第17話
そう言っているうちに、常連客の頭領が、いつもの戦闘員を連れ立ってやってきた。
健は厨房にいたが頭領を見て店の入り口まで走って迎えた。
健が頭領たちに「いらっしゃいませ!お待ちしていました!社長さんが来られると店は繫盛します!」
健は感謝の気持ちで、いっぱいだった。
頭領は、それに応えるように「それは、よかったね!あんたたちは、うれしそうだけど、ワシは今、悲しいんだよ。」
それを聞いて健は、何のことだろうと思ったが、浮かれていたので、別段、気にはしなかった。
頭領は、すかさず、とりなした。「いや、別に。商売のことで気になることがあってね。でも、この店に来ると元気になるよ。」
健は「いつでも来てくださいよ!嫌なことがあっても、ここに来て忘れてくださいね!」と頭領に元気づけした。
頭領は「ありがとう。」と礼を言った。
テーブル席に頭領と戦闘員は案内された。
戦闘員はコソコソ頭領に「あいつらのために僕たちは、ガッカリしているのに、その張本人があの態度なんですから、何も知らないとはいえ、迷惑なやつらですね!」
頭領がそれを聞いて「う~ん。あいつらめ!この先どうやってやるか、覚えておれ!」
頭領は、自分がまいた種で、健たちの小料理屋もヒーローも順調になって、笑えない頭領だった。