺のモテ期到来なのか

 風花と別れて俺は自分のテントに向かって歩いた。


 やはり「迫撃砲」と「重機関銃」は必要だな。

 俺は頭の中で戦いのシュミレーションをしてみる。


「賢一!」


「えっ!?」


 俺は名前を呼ばれて我に返る。

 目の前に春香がいた。


「いいところにいました!賢一を探していたんです」


「ん?俺に何か用事だった?」


「食事の感想を聞きたくて」


 ああ、そうか。感想聞かせてくれって言われてたっけ。


「んじゃ。立ち話もなんだから俺のテントに来るか?」


「はい!お邪魔します!」


 春香は緑の瞳を輝かせる。


 う~ん、やっぱり緑の瞳って綺麗だな。


 俺は春香と自分のテントに戻った。


「好きな所に座っていいよ」


「はい、ありがとうございます」


 丁寧にお礼の言葉を言って春香は椅子に座る。


「そんなに畏まらなくていいよ。普通に話して。俺も堅苦しいのは嫌いだから」


「分かったわ、賢一」


 春香はニコリと笑顔を見せる。


「そういえば春香って何歳?」


「私は17歳です」


 ふ~ん、風花よりは2歳年上か。


「賢一は何歳ですか?」


「俺?俺は24歳」


「もう結婚されてるんですよね?」


 まるでそれが当たり前のような口調で春香は訊いてくる。


 いやいや待ってくれ。この世界の年齢の感覚は日本と違うとはいえ俺は妻帯者に見えるのか?


「いや、まだ結婚はしてないよ」


 俺は苦笑した。

 風花には結婚を迫られたけど、このことはまだ他の人間には言わない方がいいだろう。


「そうなんですか?てっきり異世界に奥さんがいるのだと思ってました」


「そんなのいないよ。彼女もいなかったし」


 そう、彼女なんて何年も前に別れたし。


「そんなに俺って妻帯者に見える?」


 俺って老けて見えるのかなあ。日本ではまだまだ男としては若いと思うんだけどな。


「いえ、賢一が落ち着いた大人の感じがしたので。けして賢一が老けてるなんて思っていませんから」


 春香って超能力使えるのか?俺の考えを読むなんて。

 いや、落ち着け。そんなわけはないはず。


「それで食事の感想だったっけ?」


 俺は話を本線に戻す。


「はい、そうです」


「う~ん、率直に言うとちょっと味が塩辛いかな。たぶん干し肉と干した野菜のせいだと思うけど」


 自衛官の俺でも濃いと思うくらいだしな。


「ああ、私もそう思うんですけど、戦場では日持ちする物しか取り扱いができなくて」


 春香はシュンと肩を落とす。


「例えば俺の世界の軍隊の飯だとこういう物がある」


 俺はそう言いながら三つの缶飯を召喚した。


 ポン!ポン!ポン!


『とり飯』『赤飯』『しいたけ飯』


「うわあっ!?」


 缶飯が出現する度に春香は目を丸くして見つめている。


「この缶詰をお湯で温めると食べれるんだ」


「本当ですか!?お鍋持ってきます」


 春香はサッとテントを出ていく。

 俺がしばらく待っていると春香がお鍋に水を入れて持って帰ってきた。


「でも火がいるけど」


 さすがにこの世界にガスコンロとかないだろうな。


「大丈夫です。火はすぐに熾せます」


「じゃあ。テントの外で温めてみるか」


 テントの外に出ると春香は薪を持ってきてあっという間に火を焚いた。


 すげえ、素早いな。春香ってサバイバル経験あるのか?


「随分、火を熾すにの手慣れているな、春香は」


「これぐらいできないようでは糧食部隊長はやっていられません」


 なるほど、そうかもしれないな。


 俺と春香はお鍋に缶飯入れて温める。目安としては二十分ほどだな。


「よしこれぐらいだな」


 お湯から缶飯を取り出して予め用意していた缶切りで開けてみた。

 ふっくらと鳥飯の匂いがする。


「いい匂い!この中にこんな美味しそうなのが入っているなんて!!」


 目を輝かせる春香。


「食べてみな」


 俺は鳥飯を差し出すと、春香は恐る恐る鳥飯を食べた。


「ん!なにこれ!すごくおいしい!!」


「だろ?これは人気のある缶飯だからな」


「みんなにも食べさせてあげたいです!」


「じゃあ、時間のある時に缶飯を召喚しておいてあげるよ。あ、この二つは持っていきな」


「ありがとう賢一!」


 春香が俺に抱きついてきた。


 う、本日二度目の美少女の抱擁だ!


 俺が思わず抱きしめると春香は俺の唇にキスをした。

 春香の唇はすぐに離れたが春香は顔を赤くしてもじもじしている。


「は、春香……?い、今のは?」


 今まで生きてきてキスは初めてではないが俺はつい動揺してしまう。


「私、賢一みたいな人がタイプなんです。でも……結婚してくれなんて贅沢言いませんから。私、料理人になりたいし……」


 春香の言葉を聞いて俺は風花の言葉を思い出す。


 そうだ、この国では女性は結婚したら仕事ができないんだった。

 きっと風花が大商人になる夢を持つように春香は料理人になるために結婚しないつもりなんだ。


「春香、結婚しても俺は妻に働くなとは言わないよ。料理人になるのが春香の夢なら俺は応援するよ」


「本当ですか!?」


 春香は緑の瞳を見開いて俺を見る。


「うん。俺の世界では女性が結婚後も働くなんて普通だったし」


「それなら賢一のお嫁さんになりたいです!」


 マジかよ!?一日に二人の美少女から結婚の誘いが来るなんて!!しかも元の世界じゃJKだぞ!

 今日は人生最高の日だ!!


 いや……待てよ。風花か春香か選ばないといけないのか?

 それはそれで大変なことじゃないか!?


 この国で複数の女性を妻に迎えることができるのは族長だけだと月治が言ってたじゃないか。

 俺はただの異世界人だし。

 そもそもこの世界に俺があとどれくらいいるのか分からないしな。


「とりあえず結婚の話はこの戦が終わってから考えような」


 俺は名残惜しくも春香の体を自分から引き離す。

 そうだ、戦に勝ってから彼女たちのことは考えよう。


「分かりました。賢一が元気出るようなご飯を考えますから!」


 春香はそう言うと自分のテントの方に帰って行った。


 俺っていきなりモテ期が来たのかなあ。

 風花も春香もどっちも捨てがたい。


「いかん。戦に集中しないと」


 俺は強引に頭を戦のシュミレーションに切り替えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