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異世界より召喚する人員について【某国人員召喚教程3-1より抜粋】

◆異世界より召喚する人間の特性で望ましい者


・身寄りのない者

・コミュニティで孤立している者

・虚栄心が強い者


身寄りのない者においては召喚元への執着が他に比べ少なく、ホームシックなどに端を発する精神障害を起こしづらい。

コミュニティから孤立している者も上記と同じ理由であり、少数もしくは単独運用においては問題は少ないと考える。

虚栄心が強い者は、環境の変化により自己実現欲求を満たそうとするため、刺激を与えれば動向をある程度コントロールすることができる。



◆召喚してきた人間の運用法


1.ゲリラコマンドとしての運用

ゲリラコマンド(以下ゲリコマ要員)としての運用であるが、通常、我が国の常識に乏しく社会経験に欠ける被召喚者を単独及び少数で運用するのは著しく困難である。

しかし、報酬ならびに称号等を与えてゲリコマ要員としての知識の涵養(かんよう)ならびに、イデオロギーを転向させる精神教育を施すことで独立したユニットとして機能する。

一般に少数のユニットとして行動し我の勢力下より、敵後方へと深く浸透し破壊工作もしくは暗殺等を実施する。

戦闘能力の大なるによっては陽動作戦、殲滅戦を行えるため、反乱防止も兼ねて監視員において感化善導する。


2.工作員としての運用

ゲリコマ要員と異なり、戦闘能力のない者が主に対象となる。

農業従事者や商人、作家というような職業に就いて経済活動を行う一方で、我が国の富裕層に接触する。

そのため、国民(富裕層)の監視もしくは被召喚者の監視を重ねて実施する。

一部の被召喚者より農耕もしくは家内制手工業を行う郊外型生活「スローライフ」と呼ばれる価値観があると聴取。

諜者を送って情報収集拠点として運用することも可能であるとともに、被召喚者においては身元の前歴がほぼないため諸外国、反動分子による対抗諜報に関しても優位である。


3.後方支援及び技術顧問としての運用

極めてまれであるが、被召喚者が高度な技能を有している場合がある。そのような場合、技術顧問として重用すべきである。我が国の国益を増大させる源は産業であり、その前進に活用することは一騎当千の(つはもの)を得ることに勝る。


◆被召喚者を感化する方法


1.良心および正義感に訴えるもの

我が国の窮状であったり、個人の窮状などを訴えるなどして良心や正義感に訴えることで、自発的に行動してもらうものである。

被召喚者は若年の者が多く、正義感や良心に富んだ者も多いため“友好的”な協力関係が構築できる。

また、下記のような見目麗しい異性や庇護欲をそそらせるような子供を用いた手法と合わせると効果がある。


2.欲求の充足によるもの

金銭や安全な住居、身分の保証のほか異性に対する欲求などを満たし、その対価として協力関係を構築する。

被召喚者のうち、おおよそ半数がこちらである。特に十代後半の成人者は金銭や生活保障を訴える傾向にあり定住する意思を見せる。また、男子において見目麗しい婦女の効果は著しく、動向のコントロール等においても極めて有効なり。


3.強迫等によるもの

上記のような友好的手段を取れない場合、もしくは召喚直後より敵愾心に満ちた行動をとる場合に実施。

この場合、我が国に対して敵愾(てきがい)心を抱いているため反乱の危険が大きい。

友好的手段を取らずにこれを選択するのは下の下であり、人員獲得手段としては不適切である。

よほどの利益が無い場合、獲得はせず規定に則って処置すべきである。


◆被召喚者の行動報告の方法


1.連絡員によるもの

連絡員は不自然ではない商人、農夫、僧侶、浮浪者、娼婦といったあらゆる人間に擬装して監視を行いつぶさに報告を行う。


2.恋人・配偶者によるもの

諜者教育ならびに協力者過程を履修した者が配偶者や恋人となって対象に近接し定時連絡、もしくは即時連絡を行う。


3.諜者によるもの

対象の作った集団やあるいはユニットに所属し、近接し動向を監視する。

秘密裏に実施する場合と督戦要員を兼ねて派遣する場合があり、叛意がある場合に後者は督戦要員が買収もしくは欺瞞されないように注意すべし。


【人員召喚教程3-1より抜粋】



どうして異世界に召喚されるのが、引きこもりやら若年者、あるいは人付き合いのあまり無いおっさんなのか?メリットは?というのを考えてみたことがきっかけです。

続いて、国家規模のプロジェクトで召喚した場合「人呼んでハイ終わり」というわけにはいかないだろうと考えました。

“勇者”とか言って持ち上げたり、支度金を用意したりと受け入れ態勢みたいなのがあるという事は、そういった受け入れマニュアルや安全保障上、裏側(諜報機関向け)のマニュアルもあるだろうと。


よく、異世界召喚後にやけにフレンドリーな現地民がいたり、チョロいくらいのヒロイン?あるいはイケメン男子と出会うけれども本当に“偶然”なのか?、それとも出会ってから時々どこかに情報を伝えていないだろうか?

国家規模でのプロジェクトで異国の人間を呼んで、ハズレだったとして監視も無しに自由行動なんてさせるだろうか?

クラス転移モノとか、不遇職モノでハズレ枠に対して結構当たりが厳しいけれど、わざわざ叛意を持たせてどうするんだと。

拉致被害者が工作員養成所の指導員に使われていたとかあるように、別の用途で使わないんだろうか。

何人も呼んでるような場合、先に呼んだ者に教官やらせて文字やら体制を後続の“勇者”に教えるとかさせればいい。

指導係が同郷の人間ということで口が軽くなり、思いもしない情報が得られるかもしれないし。


ヒロイン「主人公さん、私の村を助けてください」

主人公「了解、君の為なら戦うよ!」


ヒロイン「我が国は存亡の危機にあります、平和と独立のため魔王を誅してください!」

主人公「そんなにヤバいのか、よし魔王ぶっ殺そう」


あとは男子に色仕掛け(ハニー・トラップ)は最高だな、効果は抜群だ!

ほとんどの場合、現地ヒロインの言いなりになると思う。


ここまで数十作品読んで思ったことなので、あるあるとか思った方は感想など頂ければ幸いです。



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― 新着の感想 ―
[良い点] なかなか面白い話でした。 [一言] 確かに何度も召喚を繰り返していたらマニュアル化されていそうですね。
[気になる点] 国が召喚者に対して扱いがおざなりなのは、 国が切羽詰まってるとか、独裁者がが考え無しとか、そういう体制が整っていない瓦解真っ最中の国とか、とにかく不安定な国家だから仕方ないんじゃね?と…
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