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意識探偵  作者: 和泉茉樹
3/3

非情の行方 (3)

 夜になり、俺は再びチャイナ・ストリートの一角を訪れた。

 トマツは部屋で食事中で、俺も差し入れを持っていた。

「コーラか。アルコールをやらないハッカーは珍しい」

 肩をすくめる俺の前で、トマツはそう言って、コーラの栓を抜く。

「エハラ総合の情報は、裏が取れた。正真正銘の、裏情報だ」

「では、僕の依頼は受けていただけるんですね?」

 頷くと、ほっとトマツが息を吐く。

「トヅカのこと、調べましたか?」

 唐突な質問だったけれど、それは答えが分かりきった質問だった。

「依頼人を詮索する何でも屋は信用されない」

 俺の言葉に、小さくトマツが頷く。微苦笑の口元。

「でもあなたはするだろうと思いますが、違いますか」

「違わないようだね、残念ながら」

 破顔しつつ、そう答えていた。トマツも笑みを浮かべる。二人で瓶を傾ける。

「トヅカは中堅企業の幹部の娘だとわかっている。トマツ、あんたも知っているな?」

「ええ」

「そして彼女を利用して、エハラから情報を掠め取った。トヅカの親の所属する会社の母体が、エハラだ」

 トマツが頷く。話の重要さを無視するような、軽い頷き。

「そうですよ。理由はいろいろですが、とりあえず、エハラから情報を奪取すれば、僕のハッカーとしての腕前は何よりもはっきりとする。彼女の通信網を借りるという手で少し近道しましたが、実力は示せた。ただ、そのせいで彼女は親族連中からかなりの批判を受けたでしょう」

「批判で済むはずもないな。そうなると知っててやったんだろう?」

「当然」

 こいつは人でなしだが、しかしマインド・ハッカーとしては純粋すぎるほど純粋だ。

 情報を手に入れる、自分の力を示す。そのためならなんでも犠牲にする。どんな報復も受け入れる。

 もちろん、本物のマインド・ハッカーは、誰にも知られずに行動する。評価されるどころか、認知されない。全くの安全地帯に常に身を置く。

 しかしそれでは、透明人間も同じである。そこにいても、誰にも認識されない。いないのと同じ。

 ほとんど空気。

「トヅカと逃げるのか?」

 俺が聞くと、トマツは黙り込み、しばらく場は静まった。

 少しして、トマツが自分の考えを口にする。

「そりゃ無理だ」俺は思わず即答した。「何が何でも、やりすぎだ。トヅカのことを考えろ。それに、そもそも、お前の発想は前提が不確実だ。そんな展開が起こるのは確実じゃない」

