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鬼畜陛下の愛され侍女  作者: 瑜月
17/25

16・私の侍女

と、まぁ紆余曲折あってようやくキャロルを私付きの侍女にすることができたのだが、それからが上手くない。キャロルが後宮より男の多い場所に移ったせいでひっきりなしに見合いの話が来ていると宰相がボヤいていたし、キャロルが口説かれている様子を見つけるたびにオーリンズ騎士団長は粛清しているらしい(具体的に何をしているかはあえて聞いていない)。


うーむ。後宮で母のそばにいた方が安全だったのかもしれない。

まぁ、やってしまったことはしょうがないが。


それにしてもキャロルが私付きの侍女になってからというもの幸せで仕方がない。

なんと言っても朝から起こしてもらえるのだ。

昔から朝は得意ではないが今ではキャロルが起こしに来るまで意地でも寝ている。

もちろん裸で。

初めて彼女が私を起こしに来た時、なかなか起きれなかった私に対し彼女はあろうことか布団をひっぺがすという言う暴挙に出た。

そして当然のことながら彼女は私の裸を見た。

パンツ1枚はいていない、文字通りの全裸である。

そして当然のことながら朝の生理現象が起こっている。


「……~~~っっっ!」


彼女の人生初めて男のモノを目にしたであろう彼女は、顔を真っ赤にし声にならない声を上げた。

ここで叫び声をあげなかったのはさすが公爵家の令嬢と言うところか、もしくは本当に声が出なかったのか。


いずれにせよ目を大きく見開いて真っ赤になっている彼女を見て私の息子がその質量をましたのは言うまでもない。


ちなみに他の侍女はこんな反応をしない。

現在私付きの侍女はキャロルを含めて4名いるが、うち2人は子供の頃から面倒見てくれている2人だ。元騎士団長の妻と侍医の妻。

この2人にかかると私の息子は「まぁまぁ朝からお元気ね~」位にあしらわれ、逆に委縮してしまう。

もっともこの2人は基本通いなので私を起こす事はほぼない。

キャロルが来るまで私を起こしていたのは前任の男爵夫人ともう1人、いろんな意味で厄介でめんどくさくて便利な侍女だ。


名前をマリー・テンリーという。


名前から推測できる通り、筆頭秘書官ジャミール・テンリーの姉である。

あの切れ者で使えるジャミールの姉は、弟同様に使える…ことも多いのだがとても残念なことに脳筋なのだ。

幼い頃よりなぜか剣術や戦術を好み、挙句周りの反対を押し切って騎士団に入隊。持ち前の運動神経を持ってあっという間に第4部隊の小隊長となっていた。

第4部隊は主に王宮内の警備を担当する。女性の要人を警備する事も多いため、この第4部隊にはもともと女性が多く配属される。

残念脳筋公爵令嬢マリーは騎士としての腕を買われ私の警護につくことになったのだが、テンリー公爵からどうしてもと願われ、公爵令嬢としての行儀見習いも兼ねることになり、結果侍女として働いている。


ちなみにこの脳筋公爵令嬢マリーに朝、私の息子が遭遇すると顔色ひとつ変えず「元気なのは何より、溜まっているようでしたら一緒に鍛錬をしましょう!」と朝から訓練に駆り出される。

長年の騎士団の生活でよくも悪くも男の裸も下ネタも慣れきっている。将来を心配した公爵が彼女に行儀見習いをさせたがるのはもっともである。多分に手遅れの感はあるが。


このマリーとキャロルは歳が近いせいもあり実に仲が良い。キャロルの実兄が騎士団長と言うのも大きいのかもしれないし、キャロル自身優れた剣の使い手であることも大きいのかもしれないが。

テンリー公爵に至っては淑女としてのマナーが完璧でもあるキャロルと一緒に過ごすことにより、マリーの言動が少しでも淑女に近づいてくれるよう藁にもすがる気持ちで2人を見ているようだ。

ちなみに弟のジャミールは人には向き不向きがあると既に何かを諦めているようた。


大きく話がそれたが要するに私のモノを見て恥ずかしがるキャロルは異常に可愛かったのだ。

無論それだけではない。

風呂には1人で入る私だが風呂から上がれば自分たちが体を拭き、最低限の手入れをしてくれる。

そう、彼女(達)が跪いて私の足や何やこれやを拭いてくれるわけだ。

今までは何とも思わなかったこの行為が実に良い。良いのだが息子氏にとっては苦しくもある。

跪いて私の足を拭いている彼女の頭を押さえ込み、あんなことやこんなことをさせたいしたい、と思ってしまうのは健全な男子としては致し方なかろう。

ただ他の侍女もいるから間違ってもそんなことできない。

いや、いなきゃやると言う意味でもない。

そこは紳士らしく我慢する。

嫌がる彼女に無理矢理やっても嫌われてしまう。それではここまで我慢してきた意味がない。いや確かに無理矢理と言うシチュエーションも…ゴニョゴニョ。


ま、とにかく理性だ。理性大事。


今までの人生、こんなに理性が試される日々を過ごすことがあっただろうか。そしてこの理性を試される日々はいつまで続くんだろうか。


そんなことを考えため息が出てしまうこともあるが、それでもキャロルが侍女になってからというもの、はっきりって私の人生はバラ色だ。今までのこんなに幸せな日々があっただろうか。


そして私は早く寝る。明日もキャロルが起こしに来る前に起きて狸寝入りをし、息子氏と対面し、頬を染める彼女を薄目を開けてしっかりと見なければならないのだから。



お読みいただきありがとうございます。


最早何も言うまい、陛下よ…。


すみません、諸般の事情により、少し更新の間が空いてしまいます。

気長にお待ちいただけると嬉しいです。

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