これもただの暇つぶし
アリを潰した。あっけなく死んだ。
絵を描いた。下手くそだった。
殺人鬼に逢いに行った。殺してはもらえなかった。
「ねぇ、ルークは殺人鬼なのよね?」
「あー?だからそうだったって言ってんだろ」
「なんで私は殺してはくれないの?」
「逆になんで俺がお前を殺してやらなきゃならねーんだよ」
「だって、つまらないのだもの」
「お前の事情なんか聞いてねぇんだよ」
「ねぇ、殺してみてよ」
「嫌だね。死にてぇんなら勝手に死ね」
「それじゃつまらないじゃない」
「お前はバカの一つ覚えみてぇにそれしか言わねぇな」
「だって、人生なんてただの暇つぶしでしょう?」
「あぁ?俺に哲学なんか投げてくんな。わかんねぇ」
「哲学じゃなく事実よ」
「はぁ?…ああ、そうかよ」
「ええ、そうよ」
「…暇つぶし、ねぇ。じゃあ、…お前もやってみるか?」
「?」
「…人殺し」
「…」
「…」
「…」
「あー、馬鹿なこと言っちまった。やめだやめ。お前今日は帰れ」
「明日もまた来るわ」
「来んな」
「来るわ。…人殺しの仕方、教えてね」
「…は?」
「じゃあね」
「…マジかよ」
ー…
「知ってるか?最近この町にも殺人鬼が現れたらしい」
「まあ!隣町がテリトリーじゃなかったの?」
「それが、隣町の殺人鬼とは凶器も殺し方も違うらしい」
「じゃあ別人の犯行?余計に怖いわ」
「頭がおかしい奴が増えたってことだからな」
「しばらく夜の外出は控えた方がいいわね」
「それがいい」
「…だって、ルーク」
「誰が頭がおかしい奴だ。今日のターゲットはアイツらだな」
「私も一緒にやる」
「おう。勝手にしろ」
「ねぇルーク」
「あ?」
「最高の暇つぶしをありがとう。大好き」
「…お前は大概頭おかしいな」
「うん」
「うんじゃねぇよ馬鹿。…俺も飽きずに俺のそばに居続けるお前は好きだよ」
「!…嬉しい」
「うるせぇ」




