第16話
店の開店時間がやってきた。いつも通り、客が来て、店は、にぎわっていた。
健は阿蘭に「今日もお客さん多いな!うまくいっている!売り上げが伸びそうだ!怖いほど順調だ!もちろん、阿蘭たちのおかげでもあるよ!」
阿蘭がそれについて「本当に、この調子で売り上げが伸びそうだぜ!この店を選んで俺、正解だったぜ!ヒーローにもなれたし!俺ってツイてるな!」
健は「全てはお客様のおかげだ!特に常連の工務店の社長さんが来ると、お客さんが増える!客を呼ぶのかなあ?あの社長さんには、ずっと来てほしいな!」
阿蘭は「ああ、そうだな!あの社長さん様様だな!本当にいいお客さんだな!今日も来てくれるかな?」
健と阿蘭は頭領のことをすっかり勘違いしていて、今日も頭領が来店することを心待ちにしていた。
店内では、酒を飲んだ客が楓梨をからかっていた。楓梨は少し迷惑そうにしていた。
それに気が付いた千鶴は、すぐに、その場に行った。そして、客に向かって「お客様、どうかされましたか?」と軽く尋ねると、千鶴の暗さに、客は興醒めし、すぐに、黙った。
その場を離れた楓梨と千鶴は、2人で話した。楓梨は千鶴に「サンキュー!助かったよ。あのお客さん、飲むと、たまに、しつこくってね。悪い人じゃないんだけどね。」と言って、感謝した。
千鶴は「どうもなくてよかった。楓梨が困っていると私まで困るから。いつでも困ったら言ってよね。楓梨が困ると、私が困る。私たちはと~もだちだもんね!」と妙に最後は明るかった。
楓梨は助けてもらったまではよかったが、困っている時は一緒に困ってるとか、と~もだちという馴れ合いが苦痛に感じた。
こうして、いつでも小料理屋は繫盛していた。