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第1話 夢はかなったはずだった

 



 僕には夢があった。自分の翼で世界を旅してみたいと。


 鳥のように空を自由に飛べたらどんなに楽しいだろうか?

 人間は空を飛べないのか? 


 不可能を可能にするそれこそが人類の良い所だと思う。


 その試作機がコイツだ。

 僕が6年かけて発明した人工の翼。名付けて『バタフライ1号』


 結果を知りたいって? 



 僕は今空を飛んでいる。

 実験は成功したんだ。って言いたいんだけどさ……



 もう人じゃないんだ。


 おまけに鳥でもない。




 黒い翼に短い脚と大きな耳の付いた……そう。

 コウモリなんだよね。



 空を飛びたいとは言ったけどまさか実験に失敗してコウモリに転生するとか運が良いのか悪いのか。

 だが、僕はかつての悲願を達成することができたんだ。



「早く外に出たーーーーい!」




 ◇◆◇◆◇




 暗闇の洞窟をパタパタと飛んでいる毎日。

 最初は楽しかったんだよ。


 でもさ、車の免許と一緒。

 免許取り立ての頃は楽しいんだけど、慣れるとめんどくさくなるの。

 飛ぶのも滑空じゃなくてずっと翼動かさなきゃだから結構疲れるんだよね。



 外に出てリアルバッ〇マンなんて呼ばれたいけど周りから見たらただのコウモリだから意味ないか……


 洞窟探検も結構終わりが見えて来てさ、この洞窟に出口がないことを最近知って絶望しているんだけどまあコウモリ生活も悪くないんだよね。


 今日はそんな僕のコウモリとしての生活を教えましょう。


 この洞窟結構広くて割と生物がいっぱいいるんだよ。



 生物って言うかモンスターなんだけどさ。

 現世の生き物とは比べられないほど強くてそこらにいるスライムとかも結構強いの。


 この洞窟で一番おいしかったのは蛇に似たモンスターで肉身があって割といける。

 生きるのも楽じゃないんだよねこの洞窟。



 ここが寝床です。

 まあ、ぶら下がるだけなんだけど。寝れればOK。



 外出たい!



 そのためにも経験値を集めなくては……


 この世界に来て分かったこととしてレベルというシステムがあることだ。

 経験値が溜まるとレベルが上がりスキルが手に入る。現在のレベルは2。

 獲得したスキルは開眼で、目が見えるようになるスキル。

 コウモリって目が悪いからこのスキルはかなり重宝している。


 ちなみにレベルが上がると進化できるらしく吸血鬼に進化して人型になるのが当分の目標と言った所。

 さすがにコウモリの姿は疲れるし、横になって寝たい。



「チュウーー」

 大きな耳が獲物の鳴き声に反応する。

 さて、勝負といこうか。


 声の正体はネズミ、もといデカネズミ。前世のネズミの10倍はある犬みたいなネズミ。

 問題はどう仕留めるか。


 常備されているスキルは超音波だけ。攻撃スキルなど持ち合わせていない。


 ここは古来からの戦い方で行きますか!

 俺はデカネズミを罠まで誘い込む。罠というのは落とし穴のことでそのに獲物が落ちれば落石でお陀仏ってわけ。簡単でしょ?


『経験値が溜まりました。レベル3になります。スキルを選択してください。』


 沢山あるスキルの中から今回は攻撃スキルを選択する。

 流石に落とし穴がこう何回も上手く行くとは限らないからだ。


 なんか騒がしいな……


 急に洞窟の奥の方が騒がしくなる。

 小さいモンスターたちが逃げまどいなにか恐ろしいものが近づいてきている気がする。




「ドラゴンだ……」

 気づいた時には既に遅く俺はドラゴンと鉢合わせしてしまう。


 終わった俺のコウモリライフ……












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