第164話
頭領は「あいつら、まだやめないな!早く帰らないと小料理屋の下ごしらえがあるのに!なにを考えてるんだ?時間がないはずだ!」
戦闘員は「そうですよね!いつも店の売り上げがどうのこうのと言って、戦闘に来るのが遅いくせに、なにを考えているんでしょうか?おまけに、今日は、クレーンゲームに、のめり込んでいるんですね!呆れますね!」
頭領は「大体だな、こんなゲームのなにが面白いんだ!どこまで人を待たせたら、気が済むんだ!普段、戦いでワシらを待たせて、今日は、クレーンゲームをやめないで、戦い同様、待たせている!」
頭領と戦闘員は、なかなか帰らない健たちに、エコーズの悪口を言って、暇つぶしをしていた。怒りの矛先がなく、しびれを切らせて、頭にきていた。
そうこうしているうちに、健たち4人がゲームセンターを出て、帰って行った。
頭領は「やっと帰ったな!待たせてからに!待たせるのが、あいつらのトレードマークだな!ふざけてるな!」
頭領と戦闘員は、今だとばかりにクレーンゲームのゲーム台に向かった。
クレーンゲームの機械をガラス越しに見ると、エコーズ4人のフィギュアがあった。そして、デビルグリードの頭領と戦闘員のフィギュアもあった。
戦闘員が「頭領!フィギュアですが、健、阿蘭、楓梨、千鶴、それなりに似ていますね!」
頭領は「あの兜をかぶってるのは、ワシだな!それと、全身黒ずくめが、おぬしたち戦闘員だな!」と確信した。
戦闘員は「ほどほど似ていますね!なんか照れますね!僕たちも有名になったってことですね!」と、うれしそうだった。
頭領は「うれしいことだな!世間に認められたということかな?悪を貫いたエリート集団!」と自負した。
頭領は、自分たちが悪だと世間が認識しているのに、そう思われているのが、心から、うれしそうだった。しかも、エリート集団だと思い込んでいた。思い込みも、はなはだしかった。