1話
大人気超大型VRMMORPG『オリュンポス』
このゲームの最大の特徴が自由度はもちろん
とにかく広大なワールドでその広さは、地球半分くらいという当時の技術に革命を起こした、とも言われるほどの事で世界中で注目された。
そして発売から9年経った今でも次々と新要素が出るほどの人気のある作品だ。
またこのゲームの特徴的なのが、プレイヤーがなる事が出来る種族は初期だけでモンスターなどを合わせて100種類は余裕で越えるのだが、キャラメイクの際種族は自分で選べることは出来ずランダムに決まるという事だ。
これに関してネットでは、よりリアルに近くて良い、選ばれる時のドキドキ感が良い、などの賛成的な意見や、種族ぐらい自分で選びたいなどの否定的な意見に分かれた。
だがキャラの見た目などは幅広く設定でき、
その気になれば他種族に見せることも出来た。
それにキャラの初期ステータスはほとんど変わらないしスキルなども自由に取ることが出来たのでそこまで問題は無かった。
ただ、モンスターや人間以外の人族は進化することもでき、それは初期の種族の派生になった。進化とはより上位の存在に昇華し、強くなると言う事、と運営のサイトに載っている。簡単に言うと、ステータスの大幅な上昇及び特殊スキルの取得が可能になると言うものだ。だがこれでは人間は可哀想だ、と思うかもしれないが人間は進化ができない分他の種族よりステータスの上昇やレベルの上昇が早く、最終的には同じような強さになるという絶妙なバランスがとられていた。
ちなみにレベルには上限は無くやればやるほど強くなるという仕組みだった。
だが当然上がれば上がるほど必要になってくる経験値は多くなるわけであって実際は高い人でも今の所2000ぐらいが限界である。
そんな中俺は当たりとも言われていた中の一つの小天使になる事が出来た。
そして寝る間も惜しみやりにやりこんで、進化を重ね、遂に念願の<堕天使>になる事が出来た。堕天使とは最上級種族の一つでありその中でも最強とされる部類だった。さらに堕天使になる為には様々な条件が必要となる為、俺が初めての堕天使になる事が出来た。
さらに俺はせっかく堕天使になったのだからと中二臭い装備を集めた。
そしてその途中に何らかの条件を満たしたのか突然進化しシークレット種族<堕天王>になった今の俺の見た目は黒を基調としたコートに天使の翼を真っ黒に染め上げたかのような3対の翼にこの世界の何よりも真っ白な髪のイケメンだ。
それからさらに悪を極めるべくイベント限定の特殊職業【大魔王】を手に入れこのゲームでトッププレイヤーと言われるまでになった。
そしてそんな俺が今いるのは職業【大魔王】によって作成された、大魔王城アルズヘイン
にいた。なぜならここが世界最強ギルド
“始まりの始まり《ウーラノイス》”
の本拠地なのだから。
ギルドというのはプレイヤーやNPCの集まりの事で様々な機能がある。
そして今俺達が話しているのはその機能の一つのギルド対抗戦だ。複数のギルドがそれぞれ戦いポイント制で順位を決めると言ったものだ。さらにはその順位によって報酬が貰えたりする。
そして我がギルドはその対抗戦で出ている時は毎回1位取るという記録をたたき出している。ただし我がギルドのプレイヤーは五人しかいない。なぜならこのギルドに入る為には最低でもシークレット種族になっていないと入る事が出来ない。その分個々人の力が強く
大抵の他ギルドメンバー相手では太刀打ち出来ないのだ。
「どうします?」
今発言した人はヴァルハラさんで種族が始祖ヴァンパイアだ。
「やっぱいつものガンガン行きましょうスタイルですかねぇ。」
次に発言したこの人はシューマンさんで種族は始祖エルフだ。
「いや〜、もっと計画練りません?」
この人はペテルブルクさんで種族が大悪魔で職業が【魔王】という俺と気が合う人だ。
「…」
そしてさっきから黙っているこの人は摩天楼さんで種族が地獄王だ。
そして俺という五人構成のギルドだ。
プレイヤーが5人と言うだけでギルド専属NPCは沢山いる。
そして俺がギルド長としていつも通りまとめようと立ち上がると突然視界が暗くなったかと思うとすぐに戻った。
俺はこの現象に戸惑っていると、どうやら周りのみんなも同じ事が起きたようで戸惑っていた。
なんでもいいので感想をください