第152話
剣道教室の先生と生徒が乱入した翌日だった。この日も、空き地で、頭領はエコーズを呼び出していた。
頭領は昨日、エコーズと剣道教室が揉めていたのを見て、痛快だった。
昨日のこともあって、エコーズは、一段とやる気がなっているのを予想して、今日こそ一網打尽にしてやろうと目論んでいた。
いつもの戦闘員は「頭領!やる気満々ですね!」
頭領は「エコーズのやつら、昨日は味方のようなやつらに戦いを挑まれて、参っただろうな!ヒーローだけに、ショックだっただろうな!今度こそ息の根を止めてやる!それでだな、今日は、フランケンシュタイン怪人とリリアを連れて来たぞ!ドラキュラ怪人は千鶴のバカがボコ殴りしたせいで、未だに修理できない状態だ!しかし、それにしても、あの千鶴、昨日は竹刀を次々と折って、恐ろしい光景だったな!未だに思い出すと身震いがするぞ!」
いつもの戦闘員は「思い出すだけで、寒気がしますね!本来ならば、僕たちデビルグリードを見て、寒気がするはずなんですが、まだまだ僕たちの悪の修行が足りないんでしょうか?」と尋ねた。
頭領は「まだまだワシたちは悪を貫いていないということだな!」
そして、頭領は「健には、先ほどスマホで来るように呼び出しておいた!」
いつもの戦闘員は「それにしても、遅いですね!」
そう話している時に、阿蘭がバイクに乗って、現れた。
頭領は阿蘭に「あれ?なぜ1人だけなんだ?」と尋ねた。
阿蘭は「お取込み中のところ、すいません。みんな、店の新メニューを考え中なので、来れません。俺が代理で伝言を言いに来ました。そういうわけで、今日のところは、お引き取りください。」
頭領は「なんだと!?お前たち、ヒーローのくせに悪の組織を袖にしていいと思ってるのか!ふざけている!もう1度出直してこい!エコーズとしてな!待ってる!」
阿蘭は「そんなこと言ったって、店の売り上げが関わってるんだから、そっちの都合もあるだろうけど、こっちも1人抜けて伝言に来ているんだから、こっちの立場もわかってもらわないとね!エコーズも店も大事だから、そこのとこ理解してよね。」と頭領に、ほぼ投げやりの調子だった。
頭領は阿蘭に「ご苦労さん!せっかく来たんだから、遊んでいけ!今日は、久しぶりにリリアも来ているぞ!健に内緒で特別に遊ばしてやる!チューさせてやろうか?」と悪魔のささやきだった。
阿蘭は「せっかくだけど、健たちがうるさいから帰るとするわ!それにしても、リリアちゃんはイケてるな!じゃ!俺はこれで!」と頭領に、お愛想を言って、バイクに乗って、帰って行った。
頭領は「せっかく好意的に勧めているのに!欲がないやつだな!そうだ!もっと、リリアをエロくしなければな!まだまだ魅力が足りないということだな!」
いつもの戦闘員は、それを聞いて「今でも十分に魅力的なのに、頭領、こりゃあ楽しみですね!」と言って、鼻息を荒くした。
リリアの魅力に、敵の阿蘭が興味をあまり示さず、逆に味方のいつもの戦闘員が積極的だった。