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第167話

頭領と戦闘員は皿洗いを続投していた。


健は「社長さん、そろそろ切り上げて、エビフライ定食を召し上がってくださいよ!」


頭領は「ありがとうございます!そうさせてもらいます!」と、しおらしかった。


頭領と戦闘員は、席に着いた。頭領は「よっこらしょ。」と言って座った。


頭領は席に座ったものの、まだまだ皿洗いができそうな余力があった。さすが、クリーニング店で立ち仕事が日常茶飯事で、体を鍛えているので、足腰が達者だった。


健は、すぐにエビフライ定食を作って、頭領と戦闘員に運んできた。


健は「社長さん、皿洗いをありがとうございました!助かりました!それにしても、社長さん、タフですね!おまけに、洗い方、プロ並みのうまさですね!いやぁ~、参りました!」と頭領を褒めた。


頭領は「どうってことないよ!いつも立ち仕事だからね!」と答えた。


戦闘員は慌てて「ああ、そうですよね!社長!現場で、ずっと立つことありますもんね!」


戦闘員は、工務店の社長のように、頭領をフォローした。


健は「どうぞ、ごゆっくりしていってくださいね!」


頭領は健が厨房に行ったのを見計らって、戦闘員に言った。


頭領は「危なかった!おぬしのおかげで助かった!もうちょっとで、立ち仕事=クリーニング屋と口が滑りそうになったぞ!」と冷や汗をかいていた。


戦闘員は「いえ、どうってことありませんよ!しかし、いつでも小料理屋は結構流行ってますね!皿洗いのやりがいがありますね!僕もまだまだ続投可能でしたけどね!意外と皿洗いも面白いですね!」


頭領は「ワシたち、綺麗にするのが性に合っているのかな?」


悪の組織がクリーニングすることや皿洗いが上手というのも、理屈に合っていない話だ。


そして、2人はエビフライ定食を食べだした。


頭領は「エビフライはエビがぷりっぷりで、パン粉がカリッとしている!サクサクだな!添えられているレモンの輪切りを絞るとレモン果汁が爽やかにフレッシュだ!タルタルソースを付けると相乗効果で、より一層エビフライがうまく感じる!横にあるフライドポテトや粒コーンも、うまいなあ!大盛りのライスもすぐに食べてしまうほど、ご飯も、うまいなあ!」と褒めっぱなしだった。


戦闘員は「本当にそうですね!他に言葉がありません!」


皿洗いで遅くなったので、頭領と戦闘員は、帰ることにした。


レジに行くと、楓梨がいて「社長さん、ちょっと待っててください。健さんを呼んできます。」


楓梨と入れ替わるように、健が走ってきた。


健は「社長さん、ありがとうございました!感謝します!気持ちだけですが、封筒に入っています!お2人に感謝します!」と頭領に封筒を手渡そうとした。


頭領は「えっ!?こっちこそ、異世界で世話になったのに、そんなこと申し訳ないよ!」と一応、受け取るのを辞退した。


健は「売り上げがまだ戻っていないので、気持ちだけです!」と付け足した。


頭領は「じゃあ、受け取っておくよ!ありがとうございます!」と丁寧に健に言って、封筒を受け取った。


頭領と戦闘員は、店を出た。


その帰り道、2人は話しながら歩いていた。


頭領は「ワシたちの働きを認めたんだな!」と言って、まんざらな気持ちではなかった。


戦闘員は「やってよかったですね!やった甲斐がありました!報われました!」


頭領は封筒を開けてみた。封筒には1000円が入っていた。


戦闘員は「健は日頃から、売り上げうんぬんばかり言ってるはずですね!すごいシビアですね!言葉通り、本当に気持ちだけでしたね!今どき、高校生でも、もっともらってますよ!」と呆れた。


頭領は「ワシら2人があれだけ皿洗いして、この金額か・・・。1人500円。ワシらの働きは高校生以下なんだな。無いよりはマシか。しかし、一応、このお金はもらっておこう。」と言って、自分を慰めて、財布に入れた。

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