第93話
敏郎は、フランケンシュタイン怪人に大事なゲートボールのスティック2本を折られて、怒りに燃えていた。
この、有り様を見て、さすがのフランケンシュタイン怪人も、少し、後ずさりをして、警戒した。
敏郎は、フランケンシュタイン怪人に走り寄り、左右の拳で、ストレートのパンチを何発も、フランケンシュタイン怪人の胸に打ち込んだ。フランケンシュタイン怪人は、敏郎の攻撃に対して、両手で、防御するのがやっとの状態だった。
フランケンシュタイン怪人は、パンチの連打を浴びせられ、状態を崩した。そこに、敏郎は、次に、回し蹴りをフランケンシュタイン怪人の胸に、ヒットさせた。
健は、敏郎の戦いを見て、キックボクシングの試合のように思った。ものすごい気迫だった。健たちは、すっかり観客になっていた。
健は「敏郎さーん!いいぞー!やれやれー!」と応援した。
阿蘭も「敏郎さん、やっちまえー!」
敏郎は、健たちに応援されているので、軽く右手を挙げて、その応援に応えた。
フランケンシュタイン怪人は、めげずに、戦おうとした。
そのフランケンシュタイン怪人に、敏郎は、次に、右ミドルキック、左ミドルキックの連打をお見舞いして、フランケンシュタイン怪人は、その攻撃で大きく崩れて、“ドシーーーーーン”という、かなり大きな音で、その場に倒れた。かなりの地響きだった。
倒れた瞬間から、フランケンシュタイン怪人の体から、ボルトやネジが飛び散った。
それを見て、頭領は「ヒエーーーーー!!!!!」と悲鳴をあげた!
いつもの戦闘員は「頭領!怪人がとんでもない展開になりましたよ!どうしたらいいんでしょうか?」
頭領は「フランケンシュタイン怪人をこちらに連れてきたいんだが、なんせ、敏郎が、すぐそばにいるんで、安易に近づけないしな!恐ろしい殺気が、みなぎってるぞ!」
いつもの戦闘員は「僕たちは恐ろしい魔物を相手に、戦っているんですね!あ~怖い!」
頭領は「ほんに、恐ろしい!とんでもないやつだ!ワシたちのような悪魔を困らせる魔物め!」
頭領と、いつもの戦闘員は、自分たちこそ悪魔を棚に上げて、敏郎を魔物だと決めつけていた。
デビルグリードにとっては、思いもよらない最悪な展開だった。




