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波動~自衛官の俺が異世界の華天国を護るために戦った理由(わけ)~  作者: 脇田朝洋


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第11話 女王は俺のこと予言してたのか

 俺は望海にテントに案内され、体を拭く為に用意されたお湯に布を浸して汗の掻いた体をその布で拭いていた。


 本当は温泉にでも入りたい。

 でも俺は自衛隊の訓練で何日も風呂に入れないことがあったから、体を拭けるだけでありがたい。


 なにしろここは本物の戦場だもんな。

 あ、でも近くに川でもあれば簡易的な露天風呂作れるな。後で月治に聞いてみるかな。


「ちわー!賢一さんいますかー!」


 テントの入り口で女の子の声がする。


 うん?…誰だ?今まで聞いたことない声だな。

 ていうか「ちわー!」って三河屋のさぶちゃんかよ。


 俺は着替え用に出した迷彩柄のTシャツを着ると入り口に向かって声をかける。


「どうぞ。入っていいですよー」


「お邪魔しまっす!」


 威勢のいい声と共に入って来た少女を見て俺はまたしてもあんぐりと口を開ける。

 光を反射する見事な金髪に金の瞳の美形の少女。


 金の瞳なんて初めて見たぞ。なんか神々しい印象を受けるな。

 腰から剣を下げているところを見ると騎士か?


「あなたが異世界人の賢一さん?」


 俺はちょっと警戒した。

 俺が異世界人だと話したのは月治を始め極少数の人間だ。この少女は味方だろうか。


「人に名前を尋ねる時は自分から名乗るのが礼儀じゃないのか」


 俺は苦笑する。


「おっと。失礼しました。私の名前は琴音ことね。真純女王陛下の勅命を受けて異世界人を探してたんです」


 なんだって、女王陛下の命令で異世界人を探していただと?


「確かに俺は異世界人の賢一だが、女王陛下は俺の存在を知っているのか?」


「はい。今から少し前に女王陛下は異世界人が華天国に現れるのを予言しておりました。そこで私に異世界人を探し出し力になるように命令をしたのです」


「女王陛下は俺が現れることを予言していたと言うのか?」


 華天国の女王は予言者か何かか。それとも日本の歴史に出てくる卑弥呼のような巫女か?


「はい。女王陛下は星の動きで華天国に何が起こるかを知ることができます。今回は異世界人の出現とその異世界人によってもたらされる華天国への影響を予言されました」


「華天国への影響ってどんな?」


「それは分かりませんが、その異世界人は華天国の窮地を救ってくれるとのことでした」


 華天国の窮地を救うだと?

 確かに俺は華天国に味方することは決めたが、俺がこの戦争の救世主になるとは思えない。

 銃を持っているとはいえ、一人でできることなんて限られている。


「それで君は騎士なのか?」


「私は女王陛下に仕える乱波らっぱの一人で諜報活動を得意としています。どうぞ私の力を使ってください」


「らっぱ?」


 俺は自衛隊でも使われている楽器のラッパを思い出したが、そのラッパじゃないよな。


 いや、そういえば遥か昔は忍者のことを乱破っという言い方していたこともあったと聞いたことあるが、この世界でも同じなのか?

 ということは、この娘も俺と同じく忍者か!?


 でも、俺と違って実戦で諜報活動しているわけだし俺なんかよりも遥かにレベル高いだろうな。


「乱波は女王陛下直属の諜報機関の名前です。女王陛下は乱波を通してこの華天国に起こっていることを知ることになります」


 そうするとこの琴音って少女は俺の力になると言っているが、それと同時に俺のことを女王陛下は見張っているということか。


 ここは迂闊なことをすると華天国に仇名す者として下手すれば殺されてしまう恐れがある。

 気をつけないといけないな。


「俺のことは賢一って呼んでくれ。俺も琴音って呼んでいいか?」


「はい、かまいません」


 琴音はニコリと笑う。

 うわあ、なんか外国の金髪のお人形さんみたいで可愛いな。


「それで琴音は諜報活動が仕事なんだっけ?」


「はい。情報を集める時はこの琴音にお任せください」


「情報ね……」


 ん?…情報を集める?

 俺は中本先生のことを思い出した。

 琴音なら中本先生を探し出すことができるだろうか。


「琴音、実は俺の他にも異世界人がいるはずなんだ。中本真治って言うんだけど俺の師匠に当たる人なんだが今行方不明で。探し出すことはできるか?」


「お任せください。私の情報網で調べればすぐに見つけ出せます!」


「そうか。じゃあ、中本先生を探して欲しいんだが」


「分かりました。その方をお連れすればいいのですね」


「ああ、頼む」


「はい、では今から捜索に行ってきます!」


 琴音はそう言うと颯爽とテントを出て行った。

 月治たちも探してくれるとは言っていたが、琴音が諜報活動のプロと言うならプロに任せた方が早く見つかるだろう。


 中本先生無事でいてくれるといいけど。

 まあ、中本先生程の実力者を倒せる人間は少ないと思うが。


 そんなことを考えていると何やらテントの外が騒がしくなった。


「何だ?何かあったのか?」


 俺は迷彩服の上着を着てテントを出てみた。

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