「僕への対処は、任せます。無理は承知ですから。でも、トヅカの親類は、僕を許しませんし、トヅカのことも許さないでしょう。絶対に、彼らは行動を起こします」

「そりゃ、あまりに主観が強いだろう……」

 困惑を拭いきれない俺をよそに、トマツはいくつかの提案をして、俺は黙って聞いた。

 考えを巡らせているために、トマツの言葉が終わってからの沈黙は、先ほどよりもだいぶ長い。どうすれば良いのか、すぐには判断がつきかねた。

 何をどう利用していくのか、それを考える。自分を中心に、自分を隠すように、周囲を動かす必要がある。

「トマツ、その……」

 俺は、トマツを見る。彼は余裕のそぶり。

「生きたいとは思わないのか?」

 トヅカは、トマツと生きたい、と言った。そのことが頭にあったのだ。

 質問への返事は、あっさりと発せられた。

「トヅカが生きていれば、良いのです」

 まったく……。わからないな。

 俺はトマツと話をまとめ、部屋を出た。明日の早朝、カフェの一つでトマツとトヅカを対面させることはできそうだ。

 ただ、俺としては気が重い。嫌な展開だ。

 外へ出ると、メインが待っている。手には袋を提げている。

「何だ? それ」

「そこの店で」俺が出てきた店を指差す。「小籠包を買った。やるよ」

 袋を受け取り、二人で歩き始める。

「さすがに」メインが声をひそめる。意識には乗らないようにしているのがわかる。「凄腕だな、アスカは」

 俺は片手でメインの腕を軽く叩く。

「「魔術師」と呼ばれるだけのことはある」

「誰もそんな奴は知らないさ」

 二人で自転車の元に着き、走り出す。

 俺は明日の朝のことを考えていた。


 翌朝、目が覚めた時、俺はそれに気づいた。

 違和感の正体が分かったのだ。そうか、うっかりしていた。冷や汗が流れるのを感じつつ、即座に対処法を思い描き、実行する。意識が一瞬で高速で稼働して、それにより発見が勘違いではなく、事実だとわかる。

 思考は激しく巡り、走る。部屋にある警察の監視装置のことを忘れそうになり、慌てて、通信を偽装しようとし、前日に対処していたことに気づく。冷静になるように言い聞かせて、意識をさらに走らせる。

 この間、三十分近く、俺はただベッドに横になっていた。

 起き上がり、時計を見るともう待ち合わせの時間になりそうで、慌てて身支度を整える。それでもサッとシャワーを浴びたので、髪の毛が生乾きのままになるが、仕方ない。

 背広の上着をひっつかみ、ドアを肩で開けるようにして通路に出て、上着を小走りで着る。ネクタイを締める間もなく外に出て、道を走りながらネクタイを結ぶ。

 待ち合わせのカフェに到着したのは、ほぼ時間通りだった。かなり本気で走ったが、運動不足がたたって、ひどく疲れた。息も上がっている。全く、肉体労働は好きじゃないんだ。

 すでに依頼人、トヅカは待っている。トマツはいないようだ。

「すみません、遅くなりました」

 席は屋外の席。朝日と呼べる光が差し込んでいる。気温はちょうど良いはずだが、俺は走った関係で体が熱い、汗が流れる。

「トマツは来るのですか?」

 トヅカの言葉に、「おそらく」と俺は応じる。もうビジネスか。一休みしたい気分。

「心変わりしなければ、来るでしょう」

 俺はそんなことはないと知っているが、そう応じておいた。

 店員がやってきたので、俺はチキンのサンドイッチとカフェオレを頼む。カフェオレはアイスにした。トヅカの方は、すでに飲み物を頼んでいて、テーブルにカップがある。

 しばらくの無言の後、通りを歩いてくる一人の男に自然、俺とトヅカの視線は向いた。

 トマツだった。彼はゆっくりと歩いてくる。堂々と、背筋を伸ばして。

 テーブルにやってきたトマツが、席の一つに座る。さて、二人が何を話すのか。

 ただ、二人とも何も言わなかった。黙っている。

「悪かった」

 トマツが前触れもなく、そう言った。

 そしてその頭が爆ぜ、消滅する。

 湿っぽい音の中、俺はトヅカを押し倒し、伏せる。連続する銃声は着弾と同時だった。速射された無数の弾丸が、トマツの頭を粉砕したのだ。

 攻撃、狙撃だ。

 俺を押しのけるようにして、トヅカが身を起こそうとする。声は出ない、喘ぐだけ。

 待っていたかのようにサイレンが鳴り響き、俺はトヅカをその場に押し留めた。

 視界の隅に広がっていく赤い水たまり。

 トマツは死んだ。間違いなく。

 俺の視界に映像が一瞬、映る。それはカフェの席で頭を吹き飛ばされているトマツの体と、伏せている俺とトヅカを俯瞰で見ている映像。視線が移動し、手元を見る。狙撃銃。転がる複数の薬莢。映像はすぐに搔き消える。

 計画通り、って奴。

 他に感想はない。


 俺とトヅカを連行した私警はセキハラ科学治安警察だった。

 例の初老の警官が、俺を取り調べる。

「人間による狙撃だよ、今時、珍しいな」警官が言う。「事前に複数のタレコミがあってな、暗殺者が潜んでいる場所は分かっていた。俺たちは張っていたんだよ。そしたら話の通りに、暗殺者は現れた」

