第171話
頭領は、エコーズが苦戦しているのが愉快だった。
頭領はアンドロイドのイーニャンを使って、成功したので、今度は、以前、実績のあるアンドロイド1番手のリリアも召喚した。
頭領はリリアに「おぬしも、あの小さいイーニャンと一緒に、盆踊りを踊ってくるのだ!ウサギ耳を用意しておいたぞ!おぬしの分とイーニャンの分だ!そして、千鶴の分だ!」
いつもの戦闘員は「頭領!ウサギ耳を付けて、盆踊りですか?少し時代遅れではないですか?」
頭領は「まあ、これもご愛嬌じゃ!」
頭領は再度、リリアに命令した!
リリアは「ハハー!承知いたしました!」と言って大小のウサギ耳を頭を下げて受け取った。そして、大きなウサギ耳を自分の頭につけて、千鶴の相手をしているイーニャンの傍に行った。そして、リリアは、まずイーニャンの頭にウサギ耳をつけた。次に残りの大きなウサギ耳を千鶴につけた。千鶴は先にイーニャンにつけたので、自分につけられても、抵抗はなかった。
リリアのウサギ耳の装着は手早かった。千鶴はまんざらでもなく、喜んでいた。
リリアとイーニャンは、盆踊りを始めた。千鶴もそれに続けて、盆踊りを踊った。
健たち3人は、横目でそれを見ながら、驚くばかりだった。
楓梨は1番に驚いていた。
エコーズは苦戦が続いていた。千鶴が戦わないエコーズは、デビルグリードのバイト戦闘員たちにやられ放題だった。
健は、このままでは危険だと思い、阿蘭と楓梨に退却を促した。
健は、イーニャンとリリアと遊んでいる千鶴に「千鶴ちゃん、帰るよー!」と一応、自分たちと一緒に帰ることを促した。
しかし、千鶴は聞く耳を全く持っていなかった。
健たち3人は、戦闘を放棄して戦いの場から逃げ去った。
いつもの戦闘員は「頭領!やりましたよー!あいつら逃げていきましたよー!」
デビルグリードの圧倒的な勝利だった!
頭領は勝てる戦いだったが、いつ千鶴が我に返るかもしれないと、一抹の不安を覚えた。今まで、怪人をやられてきたので、とっておきの自信作のアンドロイドのリリアやイーニャンを千鶴に倒されないかと思って危惧していた。予算がないので、これ以上、材料費を捻出するのは、キツかった。この間、壊れたドローン代も高くついたからだった。それで、頭領は、戦闘員たちとリリアとイーニャンを連れて、一緒に消えた。
1人残された千鶴は、イーニャンともっと遊びたかったが、結局、味方や敵も、誰もいなくなった。