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透明色  作者: 神木駿
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日々の色

月曜日の放課後僕は秋人に誘われ駅の中にあるカフェに行った。そこには彼女と小桜さんもいた。秋人と小桜さんは隣同士に座り


「俺たち付き合うことになりました」

とまるで結婚報告のような形で付き合ったことを報告してきた。僕は


「やっとか」


と口にした。秋人は


「え?やっとって?」


と疑問を浮かべていた。


「いや二人ともすごく仲いいし早く付き合わないかなってずっと思ってたんだ。小桜さんから相談もされてたしね。だけど秋人が鈍感すぎて全然進展しなかったなって」


僕は小桜さんの方を向いて言った。


「私も桃から相談受けてたんだ。秋人君が全然振り向いてくれないって」


彼女は秋人の方を向いて言った。


「えっじゃあ桃が俺のこと好きって気付いてなかったのもしかして俺だけ?」


秋人は驚いていた。


「「うん」」


僕たち三人は同時に首を縦に振った。


「マジか。まぁでもほら結局こうなってるし結果オーライじゃない?」


「そうだけど、私はすごい悩んでたんだからね。秋人が全然意識してくれないからどうしようかって」


秋人を見て頬を膨らませた。


「ごめんごめんこれからはちゃんとするから」


二人がこれまで以上に仲良くなっていたので安心した。


帰り道一人になった時僕は唐突に考えた。


『今のままが続けばいいと思ってたけどそういうわけにもいかないんだよな。いつかはこの関係が終わる。現に秋人と小桜さんが付き合って僕たちの関係も変化してるし。それに…』


これ以上は答えのない問いを考えることになると感じ考えるのをやめた。薄暗い空が僕の思考を包み込む。


家に帰るとテレビがついていた。リビングには誰もいないので弟がつけっぱにして部屋に行ったのだろうと思った。ふと見ていると殺人事件のニュースがやっていた。隣の県で高校生ぐらいの女の子が刺され死亡したというものだった。監視カメラの映像によると犯人は青い色のパーカーを着ていてフードを深くかぶっていたようだった。


こんな形で突然日常が奪われる可能性を考えたら僕は怖くなった。せめて今この時だけは奪わないでほしいとそう願った。

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