「え?」ちょっとわざとらしいかな。「なら、そっちは現場に俺がいるのは知っていたんですか? なら教えてくれれば逃げたし、逃がしたのに」

「そんなことしたら、俺も情報漏洩でお縄だよ。残念ながら、俺たちは警察でも、正義とか呼ばれるものを唯一の指標として標榜していない。利益になる行動しかとらないのさ、公共の利益ではなく、会社の利益だな」

 それは残念。思わず笑いそうになってしまう。

「で、暗殺者を泳がせて、実際に殺人は起こったわけですね」

「そうなるな。即座に確保した。ただ、その人間は操られていたとわかった。意識を通じて心識を乗っ取られていて、操られていた」

「じゃあ、本体は逃した?」

「タレコミの一つが、この哀れなお人形の操り主の情報に触れていて、そっちも動いていたのさ。意識に関しての特別班が対応して、即座に意識の通信を暴き、確保したよ。マインド・クラッカーだった。重犯罪だな」

 へぇ。思わず目を丸くする。マインド・クラッカーは重犯罪者だが、相当な技量を持つため、大抵は警察に捕まるようなヘマはしないものだ。

 俺の感覚では、トマツに話した通り、マインド・ハッカーは空気みたいなものだが、マインド・クラッカーはもっと自然に、意識させず、感知できない。

「そのクラッカー、有名どころ?」

「売り出し中、って感じだ。これでもう、おじゃんだが。もう二度と自由に行動はできないな」

 警官はしばらく俺に質問したが、答えられることは少ない。トマツの事情も、身元は話せても、他は話せないことが多い。トマツとトヅカの関係を修復させるために動いていた、と誤魔化すしかない。

 まぁ、大筋では間違っていない。

 俺の供述に不愉快そうになってきた刑事が、こちらへ身を乗り出した時、部屋のドアがノックされ、開く。若い警官が立っている。

「釈放です」

 突然の言葉に、刑事が不快感を示すが、無視する。

「おたくは犯罪者を二人捕まえたんだから」俺は柔らかい視線をイメージ。「六企業からこの私警に報奨金がだいぶ出るでしょう? それで良しとしましょうよ」

「お前の罪を暴けば、もっと稼げるんだぜ」

「肯定も否定もできないですけど、強欲は罪らしい。昔の誰かの認識ですが。知ってます?」

 俺は席を立ち、

「では、これで」

 と、部屋を出た。

 鋭すぎる視線を背中に感じたが、無視。

 あぁ、今回も警察のコーヒーという奴を飲み損ねたな。


 警察の詰所の外に出ると、車が停車している。側面に社名が入っている。

「こちらへ」

 ドアを開けた男が俺を招くので、中に入った。そこにはすでにハゲ頭のトーヨウ電子の部長が座っている。部下はいないようだ。

 向かい合わせに座る。ドアが閉められ、少しすると車が走り出す。

「きみへの追及に意欲満々だったな、警察は」

「そうでしょうね。連中は存外に強欲です」

「それで、警察を黙らせた見返りは? 相応のネタがあるのだろう? そういう話だから、私警に圧力をかけたんだ。失望させないで欲しいな、お互いのために」

 横柄に言われるのは気にくわないが、まぁ、受け入れよう。助けてもらった身だしな。

 俺はトマツから預かっていたデータカードを渡す。ハゲ頭はそれを確認し、少し目を見開く。黙り込んで、情報を確認しているようだった。そして鷹揚に頷いた。

「ふむ、なかなか、これは」部長がいやらしい笑みを浮かべる。「価値がある。感謝しよう」

「こちらこそ、ですよ」

 車が停車する。部長がこちらに手を差し出す。握手なんてしたくないが、無視もできない。

「きみのような人材と繋がりを持てることは我が社にとって大きな利益となる。我々も、きみに利益をもたらせるように努力しよう。これからもよろしく」

 俺が手を握り返すと、扉が開けられた。

「また頼むよ」

 車を出た俺の背中に投げかけられた言葉に手を上げて応じつつ、俺は車を離れる。車は俺が部屋を取っているホテルの前で止まっていて、俺はまっすぐにホテルに向かう。走り去る車を見送りもせずにホテルに入ると、メインがロビーで待っていた。

