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第２０話

千鶴は、へにゃへにゃになって、使い物にならなくなって、その場に、へたり込んでいた。

健は大きな声で叫んだ。「千鶴ちゃん、しっかりしろ！」そして、取り囲むバイト戦闘員たちの真ん中にいる千鶴を健は、引きずってきた。阿蘭は、それを援護するようにバイト戦闘員たちから健と千鶴を守ろうとしていた。

楓梨は、ただそれを立って見ていた。

頭領はバイト戦闘員たちに「お前たち、何をしていいるんだ！」

バイト戦闘員たちは「心にもないことを言ったりして、疲れるんですわ！」とか「暗いやつの相手をするのは、うざいですよ。」と口々に不満を言い出した。

頭領は「もう一息で、エコーズを倒せる！史上最強の千鶴が弱っているのがチャンスだ！今、頑張ったら、お前たち、バイト代の時給アップも夢ではない！」と、はっぱをかけた。

頭領の言葉にバイト戦闘員たちは再び、やる気を起こした。次に、ターゲットになったのは、楓梨だった。元々、楓梨は戦闘能力は皆無に等しかった。しかし、気力でデビルグリードに挑んでいた。

バイト戦闘員たちは、ただ立っていた、楓梨に気が付いて取り囲んだ。楓梨が「キャー！」と悲鳴をあげた。

その叫び声はかなりの大きさだった。その声で、へたり込んでいた千鶴が我に返った。

「あの声は楓梨！楓梨が呼んでいる！楓梨を助けなくっちゃ！」と千鶴は言うや否（いな）や立ち上がって、全速力で楓梨のもとに一目散に走って行った。

千鶴は「楓梨ぃぃぃぃぃ！！！」と叫んだ。

千鶴の顔は、この世のものとは思えないぐらい、恐ろしい形相に変わっていた。