14話
吸血王側ーーー
僕はゲームが現実になってからすぐにギルドのみんなと話し合ってこれからの方針を決めた。こういう時に一人になるよりみんながいるから心強くて良かった。
話し合った結果、僕は妖精王のシューマンさんと一緒に南の大陸に来ていた。
「いやぁ本当に現実になってしまったんだね。やっぱり気分が高揚してるよ。」
シューマンさんが太陽をまぶしそうに見ながら言った。
「はい、僕もかなり楽しみですよ。ギルド長がいうにはゲームと殆ど変わってないそうですし。」
「じゃ、とりあえず二手に分かれて情報収集する?」
「そうですね」
「よし、私は東の方から行ってみるよ。」
「では僕は西側から行きますね。」
「それじゃ、一週間後にここで」
「はい、また一週間後に」
僕はシューマンさんと別れると眷族を召喚する。すると禍々しい魔法陣から黒い異形の馬が出てくる。僕はそれに跨ると走らせる。ゲームと同じで良かった。この眷族は移動にとても使えるのだ。餌は要らないし、移動スピードは確か普通の馬の100倍だったはずだ。
のんびりしている間に早速街が見えてきた。僕は馬のスピードを落とすと門番に街に入りたいと伝えた。
だが門番は青ざめた顔をしてガタガタと震えているだけだ。それに少しアンモニアの匂いが鼻腔をくすぐる。
何をそんなに怯える事があるのだろうか。確かに馬の姿は普通では無いけどそれ以外は一般人だと思う。僕は原因を考えるが全くわからない。
すると門の方から一人の老人がやってくる。だがこの老人は見かけ通りでは無い。明らかに他とは違う内に秘める力があった。僕は警戒してしていると老人がゆっくりと口を開く。
「もし、旅のお方そんなむやみに威圧をかけるのはやめていただいてもよろしいでしょうか。あなたほどの力のある方が威圧をされると周りへの影響が甚大ですので。」
そうか威圧のスキルをONにしっぱなしだった。あくまでここは現実街へ戻っても威圧の効果はあるのだ。
僕はすぐに威圧のスキルをOFFにする。
「旅のお方よろしければわしの家へどうかな?」
「ではお世話になるよ。」
「では早速参りましょう。」
自分のもう一つの作品の『機械王子の冒険譚』もよろしくお願いします。
感想も是非