第96話
頭領と、戦闘員は、いつでも小料理屋に到着した。
頭領がドアを開けると「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます。」と丁寧に言い、迎い入れたのは、なんと腰痛だと思った敏郎だった。
頭領と戦闘員は、啞然とした。
頭領と戦闘員を席に案内した敏郎は「お越しいただきありがとうございます。今日は何にいたしますか?」と笑顔で、丁寧に尋ねて、一礼までできた。
あっけにとられている頭領は「あっ・・・。えーと・・・。ビールと焼き餃子をお願いします。」と、ぎこちなく言って、注文した。
敏郎は「ありがとうございます。何か他に、ご注文ございますか?」と丁寧に尋ねた。
頭領は「あ・・・。はい・・・。また後で、お願いします・・・。」と、またしても、ぎこちなく答えた。
敏郎は「ありがとうございます。では、失礼いたします。」と言って、腰を曲げて、深々と頭を下げた。
これには、頭領と戦闘員は、度肝を抜かれた。
テーブル席で、頭領と戦闘員は、しばらく、敏郎の動作を姑根性のように、あらを探すように、逐一観察した。
敏郎は頭を下げても、普通にスムーズに行動していた。頭領と戦闘員は、敏郎の腰を見た。しかし、腰には、痛みもなさそうだった。なんの負担もなさそうだった。
頭領と戦闘員は、あっけにとられていた。まるで狐につままれたようだった。




