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どこにもなかった風景、経験しなかった思い出

タイムトラベル列車

作者: あめのにわ

ローカル線のターミナルに特急列車が着いた。

この列車はミステリーツアーであり、到着前にタイムトンネルを通過しているという設定であった。


「今頃、発駅には過去の同じ列車が到着しているはずです。タイムパラドックスが起こるので会うことはできません」


僕は車内アナウンスを聞きながら、なるほど、凝ったものだ、と感心した。

しかし、すぐに考え直した。たぶんアナウンスだけの演出なのだろう。実際に同型の列車を用意するような手の込んだことをする意味はない。

だいいち、乗客はどうするのだろう。過去の自分たちと同じ人間を同じ数だけ集めて、その列車に乗せるとでもいうのだろうか。とてもあり得ない。


もちろん、ミステリーツアーをすなおに楽しむならば、下手な勘ぐりは興ざめにしかならないものだ。

そう分かってはいるのだが、ついつい考えてしまう。

我ながら野暮だとは思うが、性分なので、いたしかたない。


同乗の乗客たちのほとんどは、ぞろりと降りて、めいめい観光に出かけた。

僕は何をするともなく車窓を眺めていた。


すると、左側の団体降車口に人が集まっている。

何かふるまいでもあるようで、賑わっている。


僕も少し行ってみたくなった。

停車時間は、まだ残っているだろうか。


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