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鬼畜陛下の愛され侍女  作者: 瑜月
19/25

18・混乱の朝

おはようございます。

キャロルです。

私の名前はキャロル・オーリンズです。


うん、間違いない。


窓の外から差し込む朝の日差しは柔らかで、清々しい朝の空気に包まれている。


しかしである。


でも、この状況はなんなの〜!?


目を覚ました私の前には陛下の御尊顔。

しかもドアップ。

陛下の腕は私の枕と化し、反対の腕はしっかりと私の腰を抱いている。

しかもハダカ。

下腹部に感じるアレはアレだよね。


なんで? なんで陛下の寝室で陛下に抱きしめられて寝てるの!?


…何がどーしてこーなった!?


とりあえず、陛下の腕から抜け出そう。

そーっと体を動かす。


と、逆に私を抱きしめる腕は力を増す。


むぅ。


ガサゴソと体を動かすが、なかなか抜け出せない。


「ぷっ」


吹き出す音にそちらを見れば、パッチリ目をあけた陛下のお顔。悲鳴をあげなかった私を褒めて欲しい。


「おはよう、キャロル。よく眠れた?」


腰から手を離した陛下は固まる私の髪を一房取ると口づける。


ひぃぃぃぃ


朝からなんなの、どうしろと?


「どうしたのキャロル? 体調悪い?」

自然な流れで陛下は軽いパニックに陥っている私の前髪を搔き上げる。


と。


チュ


でででデコチューですよ!

ひぃぃぃぃいぃぃぃぃ


「うん、熱は無いようだね 。良かった」

そう言って笑みを浮かべ陛下はまた私を抱き寄せる。


ひぃぃひぃぃひぃぃぃぃ


目の前には陛下の首筋、頭頂部に感じる陛下の熱。

アレもさっきより絶対大きくなってるーーー(涙)


「ねぇキャロル、私は今までに感じた事がないくらいの幸せを感じています。毎日こんな朝を迎えたいと思っているのですが、キャロルはどう思いますか?」


囁かれた内容を理解しようとして頭を回す。

毎日?

こんな朝?

こんな朝??


こんな…あ…さ…??


やばい!

色々ヤバイがヤバすぎる!

陛下の朝のお世話に誰か来ちゃう!


がばっ。と飛び起きる。

文字通り飛んだと思う。


「可愛い下着だね」

にこにこ笑う陛下の言葉に、私は今の姿を確認する。


ひぃぃぃぃ! 下着しか着てない〜〜(涙二回目)


え、あ、やっ。

またもやパニックに陥る私に陛下はふわりとガウンをかけてくれる。

「だけど私以外の人には見せないで欲しいな」


って言うあなたは真っ裸ですから!


急いで服を探せばソファのそばにメイド服が脱ぎ捨てられている。


私が取りに行こうと立ち上がった瞬間。


「陛下、おはようございます。ジゼルでございます」

ノックの音と共に開けられた扉。

そこに現れたのは陛下付きの先輩侍女、ジゼル・ルサールさんとマリー・テンリーさん。


「あら、まぁ」

「へ?」

ジゼルさんとマリーさんは目を見開く。


詰んだ。


にこにこ笑顔の陛下、きょとんとした顔のマリーさん、微笑みをたたえたジゼルさん。


そして、

真っ白な灰と化した私。


カオスな朝はやってきた。

お読みいただき、ありがとうございます!

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