第174話
翌日、頭領たちは、空き地でエコーズを待っていた。今日こそ、デビルグリードが完全な勝利だと確信していた。
頭領は「千鶴がこちらに寝返ったら、どのポジションがいいかな?」と、いつもの戦闘員に尋ねた。
いつもの戦闘員は「やはり、千鶴は、最強の怪力なので、幹部クラスでしょうか?」と頭領に進言した。
頭領は「千鶴のやつ、こちらのチームに入っても、おぬしのすぐ下のランクだろうな。おぬしは、いつもワシの1番手下の側近だ!」と断定した。
いつもの戦闘員は「恐縮です!うれしいです!頭領に、そこまで一目置かれているとは、思ってもみませんでした!ありがたいです!僕は、果報者です!しかも、千鶴が寝返りそうなので、これでデビルグリードも安泰ですね!」と確信するようだった。
本当のところ、いつもの戦闘員は自分こそが頭領の1番の側近で、頭領のナンバー2だと思っていた。頭領が時々、自分こそが1番手下と言われていたが、今日また言われて、再確認できたので、うれしかった。
続けて、いつもの戦闘員は「千鶴が百合だとは思っていましたが、あんな小さいのが好みだったんですね!下手に千鶴が男狂いして、男に近づいて、危害を加えられる男が続出しても困りますね!社会悪です!あんな小さいイーニャンが救世主かもしれませんね!」
その時だった。エコーズが現れた。相変わらず低速で走っている。千鶴は、かなり遅れて離れ気味だった。やる気がなさそうだった。
頭領は「エコーズの諸君!よく来たな!だらしないお前たちが来たことを一応、褒めてやろう!」と挑発気味に叫んだ。
健は「せっかく来てやったんだから、もっと歓迎気味に褒めろ!」とクレームを付けた。
頭領は「いずれにしても、もうすぐエコーズも終わりだな!ジタバタするな!」とアドバイスした。
頭領はリリアとイーニャンを召喚していた。
頭領は「リリア、イーニャン、昨日のように行って来い!」と命令した。
リリアは「承知いたしました!」と応えた。イーニャンは「うん!行ってきまーす!」と、うれしそうだった。
リリアとイーニャンはエコーズにいる千鶴の近くに行った。
イーニャンは千鶴に「こっちにおいで!」と言って、千鶴をデビルグリードの所に連れて行った。
リリアもイーニャンと千鶴を後ろからバックアップするようにしていた。
健は「千鶴ちゃん!そっちはデビルグリードだよー!」と叫んだ。
日頃、千鶴をウザく感じている楓梨でさえ「千鶴ちゃん、あんた正気か?」と叫んだ。
阿蘭も「千鶴ちゃん、カムバック!」と楓梨同様に叫んだ。
頭領は「千鶴君!デビルグリードへようこそ!!!エコーズでは待遇が悪かったんだろう?働いても薄給でこき使われることだったんだろうな。可哀想に。ワシらなら高待遇だよ!幹部クラスをお約束します!毎日イーニャンと遊び放題の特典付きだよ!」と至れり尽くせりの勧誘をした。
頭領は「千鶴は、こっちのメンバーになりました!エコーズの方々、解散です!!!」と拍手をしながら満足そうだった。
健は戦力の千鶴を獲得されると、困ると思い、健も条件を出した。
健は「千鶴ちゃん!こっちは千鶴ちゃんの好きなスイーツ食べ放題で大好きな楓梨ちゃんを毎日チューできるよ!」と、うまい餌を考えた。
しかし、楓梨は「えええええええ!!!!!そんなことオッケーしませんよ!!!!!」と抗議した。
健は拝み込むように「楓梨ちゃん!お願いします!ここは頼りは楓梨ちゃんしかないんですから!」と頼んだ。
どうなることかと緊迫した空気が漂っていた。