第169話
頭領と、いつもの戦闘員は、ドローン計画を練って、エコーズ4人を待つだけだった。
しばらくして、エコーズがいつも通り、息せき切って、走ってきた。
健は「ハァアハァアハァア・・・。エコーズ参上・・・。」と息切れしながら苦しそうだった。
それを見て、頭領はゴーグルを目に付け、首にはスカーフを巻き付けた。準備万端だった。そして、次に、ドローンに飛び乗った。
打ち合わせ通り、いつもの戦闘員がコントローラーで、操縦した。
ドローンは高く空に浮かんだ。
健たち4人は、それを見て、驚いた。
頭領は拡声器を持って「エコーズの諸君!忙しいところお疲れさん!ワシの華麗なる晴れ舞台はどうだ?エコーズもデビルグリードの傘下に入る時がやってきたな!素直に降伏しろ!白旗を揚げろ!ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!今、しないと後悔するぞ!」と上機嫌だった。
健は「デビルグリード!勝手なことを言うなよ!」と叫んだ。
阿蘭は「あんなドローン代、高くついただろうな!」と、のんきそうだった。
健は「エコーズでは予算がないから無理だな。今の小料理屋では売り上げがまだそんなに増えてないし。戦士運営団体には、そんな予算ないだろうな。」と現実的な発言をしていた。
こんな時まで健は、いつでも小料理屋の売り上げのことを考えていた。
頭領の乗ったドローンは、健たちがいるすれすれの真下まで、急降下した。そして、次に高く飛んで行ったように思わせて、健たちのいる所に戻って、体当たりするように攻撃的に飛んできては、寸前のところでかわし、方向を変えて、飛んで行った。
健たちは、てんでに逃げ回った。
楓梨は「私たちを狙い打ちにしようとしてるんじゃない?」
千鶴は「うるさいハエだ!」と怒り狂っていた。
ドローンは何度もエコーズを狙おうとしていた。
ドローンは遠くの方に行って、また戻ってきて、エコーズを狙おうと企んでいたようだった。
異変が起こっていた!ドローンはエコーズからかなり離れた場所で、少し煙が出ていた。
頭領はドローンに乗りながら、この異変に気が付いた。
スマホで、いつもの戦闘員に連絡した。
頭領は、いつもの戦闘員に「煙が出ておる!どうにかならないか?」と急いで連絡した。
いつもの戦闘員は「こっちもコントローラーの様子がおかしいんですよ!」と返事した。
頭領は「仕方がない!なるべくここから離れて、上空に飛ばせてほしい!一応、言っておく!今まで世話になったなあ・・・。さらば!」と言って、最後は感謝の言葉だった。
いつもの戦闘員は「頭領!縁起でもないこと言わないでくださいよー!」と叫んだ。
いつもの戦闘員は頭領の指示通り、急いで、健たちから離れて、かなり上空に、ドローンを飛ばした。
遠くに飛んだドローンだった。しばらくして、ドローンは少し離れた場所に墜落したようだった。“ドーーーーーン!!!!!”という墜落の爆音がした。そして、煙が上空まで上がっていた。
いつもの戦闘員が「頭領ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」と叫んだ。
いつもの戦闘員は膝から崩れ落ちて泣きながら落胆した。他のバイト戦闘員たちも号泣した。
いつもの戦闘員は「やっぱり、ドローンに乗る頭領を止めればよかったんだ・・・。」と叫びながら、片手で土を掴み、地面に叩きつけて、後悔した。
そして、次に、いつもの戦闘員は、頭領の行方を探そうと立ち上がった。
その矢先だった。誰かが歩いてくる足音がした。それは、頭領だった!
頭領は力強く歩いていた。
いつもの戦闘員は「頭領ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」と叫んで、頭領に近寄った。
いつもの戦闘員は「頭領!助かったんですね!ご帰還、おめでとうございます!」
頭領は「ありがとう!!!おぬしが、かなり上空に飛ばしてくれたので、パラシュートで降下できた!さすが、ワシの1番手下じゃ!礼を言うぞ!」と言い終わると、いつもの戦闘員を抱きしめた!
エコーズ4人たちは、それを見て、感動したのか、拍手をした。つられるように、バイト戦闘員たちも、また拍手をした。
エコーズとデビルグリードは、停戦状態だった。
健が「敵ながら、助かって、天晴だ!!!」と賛辞を送った。
こうして、頭領のドローンの戦いは終わった。