第58話
錦小路が大きな声で、叫ぶように健たちを誘った。「俺、シャンパンタワーを見て、1度やりたかったんだよ!俺たちも、やろうぜ!!!」
健が「えっ!?マジですか!?」とか、阿蘭が「すごいですねー!」とか、楓梨が「さすが、錦小路さんです!カッコイイ!」とか、千鶴が「楓梨が喜んでいるので、私もやってみたいわ!」
健たち4人は、てんでに興奮していた。千鶴でさえも、うれしそうだった。
錦小路は男性従業員に、ミニシャンパンタワーを頼んだ。
予算の都合で、シャンパンタワーは、ミニシャンパンタワーになった。それでも、頭領たちにとっては、すごく贅沢な遊びだった。
頭領は「あいつ(錦小路)、どんだけリッチなんだ!?戦士運営団体の運用資金を流用しているのかもしれないな!悪いことをしないと、あれだけ派手に遊べないしな!」と戦闘員に耳打ちした。
戦闘員は「おっしゃる通りです!本当に恐ろしいやつですね!あれだけ散財しているんですから、裏で悪いことをしてそうですね!僕らのような悪い者の模範になるのが正義のヒーローですよね?呆れますね!」と頭領に吐き捨てるように言った。
頭領と戦闘員は錦小路を裏の顔のある悪者に決めつけていた。同時に自分たちも悪者だと認めていた。




