第五話 グループディスカッション
お知らせや次話投稿のお知らせはすべてTwitterでしますので気になればご確認を。
次話投稿のついでに私のくだらない日常もついてきます。
チョコ@なろうにて毎日更新中!
@Tyocobitter
自己紹介が終わればグループディスカッション。
列ごとに机をくっつけて決められたお題について話すのだが。
いかんせん、空気がくっそ重い。
理由は明白、鮫島から発せられる圧とその圧を跳ね除けられるはずの俺が標的にされているからである。
「て、テーマ! テーマ決めようか!」
「浮気の是非でいいのではないでしょうか」
「わたしもっと明るい話題がいいなー……」
俺もそう思います。女五人に囲まれて男一人だけの状況で男女に分かれる話題は止めて欲しい。
あと話題が狙い撃ちしすぎて怖い。
「と、藤堂はなにか案ないか?」
「ふぇ!? ななななな、ない……です」
「そっか」
「で、でも、夏か冬のどちらが好きかとかどう……ですか?」
出来れば二極化するのがいいがこれを弾いたら「浮気の是非」になってしまう。
となれば乗るしかねぇ。
「いいんじゃないか。俺は冬が好きだ」
「私は夏が好きです」
「はい! わたしも夏!」
「わたくしは冬ですかね」
藤堂は冬、佐藤は夏というまあ、バランスはいい。
「では夏の利点から。夏は夏休みがあり長期的な休みが取れます。夏期講習だってありますし新しい知識を溜め込むには絶好の時期です」
「いやいや。その夏に詰め込んだ知識を整理する冬こそが一番楽しいんだろうが。自分で作ったノートで理解できると気持ちいいぜ? それが出来て真の理解とも言えるしな」
「それも夏の努力あってこそです」
「だが冬がなければその努力すら水の泡になる」
鮫島の睨みに負けないように俺も睨み返す。
単なるインプットとアウトプットの違いだが人間が違えば得意な方も変わっていく。
ポケモンのカセットと違ってどっちもということは出来ないのだ。
「え、その視点で進めるの? なら特にいえることはないかな。鮫ちゃん頼んだ!」
「鮫ちゃ……ん?」
「二人とも落ち着いてください。グループディスカッションの場なので全員が参加できる話題でお願いします。例えば、それぞれの季節の好きな行事とか」
土屋の一言に我に返った。
「冬の行事ってなんかあるか?」
「ハロウィン、クリスマス、お正月、節分、ひな祭り、冬至などなど挙げればキリがありませんね。正確に時期を九月と四月で割るなら十月の文化祭はこちら側ですし」
「えーずるい! でもでも夏には海とかスイカとか風物詩とか一杯あるもんねーだ! さぁ! 鮫ちゃんやってしまいなさい!」
「勉強のことを除外するなら夏休みが大きいでしょう。それに伴って海やプールに繰り出し帰ってくればラジオ体操も夏にある印象です。バーベキューなどのレジャーも夏ならではでしょう」
ふむ。日本のくせに文化をごちゃまぜにするから甲乙つけがたい。
俺が冬を好きなのは厚着すれば過ごしやすいからだし。
ただ鮫島のどうだと言わんばかりの澄ました顔は個人的にひっくり返したくなる顔だ。
「世間の影響度で言えば、ハロウィンやクリスマスとか正月が大きいだろう。夏は毎日最高気温がどうのばかりだからな」
「ハロウィンはもともと民族の大晦日ですし、クリスマスは所説ありますが、イエスキリストの誕生日で日本独自の文化ではありません」
「ってことはハロウィンとかクリスマスって楽しまない系?」
「「九月から模試がたくさんあるからな」ありますから」
気があったな鮫島彩音。
そういうと思ってたし、俺も同じ考えだ。
「うわぁ。つちやん助けて~」
なにをそんなに怖がることがあるのだろうか。
中学模試は自分の実力を測るいい機会だ。折角本番さながらの環境で試験を受けられるのだから参加しない手はないだろう。
「夏には夏祭りが各地で行われますが冬祭りというのはあまり聞きません」
「冬は冬で雪があるだろ」
「弱いですね」
んなこたぁ俺が一番わかってんだよ。
だがこれ以上頭が働かない。知識量じゃ鮫島彩音には勝てないのだ。
今の俺では。