「早かったな」

 メインに頷き返す。

「トーヨウのハゲ頭がせっかちなんだ」

 二人で俺の部屋に移動する。椅子に腰掛けて、息を吐く。背広の上着を脱いで、ベッドに放る。ネクタイを緩めて、少し気が楽になった。

「それで、一体どうなった?」

 開口一番、メインが尋ねてくる。

「どうしてトマツが殺される? 誰の陰謀だ? 警察は?」

「それは」

 一つしかない答えを言おうとしたまさにその時、部屋のベルが鳴った。俺はメインを残して、ドアを開ける。

 そこにはトヅカが立っていた。土気色の顔、瞳には怒りの劫火。

「これで終わりです」

 脈絡のない言葉と同時に、彼女の手が持ち上がり、反射的にその手を見た俺は、何かが握られていると認識。

 その手に握られたものがスイッチだと気付き、それが親指で押し込まれるのがはっきり見えた。

 轟音が響き、建物が揺れる。

 目を閉じていたトヅカが、恐る恐る、瞼を持ち上げた。俺は顔をしかめる。

「悪いが、終わらないようだ」

 トヅカが、ぺたりと床にしゃがみ込み、少しの間を置いて泣き出した。

 その慟哭を構成する、悲しみ、怒り、憎しみ、恨み、そして愛情は、意識で繋がっていない状態でも、はっきりと感じられた。


 教えてもらおうか、とメインが迫ってくる。

「トマツはトヅカを利用して企業の情報を盗んだ。トヅカはそれでもトマツを選んだが、トヅカの親類はそういうわけにはいかない。自分たちが危ないからな。トヅカは家を出て、トマツを追い、そのままどこかに消える予定だった」

「誰がトマツを殺した?」

「俺だ」

 メインが目を丸くする。

「それがトマツの依頼だった。トマツが死ねば、トヅカも元の世界、陽の光の下に戻れる、というんだ。俺はそれを受け入れて、手段を探った。だけどその手段は無意味になった。寸前で、俺を狙っているマインド・クラッカーに俺は気付けたからだ。そのマインド・クラッカーを利用して、俺はトマツを消した。マインド・クラッカーは第三者を乗っ取って、俺を撃たせるつもりだった。それを俺は割り込んで乗っ取り、俺の代わりにトマツを撃たせた。マインド・クラッカーも驚いただろうな」

 沈黙するメインに、俺は続ける。

「もちろん、トマツとトヅカと一緒にいる俺が無関係と思われるわけもないから、警察に連れて行かれるのは決定事項。それを想定して、自分を殺させる報酬としてトマツが俺に寄越していた、警察から逃がすための情報があったんだ。それを使って、俺はこうして釈放されたわけだ」

 メインが唸る。

「それで、さっきの爆発は?」

 ついさっきの爆発の後、警察にトヅカは連行されていった。そのうち俺にも追及が来るだろうが、対策は打ってある。

「あの爆発は、トヅカの親類が、トマツとトヅカを爆殺するために用意した爆薬での爆破だ。トヅカは身内に殺されるところだった。それに気づいたトヅカが爆薬の実物と制御を奪い、自分とトマツを殺そうとした親類と、ついでに役立たずの俺を逆に爆殺しようとしてたんだよ。この部屋を爆破したついでに自分も死のうとしたがね。もちろん、俺は木っ端微塵になりたくはないから、細工して、トヅカの親類だけ爆破させた。爆薬は出どころを知っていたから、誰の手に渡ったか、どこにあるか、常に考えて、知っていた」

