第172話
圧倒的勝利の頭領だった。この日の夜、頭領と、いつもの戦闘員は、いつでも小料理屋に現れた。
そして、エコーズに勝利したということで、頭領と戦闘員は、ビールと炙りクリームチーズで乾杯していた。
戦闘員は「頭領!お疲れ様でした!イーニャン大活躍でしたね!こうして、敵の所で、勝った後のビールは、おつなもんですね!後に頼んでいるカツ丼と味噌汁も、楽しみです!いやぁ~、気分がいいです!」
頭領は「そうだな!盆踊り、マジで、ウケたなー!」
戦闘員は「あれ?頭領!千鶴ですが、この店を手伝ってますよ!よく、おめおめと帰れたもんですね!たぶん、いつでも小料理屋は人手不足なんでしょうね!急に辞められても困るんでしょうね!千鶴も図太い性格ですね!裏切っておきながら、よくやりますね!ちなみに、健と阿蘭と楓梨の3人から白い目で見られてますよ!あいつ、根性ですね!根性というあだ名をつけてやったらいかがでしょうね?」
戦闘員は自分たちこそ千鶴を健たちから離すようなことをしておきながら、得手勝手だった。
頭領は「ハハハハハ!千鶴にピッタリのあだ名だな!千鶴のやつ、どうするつもりかな?仕掛けた罠を待つだけだな!しかし、イーニャンに惹かれて、こちらに完全に寝返っても、あの千鶴をワシの配下に置けるかのう?」と尋ねた。
戦闘員は「あいつ、凶暴ですからね!」
噂をしていたら、なんと千鶴がカツ丼と赤だしの味噌汁を運んできた。
千鶴は「社長さん、お待たせしました!」と笑いながら、うれしそうだった。
頭領は「ありがとう。後で、ぶどうジュースを2つ持ってきてね。それに、プリンもね。」と笑顔で返した。
千鶴は「ありがとうございます!」と、またしても笑顔だった。
千鶴が去ってから、戦闘員は「気持ち悪いやつですね!笑ってますよ!いつも暗くて事務的なのに、調子狂いますね!」と、ささやいた。
頭領は「そうだな!確かに気持ち悪いように笑っていたな!まあ、とにかく、勝ったから、カツ丼だ!食べるぞー!このカツ丼、肉が豚肉でも柔らかいな!サクッと揚げられていて、甘辛のタレが絡まって卵液で、とじられているのが、なかなかうまいなあ!」という感想だった。
戦闘員は「本当に、うまいですね~!勝ったので、喜びも、ひとしおです!おまけに、負けた敵が揚げたカツのカツ丼で、勝ったのを祝うのも、なかなかの皮肉で、おつなもので、気分がいいですね!」と感慨深いものがあった。