第154話
翌日、頭領と、いつもの戦闘員は1番乗りで、いつでも小料理屋に来ていた。
健が2人を出迎えた。「いらっしゃいませ!」と言って、席に案内した。
健は頭領に「社長さん、今日は早いですね!」
頭領は「うん。今日は早く仕事が終わってね!じゃあ、ビールと冷奴を頼むよ!」と健に頼んだ。
健は注文を聞くと厨房に戻っていった。
頭領は健が行ったのを見計らって「あっ!忘れてた!そういえば、コインランドリーで石ころを見つけてな。これなんだよ。店外に捨てようと思って忘れていた。」と戦闘員に言った。
頭領は、上着のポケットから石を取り出して、テーブルに置いて、戦闘員に見せた。石は、グレー色で、やや白色が、かかっていて、人のこぶし大の大きさだった。
戦闘員は「なんですか、これ?ただの石のようですね。」続いて石を眺めてから「最初は、ごくごく普通の石のようでしたが、気のせいか、呼吸しているように感じますが・・・。気のせいでしょうか?」と頭領に尋ねた。
そして“ドックンドックン”と生きているような音がしだした。
戦闘員は「頭領!なんだか、生命反応の感じがしますよ!」と表現した。
頭領は「えっ!?怖い!どうしよう?外に捨てに行ってこようか?」と言った時、石は赤くなり、燃えるように真っ赤になった。
次に“ピカーッ”と輝いた。頭領と戦闘員は、どうなることかと気が気でなかった。しかし、石は最初に見たようなグレー色で、やや白色に戻っていた。音もしなくなった。
戦闘員は「ホッ!よかったですね!頭領!普通に戻りましたよ!」と安心した。
頭領は「どうなることかと思ったのう!」とホッと胸をなでおろした。
2人はホッとしていた。急いで、頭領は石を上着のポケットに入れた。
少ししてから、健が、ビールと冷奴を持ってきた。
健は「お待たせしました!次のオーダーも聞いておきましょうか?」と尋ねた。
頭領は「ハヤシライスにしておくよ!」と注文した。
健は「承知しました!ごゆっくりどうぞ!」と言って、厨房に行った。
戦闘員は冷奴を食べた。「頭領、この冷奴、オクラと、かつお節が、ちょうどいいトッピングですね!豆腐と醬油によく合っていますね!」
頭領は「本当にうまいのう!ビールとよく合う!」
少しして、客が店に入ってきた。
戦闘員が「あれ?気のせいか、変わった客ですね!1人は獣耳で、もう1人はエルフ耳ですね!着ている服も中世ヨーロッパ風で、異世界アニメみたいですね!なんか、余興の人たちでしょうか?」と尋ねた。
頭領は「うん。たぶん、そうだろう。」
この時、頭領と戦闘員は、やばい状況になっているとも知らずに、のんきに構えていた。
2人共、石のことは、すっかり忘れていた。