第158話
健が、いつでも小料理屋の2階に頭領と戦闘員を誘導した。
健は「2階が3部屋あるので、1部屋使ってください!借家の道具部屋で、すいませんが、ゆっくりしていってください!」
頭領は「健君!助かったよ!ありがとう!じゃあ、使わせてもらうよ!」と健に礼を言った。
後の2部屋のうち阿蘭の部屋は健と阿蘭が使い、残りの健の部屋は、楓梨と千鶴が使うことにした。
健は阿蘭に「とんでもないことになったな!」
阿蘭も「早く、日本に帰りたいもんだな!こんなことになったら、日本でいつでも買えるファーストフードが売ってるかどうかわからないな!こんな時に限って、食いたくなるな!」
楓梨は「さっきテレビのスイッチを入れたら、映らなかったです!スマホのインターネットも見れないし、いつも買う化粧品も売ってるかどうかわからないし、先行き不安です!おまけに同居の人が千鶴ちゃんなんて超最悪だよ!」と健に、こっそりと言った。
1階にいる千鶴は、そんなことを言われているとは思わず、楓梨と同居なので、逆にウキウキとしていた。
一方、道具部屋で、頭領は「健は意外と親切だなあ。しかし、この石が原因だとしたら、どうしたものかなあ?」と戦闘員に、ひそひそと相談した。
戦闘員は「この石で、この異世界に来たことになったとわかったら、僕たち、タダでは済みませんよね?僕は、この石のせいのような気がしますよ。」
頭領は「どうなるかもわからないので、黙っておくしかないな。仕方がない。一晩様子を見るか。で、さっき、スマホで日本にいるバイト戦闘員たちにクリーニングのことを頼もうと思ったら、スマホは圏外になっていたしな。やはり、ここは、異世界なんだなあ。」と、しみじみと言った。
戦闘員は「全く、お手上げの状態ですね。」
頭領は「ワシの可愛いバイト戦闘員たちも心配しておるだろうなあ。」
戦闘員は「仰せの通りです。」
頭領と戦闘員は、不安に包まれていた。