「待て待て。トヅカの親類が、トマツはともかく、どうしてトヅカを爆殺する?」

 俺は首を振る。

「トヅカは家よりもトマツを選んだ。トヅカの親類からすれば、それはあまりに大きな裏切りだし、自分の会社やその上の企業にどうやっても言い訳が出来ない。なら、二人を消し飛ばせば、少しは楽になるだろ」

「それはあんまりじゃないか? トヅカの家もだが、お前も、もっと平和裡に、全てを収められたはずだ。違うか?」

「しかし、爆破されて死ぬわけにもいかん。それとも、トヅカも殺すべきだったか?」

 そういうわけでは、と口をモゴモゴさせるメイン。

「見解はいくつもあるし、どれを選ぶのも自由だ。俺はトマツを選んだ。トマツはトヅカを生かすために自分の命を差し出す、と決めた。なら俺はそれを守るのみだ。結果、トヅカは生き残り、最低限の目的は果たした。トヅカにとってそれが幸せかは知らないがね」

 メインが椅子にもたれかかる。

「後味が悪いな」

「後味? 前も後もないさ。すぐに忘れるし、忘れるべきだ、そんな感傷はな」

 俺は冷蔵庫に向かい、コーラの瓶を取り出した。そろそろ部屋を移る頃合いだろう。栓を抜いて、一口飲む。よく冷えている。

 そういえば、朝食を食べていない。コーラを飲んだ途端、空腹が押し寄せる。自分のタフさをこういうときに感じる。

「部屋を変える頃だな」

 同じことを考えていたらしいメインの言葉に、あぁ、と応じる。

「そういえば、カジノ強盗が成功していた、と意識の共有領域で言われているぞ。少なくない金額の被害が出ている。そこらじゅうが大騒ぎだ」

 メインにそう言われて、思わず笑ってしまう。

「そうだな。俺にやらせればこんなもんだ。一人でやったから、山分けの必要もない。連中は良い隠れ蓑になってくれた」

 俺とメインが笑みを交わす。

「まさか、狙われた直後のカジノを再襲撃するとは」

 首を振るメインに、俺はニヤッと笑う。

 そう、俺は一度は強盗を退けたナイトフッドを意識面で攻略し、売り上げの一部を掠め取っている。念のために強盗団の第二波を装い、欺瞞の痕跡も残してある。疑いは俺には全くかかってない。失敗した強盗グループの一部が追及されるように、俺が操作した通りに進んでいる現状を自動の監視システムが伝えてきている。

「奪った金はどうする? ロンダリングするのか?」

「いや、あまり素直にロンダリングするのは危ないだろうな、私警が動いているし。手に入れた金は、俺の中の情報錠を暴くために使う」

 コーラを一口。

「使うと言っても、支払うわけじゃない。俺が金を手に入れたことを連中に示し、俺が本気になれば企業からの追及からも逃げ切れる、かもしれない、と思わせる。そうなれば、連中としては俺の助けを乞うしかないし、助かるには俺が強盗計画の重要な部分を知らないんじゃ非合理的だ。自然じゃない。つまり、自分たちの逃亡を助けてもらう代わりに、奴らは自然と俺の中の情報錠を開けざるを得ないのさ」

 メインがニヤリと笑う。

「どこまでも不愉快な奴だな」

「残念ながら、そういう性根でね」

 俺はコーラを飲み干す。警察で時間を取られたが、まだ昼間だ。

「さて、じゃ、行こうか。こっちは朝食を食べ損ねてるんだ、何か食べに行こうぜ」

 コーラの瓶を俺は冷蔵庫の上に並べた。



(了)




読んでいただき、ありがとうございます。

この短編は、「企業警察」を書くだいぶ前に書いていたのを、

すっかり忘れていたものです。

たまたまパソコンの中で発見されたので、どこの公募にも送れそうもないので、ここにアップします。

習作として捉えていただけるとありがたいです。


次の掲載は未定ですが、また何かを上げたいと思います。

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