第176話
健たちの住んでいる、いつでも小料理屋の近くには、月に1回、屋台が出る日があった。
健は「日頃のみんなの労を労うために、明日は休みなので、屋台に行こう!千鶴ちゃんの再加入祝いもあるしね!」と提案した。
阿蘭は「健!ナイスアイディアだぜ!酒が飲めるぜ!」と男性的な言葉で賛同した。
楓梨は「賛成!ぜひとも行きたいです!屋台大好きです!」と、うれしそうだった。
千鶴は「皆さんに、温かく受け入れられて、うれしいです。以前以上に頑張ります。屋台も楓梨と一緒で、楽しくなりそうです!」と勝手なことを言って、1人で喜んでいた。
翌日、夕方頃、4人は、いつでも小料理屋に集まって、屋台の出ている場所に向かった。その場所は歩いて20分ほどかかった。
その近くに行くまでに、人通りが多かった。
屋台は20店以上出ていた。食べ物屋やドライフルーツ屋やアクセサリーも売っていた。
まず、阿蘭は「焼うどんを食べてみたいなあ。」と、つぶやいた。
健は「うまそうだな!鉄板で、ソースが焦げているような匂い、最高だなあ!じゃあ、買いに行ってくるかな!」
楓梨は「賛成!健さん、お願いします!」とお願いした。
千鶴は相変わらず無言で、うなずくだけで、ポーカーフェイスだった。
健は、4人分の焼うどんを買った。
健は、いつでも、どこでも、パシリだった。
健は「屋台の店の焼うどんは、うまいな!鉄板で豪快に炒めた焼うどんは香ばしくていいな!」と焼うどんの感想だった。
阿蘭は「うちの店のと違って、とんかつソースが辛い目だな。」
楓梨は「炒めた豚肉、キャベツに淡白なうどん、それに、ソースのしょっぱさが、マッチしている!そのうえ、紅しょうががしょっぱくって、いいかもね!」
千鶴は「私は楓梨がいいと思うなら、この焼うどんは、いいわ。」
千鶴は、またしても楓梨にゾッコンだった。
楓梨にしたら、千鶴がイーニャンに惚れ込んだので、ホッとしていたが、千鶴のウザいのがいなくて少し物足りなかった。しかし、その気持ちが薄らぐ暇もなく千鶴が戻ってきたので、再び百合に悩まされることになった。
健は「少ししょっぱくって喉が渇いたので、麦茶を買ってくるよ!」と提案した。
3人は健に賛成し、麦茶を買ってくるのを待つことにした。
健は、またしても、パシリをしていた。
健は、近くの屋台でペットボトルの飲み物を売っている所に走って行った。
健は「麦茶4本ください。できるだけ冷えているのをください。」と、わがまま気味に頼んだ。
屋台の店員は「はい!4本ね!ありがとうございます!ところで、お客さん、時々、この屋台に来てるの?」と尋ねた。
健は「いいえ。初めてなんです。」と言って、冷えた麦茶4本を受け取った。
屋台の店員は「ふーん。そうなの?見たようなことあるような気がしてね。ありがとう。」と麦茶を買ってもらったので、お礼を言った。
健は、走って行った。屋台の店員は、思い出した。健をどこかで見たはずだった。それもそのはずで、屋台の店員は、いつも、健たちと戦っているバイト戦闘員の1人だった。この日、臨時で屋台を手伝っていた。